記事の要点
・「買い物をするだけで森が増える」というコンセプトのエシカルオンラインマーケット「tells market」がオープン。
・tells marketで買い物をする度に、金額の1%分がSeC(Sustainable eco Coin)コインとして還元され、1コイン=1円として商品購入の際に使用できる。一定期間経過して失効しても、「森の苗木」として森林保全や環境活動などを行う団体へと寄付される。
・現在はプレオープン中で、ファッション・アクセサリ・キッチン&ダイニングなど全11ブランドが出店中。2022年の夏のグランドオープンに向けて生活雑貨・インテリア・電子機器などのブランドが出店予定。
編集部コメント
環境や人権に対して配慮された商品やサービスを選ぶ「エシカル消費」。
最近になって耳にするようになった言葉だが、大量生産・大量消費は地球資源や人的資源を搾取した上に成り立っていることが多い一方で、消費者がこういった実態を知る機会は少ないのが現状である。
2019年に行われた消費者庁のエシカル消費調査によると「エシカル消費」という言葉を知る人は全体の8.8%であり、2016年実施時と比較して増えてはいるものの、社会全体の意識の変化やSDGsの2030年という目標達成は依然として遠い道のりであることがわかるだろう。
このような背景のなか、「買い物をするだけで森が増える」というコンセプトのエシカルオンラインマーケット「tells market」がオープンした。
運営するFreewillは、シリコンバレーに姉妹会社を持ち、ICTエンジニアリングとソーシャルサービス開発を行う企業。「FREEWILL(自由意志)」に従った働き方・生き方がしたいと考える世代が活躍できる社内環境や自社サービスに取り組んでいるベンチャーだ。
2019年12月には、サービスを使えば使うほど森が増え、人類社会の豊かな生活と地球環境の共存共栄を可能にするSustainable eco Society(持続可能なエコ社会)の実現を目標とした「SPIN」を含む3つのソーシャルサービスをリリースしている。
tells marketでは買い物をする度に、金額の1%分がSeC(Sustainable eco Coin)コインとして還元され、1コイン=1円として商品を購入する際に使用することができる。こういったサービス内流通コインは、一般的には、一定期間経過して失効するとサービス運営企業の資産へと返還されるものだが、tells marketでは「森の苗木」として森林保全や環境活動などを行う団体へと寄付されるようになっているという。
また、還元されたコインはブロックチェーンで管理されており、すべての取引を追跡することができるようにもなっている。たとえサービス運営会社であったとしてもデータの改ざんができないため、不正の心配はない。コインを使っても、使わなくても、または使い忘れたとしても、tells marketを利用するだけで無意識に地球に貢献することができる、というわけだ。
tells marketで取り扱う商品は、製造工程や成分表の透明性があるか、環境や人に優しい商品か、なぜ、どんな目的でその商品を作っているかを語ることができるか、消費者に学びや気づきを与えられるか、という4つの基準に基づき、厳正な審査のもとで選定されているという。
これらは、エシカル度合いがわかる「エシカリティレベル」、社会的なインパクトがわかる「ソーシャルインパクトスコア」、希少価値を判断する「KISHOレア度」、品物がどの項目に貢献しているかが分かる「SDGsへの貢献」といった独自のスコア表示により、信頼性が見える化され、品物の選択がしやすくなっている。
また、日本語と英語の言語切り替えができ、日本に暮らす外国人の方や将来的には日本の品物を海外で販売するといったアプローチも可能となる。
現在はプレオープン中で、ファッション・アクセサリ・キッチン&ダイニングなど全11ブランドが出店中。2022年の夏のグランドオープンに向けて生活雑貨・インテリア・電子機器などのブランドが続々と出店を予定している。
将来的には地域創生の観点で、地域通貨として出身地や在住地域の商品を購入した時の割引や地域への寄付などもできるようになる予定とのことだ。
値段や見た目だけでなく、環境への配慮や作り手の想いから、商品を選ぶ。本サービスは、それが買い物の当たり前となる第一歩になるかもしれない。