事前予約不要で、依頼から最短15分で駆けつけてくれるベビーシッターサービス「ここはぐnow」。サービスリリースからまだ2ヶ月ほどしか経過していないが、雑誌『Forbes JAPAN』2018年8月号の「全員幸せイノベーション!日本の担い手99選」に選抜されるなど、社会的注目度が非常に高くなっている。
前編では、これまでのサービスの立ち上げ経緯について、株式会社ここはぐ 代表取締役の草加今日子(くさか きょうこ)氏にお話を伺った。
後編でも引き続き同氏に、サービス設計の思想や、今後の展開への思いについて、お話を伺った。
サービス提供時間はあえて短時間に絞っています
--それにしても、サービスリリース直後にForbes JAPANで特集されていて、すごいですね! ここまで注目されている要因は何なのでしょうか?
草加今日子(以下、草加氏):やはり、予約が不要なことと、早く来てくれることの2点に尽きると思います。
これらはユーザーにとっても大きなメリットのはずです。先日も新規の方にご利用いただいたのですが、その方はベビーシッターのご利用自体が初めてで、「こんなに簡単に使えるのね」という印象を持たれていました。
--その方は何時間のご利用でしたか?
草加氏:1時間です。お子さまは0歳児で、当日はパパさんもいらっしゃったのですが、ママさんとしては慣れない旦那さまに任せるのが不安だったので、外出に併せてご依頼いただいた、という背景でした。
--本当に色々なケースがあるんですね。サービス利用は最大3時間までと明記されていますが、これはあえてでしょうか?それともリソースの問題で、仕方なくそうされているのでしょうか?
草加氏:あえて短時間に絞っています。
ママさんの緊急SOSに応えることを目的にサービス設計しているのですが、前もって予定されていない長時間のSOSって、実はあまりないんですよね。
病気の時は長時間のサポートが必要ですが、弊社では現時点で病児保育を扱っていません。
--あえて緊急での短時間依頼に特化しているからこそ、予約も不要に設計されているんですね。
草加氏:おっしゃる通りです。ほとんどのベビーシッター事業者は、事前の面談を設定していて、厚生労働省としても事前の面接を推奨しています。
しかし、この流れがユーザーにとって非常に手間であるケースも多く、弊社としては、面接をせずとも必要なシッターとご家庭がマッチングされるように、ご依頼の段階で工夫しています。
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