お金を払っても肉が買えない時代がきますよ
--日本と海外とで、食糧危機含め、貴社事業への反応に違いはありますか?
串間氏:日本は圧倒的に危機意識が足りないと感じます。
世界的には人口爆発していますが、日本だけは現時点で人口が減少していますよね。また、食料自給率が低く多くの食品を輸入しているにも関わらず、フードロス大国であることは有名です。
つまり「お金さえ払えば、良いもの食べられるよ」と思っているのが、現在の日本人です。
--確かに、身近で”飢餓”に苦しむケースは、多くの人にとっては無縁ですね。
串間氏:一方で、世界では肉・魚・卵の需要はますます増えてきており、それに対して飼料の生産がどんどん追いつかなくなってきている。
先日も、飼料の価格が高騰して競り負ける、という話を聞きました。一部の業者さんは既に気付き始めていますが、飼料が簡単には輸入できなくなってきます。
結果として、肉・魚・卵もどんどん希少価値が高まっていき、お金を払っても買えなくなる時代がくるでしょう。
--ゆゆしき事態ですね。貴社の事業が早く、グローバル展開されるべきと感じます。海外の投資家ともお話は進められているんですか?
串間氏:もちろん、現在進行形で国内外各所と進めています。
海外の方が日本と比べて、圧倒的にスピード感がありますね。
有難いことに、向こうから「すぐに進めたい!」という声を頂くことが多いんですよ。今日本で大型プラントを作って、実際の運用をした上でのレポーティングをするから待って、と申しているところです。
本当に安心安全な食べ物を自分の管理下で作りたい
--ところで串間さんは先日、代表取締役会長に就任され、新たに”代表取締役暫定CEO”の方が就任されましたよね。”暫定CEO”って斬新なネーミングですね。
串間氏:これから本格的なグローバル展開を進めていくにあたり、経営陣もグローバルに物事を捉え、進めていける人間を配置する必要があります。
今回の体制変更は、今後の経営人材それぞれのCXO(CEO、CTO、CFO、COO etc…)をオープンに募集するための暫定的なものです。なので”暫定CEO”と表現しています。
暫定CEOには、もともと弊社の最高広報責任者を担っていた者が就いています。
--なるほど。そういうことだったんですね!後ほどお話を伺いたいと思います。それでは最後に、Love Tech Media読者の皆様に一言お願いいたします!
串間氏:僕たちの将来的な大きな目標は、生物の循環サイクルから一切の化学物を除去する、ということです。
私たちが口にする食べ物の中で、本当に安全なものって、身の回りにどれだけあるでしょうか。なかなか無いと思います。
私には小さな子供がいますが、たとえば野菜畑に行くと土は農薬まみれなので、子供を土の上で遊ばせるわけにはいきません。
ムスカは完全オーガニックな飼料・肥料です。そんな完全オーガニックなもので育った野菜やお肉が流通することで、食の安全に貢献できると考えています。
本当に安心安全な食べものを自分の管理下で作りたい。
この思いで、まずはイエバエを通じた循環系を作り上げてまいります。
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