使命感をもって事業に取り組む串間の姿に影響されました
最後に、2018年7月に”暫定CEO”に就任された流郷綾乃(りゅうごうあやの)氏に、今後の事業展開への思いを伺った。
--まず、流郷さんがムスカにジョインされた経緯を教えてください。
流郷氏:私自身は広報のプロとして、複数社の広報責任者や顧問をしています。その中で株式会社ベイシズというビジネスデザインカンパニーの執行役員・最高広報責任者としても活動していまして、その流れで、投資先として支援しているムスカの広報戦略も一手に担うことになりました。
ムスカが創業して間もなく、ジョインしましたね。
--ご経歴を拝見しましたが、ムスカさんやベイシズさんに限らず、WEBメディアのロボスタさんやシーマン人工知能研究所、ロボホンの非公認エバンジェリストなど、現在も実に様々なプロジェクトに関わっていらっしゃいますね!流郷さんが広報を受け持たれる際の基準を教えてください。
流郷氏:子供が80歳になった時に、この事業って必要なのかな?この事業が足がかりになって、当たり前になっているのかな?ということを考えて、受け持つかを判断するようにしています。
--ムスカさんは間違いなくこれからの時代で必須の事業ですね。流郷さんにとって、串間さんはどういう方でしょうか?
流郷氏:一言で言うと、ハエに関していい意味で変態ですね(笑)
家のガス・電気・水道などライフラインがストップしたとしても、ハエの研究所のライフラインは何としてでも維持するって、なかなかできないことですよね。それだけ強い思いで何十年もハエを守り続けるって、すごいことだと思います。
使命感をもって事業に取り組む串間の姿に影響され、私も周りのスタッフも一緒になってイエバエ事業を進めています。串間の思いについていく私たち、って感じですね!
--今回は暫定CEOということで就任されましたが、あくまで次のステップであるグローバル展開に繋げるための戦略ということですね。
流郷氏:そうです。採用広報の一環として就任させて頂きました。
とはいえ、今後串間は、より串間にしかできない実務の部分に専念してもらい、当面は私が前面に立ってムスカの認知を広げていく予定です。
フードテック領域・タンパク質危機に興味があってグローバル視点のCXO候補の方がいらっしゃいましたら、ぜひご連絡いただきたいです!
--ミッションに共感してくださる素敵な方が見つかるといいですね。それでは最後に、Love Tech Media読者の皆様に一言お願いいたします!
流郷氏:先ほど、「子供が80歳になるまでに必要な事業かを考えている」とお話しましたが、私自身、娘と息子がいます。この世で一番大事な存在です。
この一番大事な存在が豊かに過ごしていき、生きる力をつけていってもらうにはどうしたらいいのかな。それを考えてあげるのが、私が生きていく価値だと考えています。
ムスカは間違いなく、これから子供たちが生活する世の中に必要な取り組みです。ぜひ、”ハエ”という一般的にマイナスなイメージに引っ張られることなく、見守っていただければと思います。
編集後記
Love Tech Mediaとしては初のバイオテクノロジーベンチャーへのインタビューでした。ハエと聞いて最初こそは少なからずの抵抗がありましたが、事業の仕組みや背景にある思いを伺い、最後は地球を救うハエへの愛情すら感じるようになりました。
私たちの体の筋肉や皮膚を作っているのはタンパク質です。タンパク質が摂取できなくなると、生活する上で様々な障害が出てきます。
地球規模のタンパク質危機を救う事業として、Love Tech Mediaでは今後も随時、ムスカさんを追って参りたいと思います。
本記事のインタビュイー
串間充崇(くしま みつたか)
株式会社ムスカ 代表取締役会長
1976年宮崎市生まれ。国立都城工業高等専門学校電気情報課卒業後、中部電力に就職。 その後、恩師である小林一年と出会い、株式会社フィールドに就職。ロシアの特殊な宇宙、軍事派生技術など特殊技術案件や多方面商品開発に従事。様々な分野の知識を吸収し、経験を積み、自らアビオス株式会社を設立。フィールドの案件やルートを継承し追加の研究開発を継続し開発を完了し、事業拡大のために株式会社ムスカを設立。 世界規模での食料安全保障問題の解決に取り組み、後世の為に、完全有機循環型街作りや、無薬食循環による付加価値の創造の実現を目指している。夢と野心多き中年。
※日経主催「AG/SUM(アグサム)」にて受賞したみずほ賞トロフィーと共に撮影
流郷綾乃(りゅうごう あやの)
株式会社ムスカ 代表取締役暫定CEO
1990年生まれ。2児の母。ベンチャー企業の広報とし活躍後、フリーランスの広報として独立。スタートアップや大企業に対し、ブランディングからマーケティングまで一貫した広報戦略コンサルティングを提供し、多数の成果をあげる。2017年9月にベイシズ執行役員に就任。同11月、ベイシズの指名によりムスカ執行役員として経営参画。2018年7月、現職に就任。