記事の要点
・「精子セルフチェック Seem」が、2022年6月30日(木)15時をもってサービス終了することが発表。
・上記日時に、Seemアプリの新規ダウンロードおよびダウンロード済みアプリの利用が不可となり、それに併せてSeemキットも利用できなくなる。事前に行った測定の結果や精子等動画の閲覧についても、同時刻をもって終了となる。
・Seemは、子どもを望む早い段階で自分の「精子の状態」を把握することで、女性だけでなく男性も主体的に一緒に取り組む「ふたりの妊活」を広めていきたいという期待を込めて、2016年11月にリリースされた。
編集部コメント
「精子セルフチェック Seem」(以下、Seem)が、2022年6月30日(木)15時をもってサービス終了することが発表された。
Seem(読み方:シーム)といえば、スマホを使って自宅で手軽に「精子の濃度と運動率」を測定できるサービス。測定結果は、下回ると自然妊娠が難しいとされるWHOの下限基準値と比較することができ、自身のリアルタイムな「精子の状態」を把握することが可能だ。精子の状態は体調や環境によって変化するので、複数回の測定で自分の傾向を確認することが想定されたプロダクトとなっている。
そんな同サービスが提供開始されたのは2016年11月。
子どもを望む早い段階で自分の「精子の状態」を把握することで、女性だけでなく男性も主体的に一緒に取り組む「ふたりの妊活」を広めていきたいという期待を込めてリリースされたものである。
当メディアでも、そのLoveTechなコンセプトに魅了され、立ち上げ責任者へのインタビューをはじめ、啓発セミナーやイベント等、何度もその取り組みを見守ってきた経緯がある。
上記記事群の中でも言及されているとおり、妊活・妊娠の話となると、女性と比較して、どうしても男性の当事者意識が相対的に低くなる傾向が強い。その当事者意識の格差が、中長期的な夫婦感情の“ゆがみ”になることは、家庭という社会単位における大きな課題だと感じる。
だからこそ、自身の精子を見つめて身体の状態を知ることは、まさに夫婦やパートナーと「ふたり」で妊娠について考える、良いきっかけになるというわけだ。筆者の身の周りでも、Seemをきっかけに泌尿器科へと通いはじめ、そこから妊活への前向き行動をスタートさせることができたというケースも多くある。
そんなSeemがサービス終了するのは非常に残念だが、精子チェックツール自体はこの他にもたくさんある。同サービスが市場を開拓したこともあり、同時期にリリースされた「メンズルーペ」(提供元:TENGAヘルスケア)をはじめ、「コウノトリ男性用精子チェッカー」(プラネックス)や「SuguCareメンズホームチェッカー」(スピンシェル)など、同様のアプローチで提供されているものは少なくない。
またスマホを活用したものでなくとも、例えばダンテによる「バディチェック® クレアチン」などは、精液成分の郵送検査キットによって、自宅にいながら精液チェックを行うこともできる。
もちろん、細かいサービス内容や機能等は異なるので、それぞれのサービスページをチェックした上で、自身に合ったものを選択すると良いだろう。
いずれにせよ、市場を牽引してきたSeemは2022年6月30日でサービスが終了する。
具体的には、上記日時にSeemアプリの新規ダウンロードおよびダウンロード済みアプリの利用が不可となり、それに併せてSeemキットも利用できなくなる。
当然ながら、事前に行った測定の結果や精子等動画の閲覧についても、同時刻をもって終了となる。必要に応じて、サービス終了日までに、スクリーンショットや画面録画で保存するなどの対応を行うと良いだろう。