リリース概要
写真を飾ってほめることで子どもの自己肯定感を向上させる子育て習慣「ほめ写」を啓発する「ほめ写プロジェクト」は、
プロジェクトメンバーである発達心理学者の岩立 京子氏が2019年7月から11月に実施した研究により、「ほめ写」を行うことで、親子間のコミュニケーションや親の子育てに対する効力感(子育てをしっかりできている感覚)に好影響を与え、子どもだけでなく親の自己肯定感の向上にもつながる可能性があることを明らかにしました。
「ほめ写プロジェクト」は、プロジェクトリーダーである教育評論家の親野智可等(おやのちから)氏が小学校の教師として多くの子どもたちと接してきた中で感じた“自己肯定感の高い子どもの家庭には、写真が飾られていることが多い”ことに着目し2018年8月に発足。発達心理学者の岩立 京子氏、脳科学者の篠原 菊紀氏、パートナー企業の協力のもと、子どもと親の自己肯定感に関する意識調査や「ほめ写」の実証実験と脳活動測定を実施し、写真を飾ってほめることが、子どもの自己肯定感を向上させる可能性があることを発表しました。
今回「ほめ写プロジェクト」は、「ほめ写」が写真を通じて子どもの自己肯定感を高めるだけでなく、「ほめ写」を行う過程の中で、親子での会話のきっかけや子どもとの楽しかった思い出を振り返り、子どもへの愛情、存在の大切さを見直すきっかけにもなり、親の自己肯定感の向上につながることを発見しました。
「ほめ写」プロジェクトメンバー
親野智可等(おやの ちから)氏 コメント
外出自粛が続き、親としてもっとできることがあるのではないかと思いつつ、なかなか思うようにいかないことがストレスになるなど、非常に大変な時期だったと思います。自己肯定感はほめることで伸びますが、ついつい叱ってしまうことでお子さまの自己肯定感が下がってしまう可能性があることが懸念されます。「ほめ写」は、写真を通じて子どもの自己肯定感を向上させるだけでなく、親子での会話のきっかけや子どもとの楽しかった思い出を振り返るきっかけにもなると思います。子どもの存在、大切さなども実感できると思いますので、自粛期間中に少しギスギスしてしまった親子関係の回復や、子どもたちの自己肯定感を高める一助になればと思います。
岩立京子(いわたて きょうこ)氏 コメント
社会が急速に変化し、先の見えない時代と言われていますが、新型コロナウイルスの感染拡大は、人々の生活を一気に変え、withコロナの生き方が模索されるようになってきました。家族の日常も急速に変化し、新たなストレスや不安が生じているかもしれません。しかし、社会がどのように変わろうとも、家族は、人の成長の原点を支える場であり、安全基地であって欲しいと思います。家族が心地よい経験を想起し、共有し、語り合うことによって、互いの存在を見直したり、互いに愛情や信頼を持つようになること、そして、その過程で、それぞれが自分らしさを肯定し、おおらかに成長していくきっかけになるのが、ほめ写だと思っています。立派な写真でなくてもいい、何気ない一枚の写真から生まれる家族の物語を経験していただきたいと思います。
主な調査結果
自己肯定感に関する調査により、親と子の自己肯定感の関係や、親子のコミュニケーションの実態等を調べ、さらに「ほめ写」を3週間実践することで、前後でどのような変化が起こるのかを調べる「ほめ写」実証実験を行いました。
(1)自己肯定感に関するアンケートによる実態調査
幼稚園児から小学生(4~12歳)とその親333組を対象に、記入式のアンケート調査を実施。
幼稚園児に関しましては、親が代理聞き取りでアンケートを回答。有効回答数329組から分析。
【実態調査①】親と子どもの自己肯定感には相関関係がある。
※自己肯定感に関する設問は10問/4段階評価(40点満点)
親と子どもの自己肯定感には相関関係が見られ、親の自己肯定感が高いほど、子どもの自己肯定が高くなる傾向が見られました。【図1】
【実態調査②】親から子どもへコミュニケーションがよく行われている家庭では、親の自己肯定感が高い。
※自己肯定感に関する設問は10問/4段階評価(40点満点)
※p<0.05以下の場合、有意差あり
実態調査では、親子間で多くコミュニケーションが成立しているほど、互いの話に耳を傾け、互いに認め合う機会が多くなるため、親の自己肯定感が高い傾向が見られました。【図2】
【実態調査③】親の子育てに対する効力感が高い家庭は、親の自己肯定感が高い。
※自己肯定感に関する設問は10問/4段階評価(40点満点)
※p<0.05以下の場合、有意差あり
親の子育てに対する効力感が高いと、親の自己肯定感が高いことが分りました。【図3】
子育てに対する効力感とは、わかりやすく言うと、「子育てをしっかりできている感覚」、「自分が親らしいことができている自分への信頼」とも言えます。親の子育てに対する効力感が高い、つまり自分の子育てに対して、しっかりできている感覚があれば、自己肯定感が向上します。自己肯定感が高い人は他者肯定できるため、子どもの自己肯定感の向上にもつながります。
(2)「ほめ写」実証実験
「ほめ写」を実施したことのないご家庭で3週間の「ほめ写」を実施。幼稚園児から小学生(4~12歳)とその親276組を対象に、実証実験前後でアンケート調査を実施し、意識や行動の変化を調査。
有効回答数263組から、事後調査でほめ写実証実験の期間中にほめる行為を行うことができたと回答した202組を、ほめ写を正しく行えた群と定義し、分析。
【実証実験①】「ほめ写」を行うことで親から子どもへのコミュニケーション量が増える。
※コミュニケーション量に関する設問は5問/7段階評価(35点満点)
※p<0.05以下の場合、有意差あり
家庭で「ほめ写」を3週間行った結果、親から子へのコミュニケーション量が増えることがわかりました。【図4】
「ほめ写」は、頑張った姿をほめるなど、子どもに対する肯定的感情を表現する機会となり、「ほめ写」を続ける中で日常的にポジティブなコミュニケーションを取るようになると考えられます。
【実証実験②】「ほめ写」を行うことで親の子育てに対する効力感(子育てをしっかりできている感覚)が向上する。
※子育てに対する効力感に関する設問は11問/5段階評(55点満点)
※p<0.05以下の場合、有意差あり
「ほめ写」を行った結果、親の子育てに対する効力感が高まることがわかりました。【図5】
「ほめ写」を行うことで、子どもの写真により過去の心地よい出来事を思い出し、経験を共有し振り返ったり、それについて話し合える機会が増え、親の子育てに対する効力感の高まりにつながったとみられます。
実際に、実験協力者から「怒ってばかりいる自分にきづいて少し反省した」などの声もあり、親としての自分を見つめ直す機会にもなっていると考えられます。
【実証実験③】「ほめ写」を行うことで子どもだけでなく、親の自己肯定感も向上する。
※各評価4段階評価のうち肯定的な評価のTop2の合計%
※p<0.05以下の場合、有意差あり
「ほめ写」を3週間行うことで、親の自己肯定感に関するアンケート項目のスコアに上昇が見られ、10項目中、8項目で有意差が見られました。【図6】
つまり「ほめ写」は子どもだけでなく、親の自己肯定感も向上することが分ります。写真を見ながら子どもをほめることで、普段から「よくできたね」「すごいね」など積極的にポジティブなコミュニケーションを取るようになります。また、子どもをほめたりポジティブなコミュニケーションを取る中で、これまでの子育てとは違った子どもとの良い関わり方が生まれ、親自身の自己肯定感が高まると考えられます。
ほめ写プロジェクト 概要
■プロジェクト名:ほめ写プロジェクト
■ホームページ:https://homesha-pj.jp
■構成メンバー:親野智可等(おやの ちから)/ 教育評論家
:篠原菊紀 / 脳科学者 公立諏訪東京理科大学教授(応用健康科学、脳科学)
:岩立京子 / 発達心理学者 東京家政大学子ども学部子ども支援学科 教授
■メインパートナー:富士フイルム株式会社
■賛同企業・団体(五十音順):
アウトドアチャレンジ協議会、株式会社アオキカラー、株式会社アップルツリーファクトリー、池沢スタジオ、有限会社イトウフォト、株式会社弥栄、株式会社Wizleap、A_Creation.LLC、株式会社NTTドコモ、株式会社学校写真、錦明印刷株式会社、独立行政法人国立青少年教育振興機構、有限会社サイトースタジオ、株式会社SAEDA、株式会社サンケイリビング新聞社、しのみんこフォト、株式会社写真館ピノキオ、一般社団法人写真整理協会、スクールフォトカメラマンクラブ、株式会社スタジオアリス、スタジオ・ポージィ、スリーエムジャパン株式会社、ゼクシィBaby、有限会社雪山堂、千株式会社、竹野株式会社、株式会社東京富士カラー、株式会社新潟フジカラー、有限会社西脇写真館、一般社団法人日本おひるねアート協会、一般社団法人日本写真映像用品工業会、一般社団法人日本セルフエスティーム普及協会、日本フォトイメージング協会、ニューバランス・ジャパン株式会社、ノーリツプレシジョン株式会社、株式会社Pione Graphic、ピクスタ株式会社、NPO法人Fathering Japan、PhotostudioGIFT、有限会社フォトランドトクナガ、株式会社FLARE、株式会社ベストプランナ、三菱製紙株式会社、メモアル、株式会社ラブグラフ
ほめ写プロジェクトとは
「ほめ写プロジェクト」は、プロジェクトリーダーである教育評論家の親野智可等(おやのちから)氏が小学校の教師として多くの子どもたちと接してきた中で感じた“自己肯定感の高い子どもの家庭には、写真が飾られていることが多い”ことに着目。脳科学者の篠原 菊紀氏、発達心理学者の岩立 京子氏・パートナー企業の協力のもと、子どもと親の自己肯定感に関する意識調査や「ほめ写」の実証実験と脳活動測定を実施し、写真でほめることについて考察を行い2018年8月に発足いたしました。プロジェクトメンバー・パートナー企業・賛同団体と連携し、セミナーやイベントなどを通じて効果的な「ほめ写」のやり方や、子どもの自己肯定感を向上させるコツなどに関する情報を発信していきます。
ほめ写のやり方
STEP1 “撮る”
子どもが楽しそうにしている、活躍している、頑張っている時の写真。また家族といっしょのシーンなど、愛されていることを実感しやすい写真。
STEP2 “飾る”
子どもが楽しそうにしている、活躍している、頑張っている時の写真。また家族といっしょのシーンなど、愛されていることを実感しやすい写真。
STEP3 “ほめる”
写真を見ながら「この時はがんばったね」「よくできたね」と努力や成果をほめる。また、「生まれてきてくれてありがとう」「あなたは宝物」「大好きだよ」など、子どもの存在そのものを肯定する言葉を掛ける。
ほめ写スターターキット
これから「ほめ写」を始めるあなたには、「お好きな写真プリント+シャコラ+デザインカード」がセットになった、「ほめ写スターターキット」がおススメです。「ほめ写スターターキット」には、89mm正方形サイズ×5枚のキットと、127mm正方形サイズ×3枚のキットの2種類があります。
※「ほめ写スターターキット」は、「Shacolla(シャコラ)スターターキット」を活用した商品です。「ほめ写プロジェクト」のメインパートナーである富士フイルム社が提供しています。
① 写真プリント
89mm×89mmサイズのキットでは5枚、127mm×127mmサイズのキットでは3枚、お好きな写真をプリントすることができます。
② シャコラ(発砲パネル)
壁を傷つけない弱粘着の発泡パネル「シャコラ」が、89mm×89mmサイズのキットには5枚、127mm×127mmサイズのキットには3枚入っています。
③ デザインカード
手書きもできる、デザインカード。パネルに貼って飾るのもよし、メッセージカードにするのもよし。89mm×89mmセットには8枚、127mm×127mmセットには6枚入っています。
■ほめ写デザインシート
「ほめ写」をやってみたいけど、ほめるのが難しいと感じる方のために、バリエーション豊かな「ほめ写デザインシート」をご用意しました。ご家庭で印刷したデザインシートに写真を貼ってメッセージを書き込めば完成し、壁に貼るだけで、手軽にほめ写を実践できます。