記事の要点
・株式会社ハイパーエイトが、2020年5月からのテスト提供の結果を受けて、いきなり2週間のお試し交際がスタートするサービス「OZEN」の正式提供を開始。
・OZENコンシェルジュが、登録された年齢や身長、職業、学歴などの情報を元に、最適な恋人を紹介し、ユーザーはお試し交際で2回デートをした後に本当の交際に進むかを決める流れとなる。また、2週間のお試し交際中は性行為が禁止されている。
・ユーザーに適した恋人は、一週間程度でコンシェルジュが決定する。ただし、正式提供直後は「23歳以下と42歳以上の男性」と「31歳以上の女性」については、マッチングに1ヶ月程度の時間が必要となる可能性が高いとのこと。利用料は、通常は男性5,000円、女性1,000円。友達と一緒に登録した場合は、男性3,800円、女性無料。
LoveTechポイント
男女の出会いといえば、結婚相談所、マッチングアプリ、婚活パーティーという3大ソリューションが代表的となっていますが、そこに全く新しい出会いのUXを提供している点が、LoveTechだと感じます。
2012年のマッチングアプリ形態の誕生によって、「出会いの選択肢の拡張」がトレンドとなっていましたが、オフラインでの対面がかつてほど自由でなくなったウィズコロナ時代においては、あえての「出会いの選択肢の限定化」と「最適な出会いまでのコスト低減」こそが、次なるトレンドになるかもしれませんね。
編集部コメント
マッチングアプリやオンライン結婚相談所など、男女の出会い領域には実に様々な切り口のサービスが登場しているが、その中でも特にユニークなサービスが誕生した。
その名も「OZEN」(オゼン)。
いきなり2週間のお試し交際がスタートするという、まるで恋愛リアリティショーのようなサービスだという。
参加者の利用フローは以下の通り。
- 参加登録フォームを入力し、OZENコンシェルジュのLINEに顔写真2枚を送付
- 一週間程度でコンシェルジュが、ユーザーに適した恋人を決め、テレビ電話の日程調整連絡をする
- テレビ電話の日程が決定後、テレビ電話開始までにユーザー側で決済を実施
- テレビ電話の1時間ほど前に、お相手と「エンジェル」とユーザーの3人のグループLINEができ、時間になったら15分程度のLINEテレビ電話を実施。2回のデート日を決める。※「エンジェル」は、2週間の交際期間中に2人が仲良くなれるようにお膳立てをする人のこと
- お相手と2回デートを楽しむ
- 2回目デートの翌日に「決断タイム」。エンジェルから延長確認の連絡が来るので、お付合いを延長するか解消するかを回答する
- 双方が延長を希望した場合のみ、お付き合いを延長。希望しなかったらカップル不成立となる
特にユニークなのが、「エンジェル」という“お膳立て役”の存在だろう。エンジェルは、最初のオンラインデートに同席して、デート日を決めたり、デート中にやってもらう指令(敬語禁止や手を繋ぐなど)を出すわけだが、これは「誰でもなることができる」存在だという。
つまり、他のOZENユーザーがエンジェルの役割を担うこともあるというわけだ。
一般的にこのような仲人的な存在は、運営サイドが用意したり一部AIが代替して行うケースがほとんどだろうから、ユーザーが他ユーザーの支援役に回るという仕組みは非常に新しい。新手のシェアリングサービスとも言えるだろう。
また、お試し交際のお相手を100%運営(OZENコンシェルジュ)が選ぶという点も、昨今のオンライン恋活・婚活マッチングサービスにはない側面だ。人は選択肢が多いと、どうしても選択コストが上がってしまい、結果としてどんどんと最適な選択がしにくくなるという側面がある。その点、OZENでは選択肢が2つ、紹介されたお相手とお付き合いするか否かだけなので、大量いいねやメッセージのやりとりは発生せず、コミュニケーションコストが最小限で済むという点もメリットだ。
ちなみにOZENコンシェルジュは、年齢や身長、職業、学歴などの情報を元に、最適な恋人を決定。容姿については、客観的な評価をするために参加者から顔写真2枚を送ってもらい、同世代で異性3名のコミュニティーメンバーで10点満点で点数を付けて、その平均点での評価になるという。
登録画面に表示されているルールは以下の3つ。
- ルール①:2週間のお試し交際中は性行為が禁止になります。(ホテルや家に誘うことも一切禁止です。)
- ルール②:既婚者の登録は禁止です。(発覚した場合即刻カップル解消とさせていただきます。)
- ルール③:マッチング後にカップル解消を希望する場合は1500円のキャンセル料金が発生します。ご利用料金は不要です。(付き合ってから好きになろうというのがコンセプトなので好きになる可能性が少しでもありそうでしたらカップル解消をしないでください。)
出会い系サイト規制法に準じた年齢確認の他に、身分証を使っての本人確認も実施し、かつ既婚者の登録やお試し交際中の性行為を禁止している点で、「いきなりお付き合いをする」ことへの不安軽減の設計がなされている。
「2週間で1人としかマッチングできないとなると、効率が悪いのでは?」
そう感じる方も多いと思うが、同サービスが2020年5月から実施しているテスト運用では、これまでに約900組のカップルが誕生しており、その4組中1組はお試し交際を延長しているというから、決して非効率な出会い方でもないことがうかがえる。
運営会社である株式会社ハイパーエイトの代表・五十君圭治氏は、自身のnoteで、出会いにおけるマッチングアプリの課題と、それに対するOZENの位置付けを、以下の図を使って解説。一部のモテ層に人気が集中しやすい設計を回避し、同じモテレベル同士でのマッチングを創出することで、結果として低コストでの真剣交際成立の比率を高めるというわけだ。
画像出典:株式会社ハイパーエイト 代表取締役社長 五十君圭治氏のnote記事
正式提供開始のタイミングでは、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府、兵庫県、奈良県、京都府、愛知県に在住の方限定での提供となるが、今後は準じ、対応する道県を増やしていくという予定だ。
※また、正式提供直後は「23歳以下と42歳以上の男性」と「31歳以上の女性」については、マッチングに1ヶ月程度の時間が必要となる可能性が高いとのこと
利用料は、通常は男性5,000円、女性1,000円。友達と一緒に登録した場合は、男性3,800円、女性無料になる。ちなみに、相手都合で1回もデートができなかった場合は、全額返金になるという。
2012年のマッチングアプリ形態の誕生によって、「出会いの選択肢の拡張」がトレンドとなっていったが、オフラインでの対面がかつてほど自由でなくなったウィズコロナ時代においては、あえての「出会いの選択肢の限定化」と「最適な出会いまでのコスト低減」こそが、次なるトレンドになるかもしれない。
以下、リリース内容となります。