Pairsが本人確認ステップを2段階に強化。生体認証技術によるeKYC導入で、真贋判定をAIがサポート

記事の要点
・国内最大級の恋活・婚活マッチングアプリである「Pairs」が、アプリ内の本人確認処理において、株式会社Liquidが提供する「LIQUID eKYC」を導入したことを発表。
・LIQUID eKYCとは、金融機関など、安全・信頼性が求められるサービスで導入実績のある、Liquidの「生体認証技術」を用いたeKYCシステム。
・本人確認のステップを2段階にし、より安心・安全へのセキュリティを強化。
LoveTechポイント
国内最大級の恋活・婚活マッチングアプリである「Pairs」がeKYCを導入したということで、非常に大きなニュースです。
本人確認業務の認証強度強化と省力化を実現するLoveTechな取り組みであると同時に、KYCという古くは金融業から端を発する業務が他業界でも有効であり必要であることを示す、重要な取り組みだと感じます。
編集部コメント
国内最大級の恋活・婚活マッチングアプリである「Pairs」が、アプリ内の本人確認処理において、株式会社Liquidが提供する「LIQUID eKYC」を導入したことを発表した。
LIQUID eKYCとは、金融機関など、安全・信頼性が求められるサービスで導入実績のある、Liquidの「生体認証技術」を用いたeKYCシステム。本人確認のステップを2段階にし、より安心・安全へのセキュリティ強化を施した形となる。
eKYCをご存じでない方は、以下の記事も併せて参照していただきたい。

具体的には、従来の「本人確認・公的証明書の提出」に、「顔写真と実在性の判定撮影(スマートフォンアプリ版:表情筋判定+フラッシュ判定、WEB版:首振り動画)」のステップを追加。完了した会員のプロフィールには「本人確認バッジ」を付与し、本人確認のステータスを「本人確認ステップ1」「本人確認ステップ2」と2段階にすることで、全会員への本人確認バッジ取得を促すという。
新旧フロー比較
本人確認ステップ2
特にスマートフォンアプリ版には、Liquidが独自開発した真贋判定手法の一つ「フラッシュ判定」(特許出願中)を搭載。写真やディスプレイといった、本人以外による不正登録を、高水準のAI画像判定が抑止してくれる。
Pairsの本人確認の特徴
表情筋判定とフラッシュ判定のイメージ
もちろん、現在のAI技術では生体情報の真贋を100%間違いなく判定することは不可能であることから、Pairs運営元である株式会社エウレカが従来より行なっている、24時間365日のカスタマーケアチームによる目視確認も引き続き実施し、ダブルチェック体制でのサービス提供にする。
マッチングアプリ業界では、昨年11月にタップル誕生が、業界に先駆けてパナソニック製顔認証技術APIを導入し、本人認証機能および本人認証マークの実装を進めた。

また、最近では中国発フレンドマッチングアプリであるTantanも、TRUSTDOCK製本人確認APIを導入し、本人確認業務の認証強度強化と省力化を実現している。

業界においては、安心・安全への取り組みとして、一般社団法人 結婚・婚活応援プロジェクト(以下、MSPJ)から2018年2月に自主規制ガイドライン「MSPJ 7つの約束」が策定され、ユーザーが安心・安全に利用できるサービス環境の構築を目指してきた。
ここにきて新たに「eKYC」という、従来の出会い系サイト規制法に準拠した年齢確認以上の本人確認の認証強度強化および省力化の実装トレンドが活発になっており、(1)の要件への対応が盛んになってきている。ようやく、社会実装可能な技術が、本来あるべき理念に追いついてきたということだろう。
今回の、業界最大手であるPairsによるeKYC導入を皮切りに、今後各社がどのような対応を進めるのか。引き続き注視して参りたい。
以下、リリース内容となります。
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