昆虫産業の旗手・ムスカ、伊藤忠商事との戦略的提携と新経営体制を発表

社会課題

LoveTech Media編集部コメント

45年1,100世代に及ぶ選別交配を重ねたサラブレッドな”ハエ”を基幹技術にもつ株式会社ムスカ。

 

昨年あたりから「昆虫ビジネス」「昆虫食」といったワードがメディアを中心に飛び交うようになったが、間違いなく、その旗手となっているスタートアップ企業である。

 

同社では、長年研究開発してきたイエバエの幼虫を活用し、畜産糞尿や食品残渣などの有機廃棄物を1週間で全て”肥料”と”飼料”に変えるという、バイオマスリサイクルシステムを提供している。

 

世の中に流通する食料品の多くは飼料や肥料なしには生産を語れず、ムスカは、農業や漁業といった1次産業の前提となる、0.5次産業とも呼べる世界レベルの莫大な市場に切り込む「間接昆虫食スタートアップ」というわけだ。

 

この市場を共に耕すべく、我が国の総合商社も続々と同社とのオープンイノベーションに乗り出している。

 

3月1日には丸紅株式会社が、そして本日新たに伊藤忠商事が、それぞれムスカと戦略的パートナーシップ締結を発表した。

大手総合商社2社が同企業と戦略的パートナーシップを締結する事例はあまりなく、期待値が非常に高い事業であることが伺える。

 

また同じく本日、ムスカ経営執行体制の明確化と意思決定の迅速化を目的に、新経営体制も発表された。

 

これまで20年以上かけて粛々とイエバエの優性な遺伝子を守り続けてきた串間充崇氏(写真左から2番目)は、今後、ファウンダー / 取締役会長として、その知見を活かしたムスカ工場の建設に向けて注力すると共に、この事業、そして昆虫産業の50年、100年先の未来を創造していくことになった。

 

新執行体制としては、以下の通りとなる。

名前 変更前 変更後
流郷綾乃 代表取締役暫定CEO 代表取締役CEO   
安藤正英 取締役暫定COO 取締役COO
小高功嗣 取締役 取締役CFO

左:小高功嗣氏、中:流郷綾乃氏、右:安藤正英氏

 

ムスカではこれまで、CEOおよびCOOの肩書きに”暫定”という文字が挿入されていた。

 

これは、同社の成長ステージにあわせて経営陣も柔軟に配置していく、という想いを込めていたことによる。

 

今回の発表で、これが外れる形となる。

 

この点含め、株式会社ムスカ 代表取締役CEOの流郷綾乃氏にお話を伺った。

「日本のスタートアップ企業では、創業者が代表から外れることって珍しいと思いますが、弊社はそこにこだわらず、会社の事業ステージに応じて経営陣も柔軟に配置していくことで、事業を加速度的に成長させていくことを一番に考えて参りました。

 

私やCOO安藤の肩書きに”暫定”をつけていたのも、経営人材の流動性がまだまだ高くない日本において、そういったことへの意思表示として有効と判断したからです。

 

今回、私たちが”暫定“ではなくなったからといって、これまでお伝えしていた想いは何一つ変わっていません。

 

弊社は今後、海外からの資金調達も前提に事業展開して行くことに決めました。

 

世界中で昆虫産業含めたFoodTech関連市場が急速に成長している中、日本というマーケット内だけで資金調達を進めていっては、大きなリスクになると判断したからです。

 

海外では、会社の成長ステージに併せて経営陣が変わることは一般的なので、あえて”暫定”と入れなくても良く、新経営体制の発表に併せて、暫定の表記も外しました

 

創業者である串間の思いを、私たち執行役が、しっかりと世界に伝えて参ります!

 

持続可能な開発目標(SDGs)というワードが昨年あたりから急速に認知が広がってきているが、ベンチマーク的な取り組みも散見されるのが、正直な印象だ。

 

そんな中で、真にSDGsに寄り添い、地球レベルの社会貢献となりうる事業がムスカのバイオマスリサイクルシステムである。

 

2019年は昆虫産業元年。

 

LoveTech Media読者の皆様には、日本から羽ばたく同社の活躍を、見逃さないでほしい。

 

なお、ムスカについては以下の当メディア記事シリーズも併せてご覧いただきたい。

 

以下、両社によるリリース内容となります。

株式会社ムスカ(新経営体制の発表及び、新事務所開設)

リリース概要

株式会社ムスカ(東京新オフィス:東京都港区、代表取締役CEO 流郷綾乃)は、2019年を「昆虫産業元年」と位置づけ、事業化フェーズへの移行に伴い、経営執行体制の明確化と意思決定の迅速化を目的に、2019年4月3日付で下記の役員人事を行い取締役会にて承認されましたので、お知らせいたします。

▼取締役の変更、及び名称の変更

名前 変更前 変更後
串間充崇  代表取締役会長     ファウンダー / 取締役会長

串間充崇は、ファウンダー / 取締役会長として、20年以上にわたるハエの研究、知見を活かしたムスカ工場の建設に向けて注力すると共に、この事業、そして昆虫産業の50年、100年先の未来を創造していきます。

本変更に伴い、流郷、安藤、小高の執行体制により、本事業を推進してまいります。

流郷綾乃 代表取締役暫定CEO 代表取締役CEO   
安藤正英 取締役暫定COO 取締役COO
小高功嗣 取締役 取締役CFO

▼新東京事務所開設

チーム強化に伴い、新事務所を開設いたしました。以下、こちらの住所へ郵便物等はお送りいただければと思います。

住所 〒106-0031 東京都港区西麻布1-11-6-1304

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_____詳細は、次のリリースで

ムスカ会社概要

45年間1,100世代以上にわたる選別交配を重ねたイエバエによる『畜産糞尿や生ゴミ等の有機廃棄物を1週間で肥料や飼料に変換する100%バイオマスリサイクルシステム』を確立し、この技術を用いて世界の食糧危機の解消、地球の抱える環境問題の解決を目指す。

伊藤忠商事株式会社(ムスカとの戦略的パートナーシップについて

伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:鈴木善久、以下「伊藤忠商事」)は、昆虫を用いた100%バイオマスリサイクルシステムを開発した株式会社ムスカ(本社:福岡県福岡市、代表取締役CEO:流郷綾乃、以下「ムスカ」) に出資し、戦略的事業パートナーとなりました。

現在、世界全体で深刻な食糧危機が叫ばれる中、飼料(魚粉)市場は、63億米ドル(2017年)から120億米ドル(2026年)に到達し、天然資源である魚粉は供給限界に近づくと言われております。加えて、有機肥料市場も、人口増加に伴い、59億米ドル(2017年)から83億米ドル(2023年)に拡大すると言われております。*1 

 ムスカは旧ソ連の宇宙開発関連技術を研究起源とする昆虫(イエバエの幼生)を活用した100%バイオマスリサイクルシステムを確立しました。一般的に家畜の排泄物を原料としてつくる堆肥は、微生物の活動により通常最低2~3か月程度の時間を要し、堆肥過程で温室効果ガスも排出されており問題視されております。一方、ムスカの昆虫を活用したシステムは、1週間程度と短期間で肥料化でき、昆虫の消化酵素により分解されるため、温室効果ガスの発生量も抑えられます。それにより、環境負荷も低くなります。また、このシステムで成長した昆虫は、畜産農家や魚の養殖業者等に提供され、供給限界に近づく飼料市場にも貢献します。

伊藤忠商事は、ムスカへの出資に加えて、国内初となるムスカのバイオマスリサイクル設備の第1号プラントへの参画を検討いたします。また、同参画を始め、国内外における伊藤忠グループのネットワークを活かし、既存事業・ビジネスとの相乗効果を創出しながら、将来の食糧危機解消の一翼を担うとともに、世界の持続可能な発展に向けた循環型社会の実現を目指します。

また、伊藤忠商事は中期経営計画「Brand-new890ー^ Deal 2020 いざ、次世代商人へ」の中で「技術革新による商いの次世代化」や「低炭素社会への寄与」を掲げており、本取組はこれらに合致するものです。サステナビリティ推進の観点からも非常に有意義な取組であると考えており、この事業活動を通じて、循環型社会の構築に積極的に取り組んで参ります。

*1出典元 :
Fishmeal – Global Market Outlook (2017-2026)
Global Organic Fertilizers Market(2013-2023)

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