記事の要点
・日本全国の鳥獣害に悩む方々と狩猟に関心のある方々を繋げ、初心者でも狩猟を継続して続けられるようなサービス提供を目指す株式会社カリラボが、秩父郡横瀬町で創業。
・複数人から少額の出資を募り、罠を共同購入し、獣害に悩む地域部に罠を設置する「ワナシェア」事業と、巻き狩りという、複数人チームとなって猟犬と共に狩猟を行う手法への参加支援を行う、国内初のサービス「カリナビ」を提供開始。
・初年度は秩父郡横瀬町にて実施予定だが、2021年度からは、他地域も含めたサービス展開を予定。
LoveTechポイント
狩猟問題という、まだ認知が広がっていない領域に、シェアリングサービス設計やテクノロジーを活用して切り込んでいる点が、LoveTechと感じます。
このサービスが広がることで、食へのリテラシーも、結果として向上していくのではと期待しております。
編集部コメント
「日本の狩猟をつくる、繋げる」をコンセプトに、日本全国の鳥獣害に悩む方々と狩猟に関心のある方々を繋げ、初心者でも狩猟を継続して続けられるようなサービス提供を目指すスタートアップが誕生した。
秩父郡横瀬町で創業された株式会社カリラボである。
背景にあるのは、鳥獣害による被害が深刻化と、高齢化の波。
特に後者について、地域から鳥獣対策を委託される猟師の方々は、高齢化により担い手が急速に減少してきている。
また、平成27年度「環境省 平成27年度鳥獣統計情報」のデータによると、東京における狩猟免許取得者のうち、41.4%が免許保持しているにも関わらず猟を実施できていないという状況もあることがわかっている。
※東京都の狩猟免許交付数4,828名のうち、2,640名(54.7%)が都外で、191名(4.0%)が東京都に狩猟者登録を実施。つまり、都内の狩猟免許保持者のうち1,997名(41.4%)が免許保持しているにも関わらず猟を実施できいていない状況であることがわかる。
そんな背景の中、同社は「カリナビ」(狩り支援サービス)と「ワナシェア」(罠シェアリングサービス)という2つの新サービス提供を開始した。
「ワナシェア」とは、複数人から少額の出資を募り、罠を共同購入し、獣害に悩む地域部に罠を設置するというもの。
罠の動作状況・見回状況等は、トレイルカメラ・センサーなどIoTを駆使した仕組みを提供し、SNSを活用しオンライン上で共有するという。
罠猟や狩猟そのものに興味がある方々や、ジビエに興味のある方、地域課題解決などの社会貢献に興味のある方、フィールドワークを希望する学生の方などが対象のサービスとなっており、地域住民や農家の方々にとっては、少ない負担で罠を設置し、畑等の被害につながる鳥獣害を防止できるメリットがある。
また、「カリナビ」とは、巻き狩りという、複数人チームとなって猟犬と共に狩猟を行う手法への参加支援を行う、国内初のサービスである。
初心者や地域外に住む方でも、スムースにベテラン猟師と共に猟の経験を積むことができることが特徴で、銃猟免許を取得したが、参加できる場所が確保できていない人や銃猟や狩猟そのものに興味がある方々が対象のサービスとなっている。
初年度は秩父郡横瀬町にて実施予定だが、2021年度からは、他地域も含めたサービス展開を予定しており、全国で課題となっている狩猟問題への対応が期待されている。
かつての農業と同様、狩猟もアナログで労働集約的な儲からない仕事、と捉える方が多いと思うが、昨今ではIoT機器等のテクノロジーを活用して、狩猟の効率化が進み始めている。
実は狩猟やジビエに興味がある、という方は、ぜひこの新しい狩猟サービスに登録されてみてはいかがでしょう。
現在、クラウドファンディングサイト「Makuake」にて新規会員を募集している。
以下、リリース内容となります。