インテグリカルチャー × 信州大学、ニワトリを殺さず細胞を安定的に回収・培養する共同研究を開始

社会課題

記事の要点

・細胞培養による食糧生産「細胞農業」の社会実装を目指すスタートアップ、インテグリカルチャー株式会社が、国立大学法人信州大学と共同研究契約を締結し、細胞農業技術の確立に向け「ニワトリ胚膜および臓器の安定した回収手法の確立」を推進することを発表。

 

・共同研究を通じ、動物個体を殺さず細胞を安定的に回収・培養する方法の確立と、細胞回収技術の改良による安定供給が可能な細胞培養肉の実用化を目指す。

 

・長年にわたり高度に品種改良され、その成長率や肉質改善が行われてきた動物種である“ニワトリ”は、牛肉や豚肉と比べて安価かつ低脂肪で、ヘルシーなイメージがあることから、日本での消費量も年々増加しており、今後も需要拡大が見込まれている。

LoveTechポイント

「動物を殺すことなく食べられるお肉」という選択肢を実現しようとしている点が、非常に壮大でLoveTechだと感じます。

細胞農業で収穫された“お肉”が身近になることで、「動物を殺して食べる」という食リテラシーの向上もはかれるのではないでしょうか。

編集部コメント

細胞培養による食糧生産「細胞農業」の社会実装を目指すスタートアップ、インテグリカルチャー株式会社が、国立大学法人信州大学と共同研究契約を締結し、細胞農業技術の確立に向け「ニワトリ胚膜および臓器の安定した回収手法の確立」を推進することを発表した。

 

インテグリカルチャーといえば、動物を殺すことなく、細胞培養技術を通じてお肉などのタンパク性食糧を「安価に大量生産」できる未来を目指すビジョナリー企業。

 

食品材料を用いた培養液と、独自技術である汎用大規模細胞培養システム(以下、CulNet™システム)を開発し、細胞培養のコストを大幅に下げる技術を開発している。

 

これまでも細胞培養技術というものは存在しており、アミノ酸や糖分の入った培養液と、血清成分や成長因子で構成された培地を通じて、純肉の生成を実現していた。

 

一方、後者の血清成分や成長因子の“コスト”が、大きな課題ともなっていた。

 

従来の細胞培養方法で純肉を生産するには、100gで数百万円のコストがかかっており、既存のタンパク質の代替手段としては、経済性の観点で非現実的な状況であった。

 

そこで同社では、タンパク質が役割分担を通じて色々な臓器を作り、血管を介して循環させることで成長するという、動物体内の細胞間相互作用を模した環境を擬似的に構築。

 

自動で管理された制御装置下で種々の細胞を培養し、高コストの一因であった血清成分の作出を始めており、これによって血清成分の内製化を行い、細胞培養の大幅なコストダウンを実現している。

 

さらにこのCulNet™システムでは、細胞の増殖を促す成分を発する細胞と筋肉細胞等を同時に培養することで、上記の低価格培養液の効能を大幅に引き上げ、純肉の効率的な生産を可能とするシステムになっている。

 

現行の使い捨てのバッチ式と異なり、連続フロー式で細胞培養を行うため、並列化や大型化によるスケールアップも可能な優れものだ。

 

当メディアでも、食におけるタンパク質危機への対応を進めるLoveTechな企業として、昨年開催されたイベントを通じて取材させていただいた。

 

今回の信州大学との共同研究テーマは、長年にわたり高度に品種改良され、その成長率や肉質改善が行われてきた動物種である“ニワトリ”。

 

牛肉や豚肉と比べて安価かつ低脂肪で、ヘルシーなイメージがあることから、日本での消費量も年々増加しており、今後も需要拡大が見込まれている。

 

共同研究を通じて、ニワトリ個体を殺さず細胞を安定的に回収・培養する方法の確立を目指し、中長期的に安定供給が可能な細胞培養肉の実用化を進めるとのこと。

 

農地不要・超省資源で実現する「細胞農業」で育まれた培養ニワトリ肉が、我々の口に届く時代も近いかもしれない。

 

以下、リリース内容となります。

LoveTechMedia編集部

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