リリース概要
株式会社ジュピターテレコム(J:COM、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:井村 公彦)は、2019年9月より、ご家庭のテレビを活用した遠隔医療の実証実験を福岡市、東京都足立区、葛飾区、練馬区で実施します。J:COMが開発し患者様に提供する遠隔医療システムと、オンライン診療サービス事業者である株式会社インテグリティ・ヘルスケア(以下インテグリティ・ヘルスケア)と株式会社MICIN(以下MICIN)が医療機関に提供するシステムを連携させ、テレビ画面での高齢者向け遠隔医療の有用性を検証します。ケーブルテレビのインフラを使用し、患者様のご家庭のテレビ画面でオンライン診療を検証する国内で初めての実証実験です。
J:COMは約551万世帯が加入するケーブルテレビのインフラを活用して、オンライン診療や健康相談、バイタルデータ管理などを含む総合ヘルスケアサービスの提供を検討し、2021年度の商用化を目指します。将来、J:COM 71局の地域拠点において、スタッフがシステム導入やご利用のサポートを行うことにより、高血圧や糖尿病などの慢性疾患を抱える患者様が、ご家庭でICT機器を使用して健康を管理し、医療機関や薬局へ簡単にアクセスできる仕組みを構築していく予定です。
背景
日本は超高齢化社会を迎え、慢性疾患患者の増加や医師の地域偏在、介護負担の増加など、社会的課題が深刻になっています。J:COMの約551万世帯のお客さまにおいても、通院に不便を感じている方が多くいらっしゃると思われます。医療へのアクセスと在宅医療のクオリティを向上させるために、ICTを活用した遠隔医療への期待が高まる中、2018年4月にはオンライン診療に関する診療報酬が新設されました。また、主なデバイスがスマートフォンである一方で、高齢者の中にはスマートフォンの操作に不慣れな方も多いため、利用できるデバイスを増やすことやサポート体制の構築が急がれています。
実証実験概要
J:COMが開発する遠隔医療システム(オンライン診療アプリ)と、国内主要オンライン診療サービスであるインテグリティ・ヘルスケアの「YaDoc (ヤ―ドック)」とMICINの「curon(クロン)」をシステム連携させます。その上で、慢性疾患を抱える60歳以上の患者様を対象に、患者様宅のテレビ画面上でのビデオ通話による診察や服薬指導、医療機関の予約や問診などを行います。また、地域密着を経営方針とするケーブルテレビ事業者としての実績とノウハウを生かし、J:COMスタッフが患者様宅を訪問し、機器設置や初期設定、操作説明などにおいて、ご利用を継続的にサポートします。なお、本実証実験は、厚生労働省の「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に基づき、通信の暗号化を実施し高いセキュリティのもとで運用します。
なお、福岡市で行う本実証実験については、福岡市、九州大学、独立行政法人都市再生機構、福岡地域戦略推進協議会で構成されるコンソーシアムが主催の「Smart East PoC Program」(最先端技術や革新的なビジネスモデルなどの導入により、未来に誇れる都市を創造していくためのプログラム)に採択されました。