LoveTech Media編集部コメント
細胞培養による食糧生産「細胞農業」の社会実装を目指すスタートアップ、インテグリカルチャー株式会社が、世界初となる「食べられる培養フォアグラ」の生産に成功したと発表した。
インテグリカルチャーといえば、動物を殺すことなく、細胞培養技術を通じてお肉などのタンパク性食糧を作ることのできる未来を作ろうとしているビジョナリー企業。
食におけるタンパク質危機への対応を進めるLoveTechな企業として、昨年開催されたイベントを通じて取材させていただいた。
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また今年7月には、日本ハム株式会社と共同で動物細胞の大量培養による食品の製造に向けての基盤技術開発を始めると発表しており、大企業とのオープンイノベーションによる研究開発も加速させている。
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これまで同社が開発してきた培養肉は、基本的には“研究用の培養液”を使って生産されてきた。
研究用培養液は食品ではないため、培養されたものも食品とはならないのが現実であった。
そこで同社は、全てが食品で構成された培養液を独自に開発し、その食品培養液で培養した「食べられる」培養フォアグラを作ったというわけだ。
上写真は、培養フォアグラのフランの上に、軽く炙った培養フォアグラを乗せたものである。
今回培養フォアグラを調理した未来食研究家・桑名広行氏によると、コクと甘みがバランス良く感じられ、油分はそんなに感じないが、少量でも十分口の中で広がりを感じる、そんなお味だったという。
今後さらに研究開発を進め、2021年には高級レストランへのテスト提供、2023年には一般販売を目指すという。
いよいよ、農地不要・超省資源で実現する「細胞農業」で育まれた培養肉が、我々の口に届く時代になってきた。
我が国の食糧安全保障環境の改善のみならず、味覚保全の観点からも、同社の技術開発を引き続き注視して参りたい。
以下、リリース内容となります。