LoveTech Media編集部コメント
患者向けソーシャルデータプラットフォーム「Activaid」が、9月10日より正式版をリリースした。
Activaidとは、慢性疾患を抱える患者がお互いに支え合い、病気を管理し、新しい治療法の発見等に貢献するという三点をサポートするために開発されているソーシャルデータプラットフォーム。
同じ疾患を持つ患者コミュニティで患者同士をつなげ、医師が診療で重視するポイントに沿った疾患管理やメンバー同士による情報の参照で病気を見える化し、新薬開発に必要な情報の提供(Patient reported outcome:※)などを通じて、患者自身が直接医療の発展に参加することができる機能を提供している。
※patient reported outcome:患者の健康状態に関する、患者から直接得られた報告に基づく測定のこと
今年2月に、 IBD(潰瘍性大腸炎/クローン病)に対してベータ版のリリースをしたわけだが、今回新たに、各ユーザーへの臨床試験(治験)のマッチング機能の提供を開始し、それに併せて製品自体もベータ版から正式版へと移行したという。
これまでは患者にとって臨床試験というものは受け身で参加するものであり、情報を得ようとしても主治医が臨床試験に関して知識がない場合も多く、また、自分で検索しようにも検索できる情報には限界があり、解釈をすることも困難な状況であった。
今回実装されたマッチング機能は、これまでActivaidが収集してきた新薬開発に必要な情報を元に実装されており、これによって、各ユーザーは日々の疾患を管理するだけでなく、必要に応じて臨床試験という治療の新たな選択肢を能動的に検討することができるようになる。
また、製薬企業や研究者にとっても、Activaidを通じて創薬に必要な情報を集めつつ、臨床試験への被検者募集ができるようになるという、患者と企業、双方にとってのWin-Winな形となるわけだ。
今後の目標としては、2020年中に10,000人のユーザー参加を目指し、創薬や臨床試験などに有効なデータベースを構築するとともに、患者の日々のニーズを解決するような施策を展開。
また、対応疾患も順次追加していき、製薬企業や研究機関などに向けてのサービスも開発していき、将来的には遺伝子や各種Omicsデータも含んだ情報銀行化を目指すという。
<実装予定の機能の例>
●医師向けインターフェースの実装(2019年11月予定)
●製薬企業/臨床研究支援センター向けインターフェースの実装 (2020年3月予定)
昨今高まる個別化医療の中で、データオーナーである患者中心主義に基づいたLoveTechなプロダクトである。
GDPR等個人のプライバシーに配慮するという、欧州のデータポリシーの流れを踏襲する形で、Activaidが患者に立脚したデータ集積地となることを期待したい。
以下、リリース内容となります。