スタンドアローン型の視覚障害者用歩行アシスタント「seeker」、福岡市内の駅ホームで実証実験

医療/福祉

記事の要点

・福祉機器開発を行う株式会社マリスcreative designと、国立大学法人九州工業大学、株式会社ラック、福岡県北九州市が、視覚障害者のための歩行アシスト機器「seeker」製品化のための実証実験を、福岡県北九州市内の駅ホームにて実施する。

 

・「seeker」は、通信接続なくスタンドアローンで動く音声・振動を使った視覚障害者のための歩行アシスト機器。

 

・駅ホームでの実証実験は3月中に6つの駅で実施予定で、2021年8月に予定されている街での実証実験の実施を経て、2022年3月頃に発売を予定している。

LoveTechポイント

まだ実証実験の段階ではありますが、製品コンセプトが非常にLoveTechだと感じます。

2022年3月頃の製品発売に期待したいと思います。

編集部コメント

福岡県北九州市内の駅ホームにて、スタンドアローンで動く音声・振動を使った視覚障害者のための歩行アシスト機器「seeker(シーカー)」の実証実験が実施される。

 

「seeker」とは、周囲の状況を眼鏡型のセンサーで検知し、危険がある場合には、視覚障害者の方が持つ白杖に取り付けた振動装置が振動することで事前に知らせることがきる装置だ。

 

Wi-Fiなどのネットワークに接続せずとも活用できるよう設計されている。

 

「seeker」を開発したのは、「障害者と健常者の言葉の垣根さえもなくなる社会の創造をめざす」株式会社マリスcreative designである。

 

世界では約2億5,300万人、日本では約31万人の視覚障害者が生活しているが、周りの状態が確認できず公共交通機関の移動などに不自由を感じている方が多く、毎年多発している駅ホームの転落事故は社会問題ともなっている。

 

さらに、コロナウイルスの状況下で、距離確保から、接触することや助けてもらうことが難しくなり、視覚障害者の方は非常に生活しづらい状況となってる。

 

このような背景があり、コロナ禍の状況下においても一人で出かけたいという視覚障害者の方々の思いをうけて「seeker」は開発された。

 

駅ホームでの実証実験は3月中に6つの駅で実施予定で、2021年8月に予定されている街での実証実験の実施を経て、2022年3月頃に発売を予定している。

 

また、直近での東京2020年パラリンピックにおける視覚障害者ボランティアの方々への貸し出しをはじめ、今後は大型商業施設での室内モビリティの安全装置や、保険会社・自転車メーカーでの自転車の先進安全装置、車椅子会社での電動車椅子の安全装置としての使用、徘徊防止装置として高齢者への対応など、様々な観点からの活用が検討されているという。

 

「seeker」の利用により、危険無く視覚障害者が外に出歩けるようになり、高齢者や目が弱ってきた人への普及、さらに多くの人が利用する商業施設や企業での導入が進めば、目下の課題である新型コロナウイルスへの対策をはじめ、全ての人が暮らしやすい、安全な世の中に近づくことが期待されるだろう。

 

LoveTechMedia編集部

「”愛”に寄りテクノロジー」という切り口で、社会課題を中心に、人々をエンパワメントするようなサービスやプロダクトを発信しています。

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