記事の要点
・アトピー患者向けアプリ「アトピヨ」が、2020年1月以降のアプリ内全投稿18,000件のコメントを集計、「コロナ」に関連するコメントについて調査し、その結果を発表。
・コロナ禍がユーザーのストレスや症状の変化に繋がっていることのほか、外出自粛についてはオンライン診療の利用、感染防止対策については布マスクなど低刺激マスクや手袋を着用した上で外出するなど、ユーザーが工夫して対処していることがうかがえた。
・アトピヨは、今後も蓄積されたデータの調査結果を還元していき、製薬会社・医療機関との連携をすすめることで、アトピーを発症し悩んでいる方々の早期回復のサポートを目指す。
LoveTechポイント
アトピー患者にとっての情報ツールであり、また医療機関とのコミュニケーションサポートツールでもあるアトピヨには、日々たくさんのアトピー特化データが集まっています。
これらを分析することで初めて見えてくる情報は、患者と医療機関、双方にとって非常に有益なものだと感じます。
編集部コメント
コロナ禍での環境の変化や、外出などが制限されることにより、心身共にストレスを感じている人も多いだろう。
そんな中、日本最大級のアトピー患者向けアプリ「アトピヨ」が、アプリ内に投稿された18,000件のコメントを集計、「コロナ」に関連するコメントについて調査し結果を発表した。
アトピヨは、アトピーを発症し悩んでいる方々の早期回復のサポートになることを目指し、文字だけでなく「画像」を投稿することで、アトピー特有の皮膚症状を匿名で記録・共有できる日本初のアプリ。
以前LoveTech Mediaでも、開発者のRyotaro Ako氏に、サービス開発の背景や中長期的なビジョンを伺った。
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今回同社が行った調査は、2020年1月以降のアトピヨ内の全投稿21,000件に含まれる投稿と返信のコメント計18,000件を対象として、「コロナ」「自粛」「緊急事態」が含まれるコメントを抽出した上で、自然言語処理(UserLocal テキストマイニング)で分析したものとなる。
結果としては、コロナに関連するキーワードの出現パターンには「皮膚科」「大変」「消毒」「影響」「ストレス」等があり、「コロナで皮膚科行けなくなっていたら酷くなってしまい、病院に行ってきました」などと、ユーザーがCOVID-19感染を恐れて通院を控えたため、症状が変化していること等が推測されるものとなった。
また感染防止対策については以下のようなコメントがあり、マスク着用による顔の肌荒れや、手洗いとアルコール消毒による痒みと痛みがあることも確認され、ユーザーのストレスや症状の変化に影響していることが分かったという。
「コロナ防止にマスクを着用してるのですが、そのせいで顔の肌荒れも酷い」
「セッケンで3回も手をしっかり洗うとすぐに赤ギレができる。さらに、セッケン成分がかゆくて、保湿してもかゆくてしばらく掻いてしまう」
「アルコールしみます」
「アトピー自体は20年以上の付き合いですが、コロナの流行頃から悪化しました。アルコールによる手指消毒、コロナの影響による仕事のストレス、自粛期間中の運動不足etc…思い当たる原因はたくさんあります」
このようなCOVID-19感染拡大による悪影響がみられる一方、「コロナがおわってまた出歩ける世界が来るまでに、綺麗になりたい」「マスクでも隠せるのはコロナ禍で唯一の救いです」などと、ユーザーが今の環境に向き合っているコメントも見られたようだ。
アトピヨは今回の調査から、コロナ禍がユーザーのストレスや症状の変化に繋がっていることのほか、外出自粛についてはオンライン診療の利用、感染防止対策については布マスクなど低刺激マスクや手袋を着用した上で外出するなど、ユーザーが工夫して対処していることがうかがえた、と発表している。
アトピー患者にとっての情報ツールであり、また医療機関とのコミュニケーションサポートツールでもあるアトピヨには、日々たくさんのアトピー特化データが集まっている。
今後同社は、アトピー特有の皮膚症状を匿名で記録・共有できるアプリの特性を活かしながら、この蓄積されたデータの調査結果を還元していき、製薬会社・医療機関との連携をすすめることで、アトピーを発症し悩んでいる方々の早期回復のサポートをしていく、とのことだ。