「イエバエ」を使って、畜産糞尿を有機肥料や飼料に100%リサイクルする循環システムを構築する株式会社ムスカ。
前編・中編では同社代表取締役会長の串間充崇氏に、ムスカ立ち上げまでの経緯と思いについてお話いただいた。
後編では串間氏と同社暫定CEOの流郷綾乃(りゅうごうあやの)氏に、同社の今後の事業展開についてお話いただいた。
うちは3つの強力なキャッシュポイントがあります
--改めて貴社のビジネスモデルを教えてください。
串間充崇(以下、串間氏):弊社のキャッシュポイントは大きく3つあります。有機廃棄物処理、飼料販売、肥料販売です。そしてこれらをワンストップで提供する、幼虫プラントのフランチャイズ展開の準備を進めています。
有機廃棄物はそれこそ世界中で処理が追いついておらず、結果として適正な処分がなされないが為に、深刻な環境問題を引き起こしています。一方私たちにとっては、この厄介な有機廃棄物が原料になります。原料調達で、高い処理料を受け取ることができます。
この有機廃棄物とMUSCAシステムを経て生産される飼料と肥料の販売も、弊社の大事な商品です。たとえば飼料の中でも”魚粉”市場で申しますと、2015年時点で909億米ドルだった市場規模は、6年後の2021年には1,682億米ドルにまで拡大すると言われています。今後ますます需要が高くなるにつれ、価格も高騰していくことが予想されます。
そしてこれらの処理をオートメーション化する”幼虫プラント”を代理店経由で販売します。どなたでも、このモデルでビジネス展開して頂くことが可能です。
現在、この”サブリース幼虫プラント”の第1号を、今年度中に国内に建設着工予定です!
--非常に盤石なモデルですね!特に、本来はお金を払って調達する原料を、処理料としてお金をいただくあたりが、素敵ですね。プラント建設の地理的な条件などはありますか?
串間氏:有機廃棄物が安定的に手に入る場所であれば、プラントはどこでも建設・稼働できます。
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