恋活・婚活を目的とするマッチングサービスはたくさんあるが、その中でも異色の存在といえるものの一つが、ゲーム会社の株式会社イグニスが開発・運営する「with」であろう。
withはメンタリストDaiGo氏監修のもと、「BIG 5(ビッグ・ファイヴ)」と呼ばれる、心理学の世界で最も信頼性の高い性格分類を基に設計されている。
日本にマッチングアプリが誕生したのは2012年であり、その中でwithは2016年リリースと比較的後発組である。それにも関わらず、2018年5月には累計会員数が100万人を突破するなど、男女問わず非常に人気が高い。専門家が監修し、相手との”相性”ベースで出会えるという観点が非常にユニークなことが、最大の要因だろう。
LoveTech Mediaでも男女が安心して利用できる恋愛・婚活マッチングサービスとして、昨年夏に取材させていただいた。
[clink url=”https://lovetech-media.com/interview/with20180821/”]そんなwithがこの度、新機能を実装したという。その名も『For You機能』。ユーザーに代わりwithが最適なお相手を見つけ、提案してくれる機能だという。
2016年にwithがリリースされて以来の大型アップデートということで、今回もLoveTech Mediaはその詳細を確認すべく、お話を伺ってきた。
これまでの機能①-「さがす」画面
新機能についてお伝えする前に、まずは従来からwithに搭載されている機能について確認していく。
アプリを開くと、このようなお相手検索画面がトップページに表示される。一般的な恋活・婚活マッチングサービスと同様、使い方は非常にシンプルだ。
年齢や居住地といった各種条件で検索した一覧から気になる相手を選び、プロフィールを開いてチェック。いいなと思ったら「いいね!」を押し、相手から「ありがとう」が返ってくるとマッチングが成立。マッチングしたもの同士がやり取りできるメッセージを重ね、ぜひ会いたいと思ったらリアルの場で会うことになる。
これまでの機能②-好みカード
また、プロフィールにて「海が好き」「スイーツ大好き」といった「好みカード」を設定することもでき、ユーザー自身の趣味や好きなものをビジュアルで表現することができる。
この好みカードについて、面白いデータがある。
登録している好みカードが0枚の時と20枚の時とでは、アプリ上でのコミュニケーション量が圧倒的に変わってくる。例えば以下の通り、アプリ内での平均マッチング数が、好みカード登録数が0枚の時は0.8回であるのに対し、登録数が20枚の時は10.8回にもなる。実に10倍以上の開きがマッチング率のデータとして現れているわけだ。
他にも同じ条件で比較した場合、メッセージの受信率やプロフィールページを訪れた足あとの平均回数がそれぞれ5倍程度になるなど、好みカードの登録枚数が多いほど、相手とのマッチング率がアップするというデータが具体的に出ている。
これまでの機能③-DaiGo氏監修イベント
ここまでは他のマッチングサービスにもある比較的標準的な機能だが、2016年にリリースされたwith、最大の特徴は何と言っても、先述の通りメンタリストDaiGo氏が監修しているという点。
検索画面の真ん中に現れている「イベント」ボタンを押すと、DaiGo氏が監修するアプリ内イベント一覧が表示される。
例えばこちら、「恋愛イニシアチブ診断」というイベントを見てみる。恋愛でリードしたいか・されたいかを分析し、相性の良い相手を探すことができるというものだ。
診断がスタートすると、イベントごとに設定された設問に回答していく。設問といっても、恋愛・結婚に関する二者択一回答が基本となっているので、難しいものではない。
回答が完了すると、回答内容に即したタイプ診断がなされ、自分のタイプと相性の良い、同じくイベントに参加した異性の一覧が表示される。
この「恋愛イニシアチブ診断」イベントの例だと、ユーザーのタイプは積極的に相手をリードする「エスコートタイプ」であり、このタイプに合致したイベント参加の異性を一覧表示してくれる。
このようなwith内のイベントには、期間限定のものと、そうでないものがある。恋愛イニシアチブ診断のような期間限定イベントにはちゃんと「期間限定」と表示がなされており、実施期間終了までは毎日10回分のいいね!を無料で送ることができる。非常に太っ腹な企画となっている。
ちなみに、実施期間の定めがないイベントについては、以下のようなものがある。
中でも「超性格分析」は特に人気があり、本記事執筆の2019年4月下旬時点で、実に50万以上のユーザーが参加している。
新機能-ForYou機能とは
ここまでは、従来からwithにある主要機能である。これらに加えて、今回新たに追加された新機能が『ForYou機能』である。
端的に表現すると、トップページの検索機能を更に強化したもので、AIが独自に学習したデータを元に、ユーザーへのオススメ相手を提案してくれる機能である。
これまで「さがす」画面に表示されるお相手は、ユーザー自身が検索条件を設定しソートされたお相手が表示されているだけだった。そのため、条件がゆるい人は対象者が大量に表示され情報の多さに疲れてしまうし、逆に特定の条件にこだわって検索する人は視野が固定化されて出会いの可能性を広げられずにいた。
今回リリースされた『For You機能』では、ユーザーは自分から相手を探さなくとも、withがユーザー1人1人に合ったお相手を自動で提案してくれる。
ユーザーが一からお相手を探す手間が削減されただけでなく、自分では思いもよらなかった視点から相性の良いお相手と出会える、with独自の画期的な機能である。
『あなただけのMIX』機能
『あなただけのMIX』機能ではユーザーの基本プロフィールや好みカード、イベントの診断結果データをAIが学習・分析し、その結果にもとづいて相手を提案してくれる。
例えば、ユーザーが登録している好みカードに基づき、「”日本酒が好き”を登録中のあなたにおすすめ」というテーマで、同じ好みカードを登録している人だけでなく、「日本酒が好き」を登録している人の特徴を分析し、その特徴に当てはまる人をおすすめユーザーとして表示してくれる。
また、「最近同じ好みカードを登録したお相手」や「新着の好みカードベスト」など、登録好みカードの内容に応じたレコメンドも表示される。
もちろん好みカードに限らず、イベントの診断結果についても、これまで参加した複数イベントの結果に応じて、相性の良い相手をレコメンドしてくれる。つまり、イベントに多く参加すればするほど、AIによる学習精度も高まり、レコメンドされる相手の精度も併せて向上していくわけだ。
『曜日MIX』機能
『曜日MIX』機能では文字通り、曜日ごとに様々なテーマで相手を提案してくれる。
例えば上図のように、「金曜日のMIX」として、「飲みっぷりのいいお相手」というテーマに応じて、withのAIがセレクションした相性のいい相手を表示してくれる。
もちろん、曜日ごとに複数枚のテーマが設定されており、以下のような様々なテーマが用意されている。
「花金だから飲みっぷりのいい相手をチェックしよう!」といった、ユーザーにとっても習慣的な楽しみとなることが想像できる。
曜日MIXでは単にユーザーの好みに合わせたものだけではなく、視野を広げてもらうための新しい切り口が提案されるので、これををきっかけに今まで気づいていなかった自分の好みを発見できたり、新しい出会いを体験できるだろう。
withでしか体験できない独自機能を強化していきたい
株式会社イグニス withチームの皆さま
最後に、この新しい『ForYou機能』開発の背景や、将来的な目的について、株式会社イグニス ディレクターの小林彩氏(写真左)にお話を伺った。
--まず、『ForYou機能』開発に至った経緯を教えてください。
小林氏:ユーザーに相手を探してもらうのではなく、ユーザーに相手をレコメンドする機能の必要性は、1年以上前からチーム内で議論されていました。
普段の生活で何気なく使っている音楽や映画の配信サービス、ECサイトなどでもレコメンド機能が充実していて自分で一から商品を探すことが少なくなってきていますし、実際に自分が某音楽サービスのレコメンド機能に感動して信者になってしまった体験も今回の背景に大きな影響を与えています。
いちいち探さなくてもそこに行けば勝手にオススメの音楽がまとめられているので楽ちんだし、視野が広がり新しい音楽とたくさん出会うことができ、こんなに良い体験ができるなら今の10倍くらいお金を払っても全然いい・・!と本気で思いました。
一方マッチングアプリ業界では、未だにお相手が大量に並んだリストから自分で検索条件を設定し一からお相手を探さなければならない、という状況が基本となっています。、もっと楽して受動的にお相手と巡り会える仕組みを提供できないかなあと感じたことが、『ForYou機能』開発のきっかけです。
また、一度そのサービスを信頼したら、そのサービスが言うこと(レコメンド)は何でも受け入れたくなるという事を身をもって体験したので、そんな機能を作ってwithのファンを増やすキッカケになったらいいなと思いました。
--機能を設計する上で意識された点を教えてください。
小林氏:「内面が合う人との本質的な出会い」をコンセプトにしています。
自分から探す従来の仕組みだと、どうしても外見や仕事・年収などのステータスに目が行きやすくなりますが、ステータスで異性を判断すると離婚率が高くなるというデータがあります。そのためForYouでは本質的なマッチングを増やせるよう、性格や価値観・好みなど内面にフォーカスしたアルゴリズムを強化しています。UI面においては、ユーザーの特徴や共通点をメインで押し出し、その人をより魅力的に魅せられるような構成にしています。
また写真についても、多くのマッチングアプリが採用しているようなメイン写真1枚のみを一覧表示させるのではなく、サブ写真も含めた表示にすることで、相手の雰囲気や人柄なども判断材料として見られるように工夫しています。
『あなただけのMIX』機能によるレコメンドド画面では、メイン写真が一番大きいものの、サブ写真もMAX4枚まで同画面内に表示されている
--機能内容を伺った限り、withのプロフィールを充実させればさせるほど、レコメンド精度も上がるということですね?
小林氏:そうなんです。
ユーザーのプロフィール情報や診断結果・好みカード等の登録データや行動履歴をもとにしているため、with内で活動すればするほど精度があがり、より相性の良いお相手をご紹介できるようになります。
出来るだけ多くのプロフィール情報を登録したり、多くのイベントに参加していただければと思います。
--『曜日MIX』機能は、毎週の曜日ごとにテーマが決まっているかと思いますが、どのようなタイミングでテーマそのものを変えるのでしょうか?
小林氏:ユーザーの反応状況を見ながら、変更の必要性などを見極めていこうと思っています。例えばあるテーマだけユーザーの反応率が悪かったとしたら、そのテーマだけ別のものに変更することになります。
あとは、クリスマスやバレンタインといった季節イベントに応じたものや、W杯やオリンピックといった時事ネタに応じたものも、期間限定で設置したいと考えています。
--最後に、今回の新機能実装を経た中長期的な目標を教えてください。
小林氏: withはマッチングサービス業界の中では後発参入組なので、機能面で他アプリに劣らないように、これまでは基本機能の部分をしっかりと固めてきました。
それがだんだんと整ってきたので、次なる戦略として、withでしか体験できない独自機能を強化していきたいと考えています。
今回の『ForYou機能』は、そのための第一歩です。
現段階では、ユーザーの混乱を避けるためにもトップページは従来通り「さがす」タブを最初に表示するようにしていますが、ユーザーの反応を見つつ将来的には、「ForYou」タブをメインに表示できたらいいなと考えています。
「withって診断機能があって楽しいよねー」という印象から、今後は「withって探さなくてもいい人と出会えるよね!」に変わっていくことを目標に、今後も機能を洗練させて参ります!
編集後記
withといえば、メンタリストのDaiGoさんが監修し、統計学×心理学のアプローチで相性の良い相手と巡り会えるサービス、という認識でした。
今回の新機能実装を経て、ここに新たにAIが加わり、統計学×心理学×AIという強力な組み合わせによるマッチングサービスへと昇華されることになりました。
いずれは、アプリインストール後の最初のレコメンドが、最高の運命の人になる日が来るのでは、と感じています。
今回の新機能実装をきっかけに、まだwithを使っていない恋活・婚活中の皆様は、ぜひインストールして利用開始されてみてはいかがでしょう。
運命の人と巡り会えるかもしれませんよ!