懸命に努力されている保育園に寄り添いたい
--キッズリーがリリースされる以前に、保育園が何かしらITを使って業務効率化していた事例はあったのでしょうか?
森脇氏:僕の知る限り、業務レベルで導入していた事例は殆どなかったですね。
ただ面白いもので、キッズリーのリリースとほぼ同タイミングで、類似サービスが何個も出てきました。人が何かを思いつくタイミングって、だいたい同じってことかもしれませんね。
--他事業社と情報交換はされたりするのでしょうか?
森脇氏:同じサービスやビジョンを持たれる他社とはよくお話させていただいてますよ!マーケットとして3万以上の潜在顧客がいる中で、キッズリーはまだ1,000園ほどしか導入していただけていません。今はまさに過渡期なのです。うちとしては競合というより、その市場を一緒に盛り上げていってくれる共同プレイヤーみたいな意識でいます。
--なるほど。市場競争ではなく、市場共創ということですね。サービス提供者だけでなく、広く保育業界に興味のある方向けに、オープンセミナーも実施されていますよね?
森脇氏:スポット的に開催しているセミナーのことですね。昨年より「保育シンク」という対話型フォーラムを開催して、関係者同士で学んだり意見交換したりする場を設けています。また、「保育者ケアセミナー」という、実際にシステムをご利用いただいているユーザーにお越しいただいての事例交換会も実施していますね。
--特に興味を持たれた活用事例やお声はありましたか?
森脇氏:保育者ケアを、離職防止だけでなく次世代リーダー育成に使っている保育園がいらっしゃいました。園長先生ひとりが全員と面談するのではなく、将来の園長候補メンバーが保育者ケアを使って他従業員と面談をして、マネジメントのケーススタディとして活用するという使い方でした。
こういった想定外の使い方は嬉しいです。
--素敵な使い方ですね!勉強になります。それでは最後に、Love Tech Mediaの読者の皆様に一言お願いします。
森脇氏:子どもと保護者にとって本当に良い環境を作ろうと、懸命に努力されている保育園がたくさんあります。読者の皆さまも保育園にお世話になった方も多いと思います。僕たちはそんな保育園で働く皆さまに、少しでも寄り添っていけたらと考えています。社会全体でその機運を高めていくために一石を投じ続けたいです。
編集後記
近年のニュースでは、定期的に「保育士不足」の話題が取り上げられています。
正直に申して「この業界は崩壊するのではないか」とすら感じることもありましたが、今回のキッズリーさんのような民間事業者の熱い思いと取り組みを伺って、この業界もまだまだこれから改革していける、と感じました。
一人のパパの熱い思いが、保育業界をどんどん良くしていく経過を、Love Tech Mediaは引き続き注視して参りたいと思います。
本記事のインタビュイー
森脇潤一(もりわき じゅんいち)
事業開発部 マネージャー
総合広告会社を経て2013年11月にリクルートマーケティングパートナーズに入社。新規事業提案制度「NewRING byRMP」2014年度グランプリを獲得。 以来、一貫してキッズリーの事業開発全般に携わる。