紙を駆逐しようとは思っていません
--そもそもの話で恐縮ですが、育児の記録って、やはりまだ紙に書いている方も多い気がします。この辺りはどのようにユーザーさんになっていただく想定でしょうか。
服部氏:紙には紙の良さがありますからね。紙に書きたい気持ちもよくわかります。だから紙を駆逐しようとは全く考えていないです。当社のアプリと並行して紙の育児日記を利用されている方もいらっしゃいますし。
ただ、統計や機械学習などは紙では出来ないけど、アプリだと実現できるということも事実なので、利用する方が何を求めるかですよね。アプリだとこんなに生活が変わるということを上手く伝えていって、パパっと育児@赤ちゃん手帳のファンを増やしていきたいです。
--ファンって、今の時代、特に大事ですよね。
服部氏:アプリを提供していると、やはりクレームも一定数頂きます。ポイントは、そういったクレームをつける方をいかにファンにするか、ということですね。クレームをつけるということは、それだけアプリのことを気にかけている証拠ですから。
--おっしゃる通りですね。
服部氏:ちなみに、パパっと育児@赤ちゃん手帳で記録いただいたデータは、電子書籍にしてPCでもご覧いただけるようになっています。あと提供時期などは決まっていませんが、その電子書籍を紙の本として製本するサービスも検討しています。
育児のデータって、貴重な思い出でもあると思いますので。
--子供が大人になってから見返すと、感慨深いものがあるんだろうな、と思いますね。貴重なお話をありがとうございました!最後に一言お願いします。
服部氏:当社は「テクノロジーで子育てを変える」というミッションを掲げていまして、まずはパパっと育児@赤ちゃん手帳で育児ビッグデータを集めることから始めて、出来ることをコツコツとやっています。
データから「生活リズム」「成長、発達」や泣き声診断などで「感情の理解」について明らかにしてきておりまして、当社だからできる子育てのサポートというものがあると思っています。
パパっと育児@赤ちゃん手帳を通じて、多くの方に、育児を楽に楽しく取り組んで頂けるようにできればと思います。
編集後記
実はこのインタビューから遡ることちょうど1年。筆者は服部さんが登壇されるイベントに一般客として参加していました。その時すでに、今回インタビューでお話いただいた「泣き声診断」機能の構想が固まっていらっしゃる様子で、モニターの方々によるデータが溜まってきた中で本格的に検証をスタートさせる、というフェーズでした。
1年経って正式にリリースされるのは、参加者としてお話を伺っていた身としても、感慨深いものがあります。
インタビューでもありました通り、育児の記録は子供との大事な思い出です。ファーストアセントさまでは顧客対応もかなりしっかりされていて、ユーザーさんに寄り添った対応をされています。
またユーザーさんだけでなく、従業員の皆様にとっても働きやすさを追求した就業体系となっており、まさにLove Techカンパニーと感じます。
(株式会社ファーストアセント メンバーの皆様)
これからも新たな取り組みを順次発表される予定とのことで、引き続き、Love Tech Mediaとして追わせていただきたいと思います。
「パパっと育児@赤ちゃん手帳」詳細についてはこちらをご覧ください
本記事のインタビュイー
服部伴之(はっとりともゆき)
株式会社ファーストアセント 代表取締役CEO
東京大学大学院工学系研究科を修了
1998年、株式会社東芝で研究者として従事
2001年より、IT系ベンチャーのシステム責任者を数社歴任。企業向け情報共有サービス、懸賞メディア、マストバイキャンペーンのASPシステムなどの開発を行う。
2005年、株式会社エンターモーションにて取締役CTOに就任。モバイルCMS「MobileApps」事業の立ち上げなどを行う。
2011年、株式会社tattvaの取締役に就任。ソーシャルサービス「i.ntere.st」の立ち上げを行う。
2012年、株式会社ファーストアセントの代表取締役に就任