自宅キッチンで最高の食育を提供する「かぞくごはん」《前編》

インタビュー

 近年、「食育」という言葉が一般的に知られるようになってきたが、その起源は意外と古い。明治時代の医師・石塚左玄氏が著書にて「体育智育才育は即ち食育なり」と食育を提唱し、食育食養を国民に普及することに努めたことが起源と言われている。また、同時代のジャーナリストで報知新聞編集長の村井弦斎氏も「小児には徳育よりも、智育よりも、体育よりも、食育がさき。体育、徳育の根元も食育にある」と、連載小説に記述している。栄養学が確立される前から、食に関する教育の重要性がとなえられてきたのだ。

 しかし現代の家族状況を見てみると、子どもに対して食育の機会を提供できるほどの余裕を、両親が持ち合わせていないのが現実だろう。みんな忙しくて、食育どころではないのだ。共働き世帯の増加による子育てのアウトソース化、ワンオペ育児による大家族から核家族への進展による身近な相互扶助の希薄化などが背景にある。

 そんな中、子ども一人ひとりへの食育の機会をユニークな形で提供する会社がある。自宅訪問型の料理体験サービスを展開する株式会社かぞくごはんだ。

 料理や家庭教育の経験豊富な“エプロン先生”が自宅に訪問し、お子さまと一緒に手づくりごはんを用意しながら、正しい食の知識、一般教養、思いやりの心など、生きていく上で必要不可欠なライフスキルを磨いていくカリキュラムを提供している。

 Love Tech Mediaでは同社の取り組みを具体的に取材させていただき、前編・後編に渡ってお届けする。

 前編ではさっそく、エプロン先生と共にユーザーのご自宅に訪問し、教育カリキュラムの現場に同行させていただいた。

※「かぞくごはん」サービスは2018年10月31日で終了となりました。

 

何を作るか一緒に考えるのもカリキュラムです

 

都内某所のご家庭にお邪魔することになった。

本日のエプロン先生はこちらの方!

 

--先生、よろしくお願いします!今日はどんな流れなのでしょうか?

エプロン先生:よろしくお願いします!

今日は「ペプシ」コーラを使って料理を作りたいと思います。

かぞくごはんでは今、サントリーさん協賛のもとで夏休み限定「自由研究プラン」(※)というキャンペーンを行なっています。サントリー製ソフトドリンク飲料を使って料理を作り、その様子をレポートにまとめることで、自由研究として提出することができるようになっています。

事前にアンケートをとっていて、使うソフトドリンクを「ペプシ」と指定いただいています。

※2018年度の「自由研究プラン」キャンペーンは終了しました。

 

--ペプシを使って料理ってできるんですか?

エプロン先生:あまり聞いたことがないと思いますが、ペプシを使ってお肉を煮込むと、柔らかくて美味しく調理できるんですよ。

 

--初めて知りました!献立はまだ決まっていないのでしょうか?

エプロン先生:お料理はお子さまと一緒に決めていきます。

かぞくごはんでは、何を作るかを一緒に考えて決めていくことも、カリキュラムにしています。

 

ペプシを使った料理工程を見るのは初めてだ。楽しみである。

さっそく本日のご家庭の自宅に向かった。

 

15:00 はじめましてと作戦会議

 

出迎えてくれたのはこちらのナイスボーイ。

普段慣れないカメラ撮影が恥ずかしいのか、なかなかこちらを見てくれない。

 

お母さんは我々のお出迎えが終わると、そのまま用事があって外出された。

部屋には、お子さまとエプロン先生と筆者の3人だけ。

 

子どもが大好きというエプロン先生。笑顔でアイスブレイクの会話をスムーズに展開し、一緒にエプロンとバンダナをセッティング。

料理はほとんど作ったことがないとのことで、ちょっぴり不安そう。

 

準備ができたところで、さっそく調理前の「作戦会議」だ。

作戦会議では、今日どんな料理を作るのかを一緒に考え、決めていく。

今日の前提条件は「ペプシを使う」ということだけ。

 

まず最初に、ペプシはお肉料理との相性が良いこと、その理由などがわかりやすく説明された。

ペプシに含まれている酵素がお肉のタンパク質を分解してくれるので、お肉を柔らかくしてくれるとのこと。

こんな資料が手書きで事前に用意されていたので、お子さまの頭の中にもすんなりと入ったようだ。

 

次に、その知識を前提に、何を作るかを決めていく。

ステーキ、ビーフシチュー、カレー、ハンバーグ、豚しゃぶ、から揚げ。作戦会議の中ではいろいろな候補が出てきたが、最終的に「肉じゃが」で決まった。

 

また、食事全体のバランスを考えるのも大事な会議のテーマ。

肉じゃがの他に、「豚肉のサラダ」「ご飯」「みそ汁」「コーラゼリー」も添えることに決定。

栄養バランスの良いメニューである。

 

15:20 家の中の材料チェック

 

作るものが決まったので、次は家の中にある食材をチェックして、不足しているものの洗い出しだ。

書き出しが終わったら、家にあるものを確認。

 

普段、家の食材を使うことがないので、食材探しも一苦労。じゃがいも、にんじん、たまねぎと、調理に必要なものをなんとか探していき、買い物リストにチェックしていく。

買ってくるものは「牛肉」「豚肉」「レタス」「大根」「ゼラチン」の5品で決定!

 

ちなみに、この日の目標はこちら2点とのことだ。

・バランスの良い食事をつくろう!

・食材をきれいに切ってみよう!

 

15:35 お買い物へレッツゴー

 

次はご自宅近所のスーパーに買い出し。

あらかじめ渡されていたお財布を片手にレッツゴー!

歩いて2分のところにスーパーがあるとのこと。

便利でいいですね!

レタスもちゃんと見て選ぶ。葉はつまって美味しそうなものはどれかな。エプロン先生と相談しながら決めていく。

 

お買い物完了!

家に帰ったら、いよいよ調理だ。

 

16:00 自宅で初めての調理タイム

 

自宅に戻って手を洗ったら、いよいよメインの調理タイムだ。

まずはお米を研ぐ作業から。

美味しいお米は研ぐところから!

 

ゼリーは固まるのに時間がかかるので、早めに作ろう。

あとで肉じゃがに使うので、分量はほどほどに!

 

次は味噌汁の具作り。

買ってきた大根を切っていく。

刃は絶対に触らない。そして切るときは、必ず反対の手を猫の手にする。

この2つを守ってもらいながら、着々とバラされていく大根。

上手いものだ。

 

次は肉じゃが用のたまねぎ。

たまねぎは目にしみる、というエプロン先生の事前情報を聞いて、なんと取り出してきたのは水泳のゴーグル!

大人ではなかなか思いつかないソリューションである。

 

本当に初めてなのかと思うほど、綺麗な包丁さばき!

 

ジャガイモも皮も、むいて切りましょう。

ジャガイモの芽には毒があるので注意して!

レタスも適度な大きさに切って、ミニトマトと一緒に盛り付け。

野菜の酵素たっぷりで美味しそう!

 

材料の準備ができたら、肉じゃがに向けて炒めタイム!

にんじん、ジャガイモ、たまねぎを入れてお鍋をまぜていく。

火の扱いには十分に注意して!

お肉を入れてある程度炒めたら、本日のテーマ「ペプシ」を加える!

全体的に甘い香りがキッチンに漂う。

 

美味しそうな肉じゃがの出来上がり!

筆者もお腹が空いてきた。

 

できる男は、調理中に洗えるものを洗う。

 

味噌汁も完成!

 

自分が作った料理の味はどうだろう?

お味見をしてみて、「うん、美味しい!」

食器へときれいによそっていく。

 

時間もぴったし!15:00にスタートして約3時間。

頑張りました。

 

ミッションコンプリート!

 

17:55 ご家族と実食

 

それでは作ったお料理を見ていこう。

いかがだろう。とっても美味しそうだ。

 

エプロン先生と、本日の振り返りを実施。

 

エプロン先生から花マルをもらい、笑顔満開!

夏休みの自由研究もこれにて完了!

最後はちゃんと筆者にも笑ってくれた。

 

ちょうどご帰宅のお母さんも、想像以上のお料理の出来に感動。

思わず我が子を抱きしめるが、他人の筆者がいるので、恥ずかしがって身をよじらすシャイボーイ。

あとでゆっくりと個別で、お料理をした感想を伝えてあげてください!

 

 

それぞれの感想

 

それでは最後に、本日の感想を伺った。

まずは今日、初めて自宅で料理をしたというお子さんから。

 

--初めてのご自宅での料理、いかがでしたか?

お子さん:超疲れた!普段これをやっているカカ(お母さんの呼び名)の大変さが分かった。

 

--お料理のお味はどうですか?

お子さん:美味しい!思ったより上手く野菜を切れた。

 

お母さんが日々、どれだけ大変か、少しでもわかったとのこと。素晴らしい気付きですね!

そんなお母さんにも、かぞくごはんサービスの感想を伺った。

 

--かぞくごはんサービスご利用はいかがでしたか?

お母さん:素敵な内容だと思います。

息子は家での料理は初めてなのですが、以前学校の調理実習の話をしていて、結構料理が好きそうだったので、良い機会でした。

最初は家を空けちゃって大丈夫かなって思いましたが、無事に料理もできて息子も満足そうで、何よりです。

いつもは私がバーっと作っちゃうので、息子が料理をするチャンスを、今後も与えていきたいなと思いました。

 

--今後もかぞくごはんをご利用されたいですか?

お母さん:ぜひ定期的に使いたいですね。

 

子どもに料理するチャンスをちゃんと与えたい。これも素敵な気づきですね!

 

それでは最後に、エプロン先生からも感想を一言頂戴した。

 

--今日のカリキュラムはいかがでしたか?

エプロン先生:今日のお子さんは包丁さばきがとても上手でびっくりしました。私たちが普段進めていく中で一番気をつけるのが、包丁を使う時なんです。本当に家での料理は初めてなのかな、って思ったくらいです。

 

--時間もぴったりでしたね!

エプロン先生:毎回時計をチラチラ見ながら私の方でお手伝いしながら進みを調整しているのですが、今日はほとんどノータッチです。

 

--エプロン先生として活動されて、どのような思いでしょうか?

エプロン先生:私はとにかく子どもと触れ合うのが好きなので、かぞくごはんのような素敵な食育サービスの一員になれて幸せです。

お料理がちゃんとできた時の子どもたちの笑顔は、担当していて幸せになりますね。

これからもたくさんのお子様の食育体験に関われると思うと、ワクワクします!

 

--ありがとうございます。本日はお疲れ様でした!

 

 エプロン先生は道筋を与えつつ、あくまで見守ることが多かったので、食育のコーチングのような印象だった。

 お子さんの料理の技術・知識がつくだけでなく、どうしたらたまねぎで目がしみないか、野菜を安全に切るためにはどうするべきか、どうしたらお母さんが喜ぶかなど、いわゆる「人間力」を養うこともできていると感じる。

また、ご両親にとっても、不在の間に自分の時間を確保できるので、気持ちに余裕ができるのも、素敵な仕組みと感じた。

 

 後編では、株式会社かぞくごはん 代表取締役の髙橋未来氏にお話を伺う。どのような思いで本サービスのリリースに至ったのか、語っていただいた。

 

 

》後編記事につづく

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