※「QooN」サービスは2019年3月28日で終了となりました。
2012年より日本で本格的に展開を始めたマッチングサービス。”出会い系”という日本独特の文化がある中で、そのマイナスなイメージを着実に払拭していき、市場規模は2018年に374億円、2023年までには852億円にまで拡大するとの予測データがあるほど、市場は急速なスピードで成長している。
一方、街中ではこんな声を聞く、「マッチングアプリでなかなかデートできないんですよね」。アプリを通じて気軽に相手とマッチングできるものの、人々は「実際に会うこと」に課題を感じていた。筆者もたくさんのマッチングサービスユーザーを見てきたが、マッチングしてお互いにメッセージをするところまでは進むものの、いざ対面でのデートとなると、なかなか実現しないようだ。
そんな背景の中、”デーティングサービス”という新たな概念が誕生した。もっと気軽にデートを実現しようという仕組みのようだ。
本記事では、株式会社ネットマーケティングが新たにリリースした『QooN』(クーン)というデーティングサービスについて、同社代表取締役・宮本邦久氏と、執行役員であり同アプリ開発統括である柿田明彦氏に、それぞれお話を伺った。同社は2012年、日本で最初にFacebookと連動したマッチングアプリ『Omiai』をリリースし、今日までマッチングサービス業界を牽引してきた。そんなマッチングサービスの老舗企業が、今年、新たな挑戦を始める。
『QooN』開発の背景や狙いと今後の展望については宮本氏に、『QooN』の具体的な機能については柿田氏に、それぞれお話を伺うことにする。
今年は”デーティングサービス”元年です
--宮本さんの『QooN』開発におけるお立場について教えてください。
宮本邦久(以下、宮本氏):株式会社ネットマーケティングの代表として、QooNプロジェクトのプロデューサーをしております。
--そもそも『QooN』開発に至るまでの経緯について教えてください。
宮本氏:もともと弊社が始めた『Omiai』というサービスは、アメリカにおけるマッチングサービスの胎動を海外メディア等を通じて知り、向こうで展開されている様々なサービスを調査・勉強した上で、日本での開発に着手したという経緯があります。
マッチング先進国であるアメリカの動向は非常に重要で、今でも注視していますね。日本ではFacebookと連動したマッチングアプリは弊社の『Omiai』が初めてとなり、おかげさまで現在まで順調に成長して参りました。
そんな中、2015年に「世界で5,000万人のユーザーを集めた」というTinder社(※)のリリースを見て、正直に驚きました。そんなアプリがあるのか、と。それから同社含め海外のマッチングサービスの本質的な価値を調べて参りました。
その過程で、いわゆる婚活や恋活とはそもそも違う、”デーティング”という領域で展開されているサービスであることがわかりました。
※Tinder: Facebookを使って登録ができる、スマホの位置情報を利用したマッチングサービス。米国が本社
--そこで初めて”デーティング”という概念を捉えられるわけですね。
宮本氏:はい。デーティングとは日本で言えば、例えば英会話教室での出会いだったり飲み会での出会いだったり、いわゆる「恋愛」「結婚」などパートナーを探すのとは違う文脈での出会いのことを示します。
弊社が運営する『Omiai』は、婚活や恋活という目的で利用されているのですが、よりカジュアルな出会いを提供するために、新たなアプリを作ることにしました。
--それでは構想自体は2015年からあったということですね。このタイミングでのリリースとされたのは何故なんでしょう?
宮本氏:ユーザーの皆様がマッチングサービスというものに十分に慣れてきたタイミングを見計らっていまして、今こそが参入のタイミングと判断しました。2018年はデーティングサービス元年と捉えています。
--どのような人々が、デーティングサービスのターゲットとなるのでしょうか?
宮本氏:婚活や恋活のマッチングサービスを使っている方々はもちろんなのですが、どちらかというと、現在マッチングサービスを使っていない層に訴求していきたいです。
マッチングサービスって、まだまだ使っていない人の方が多いんですよ。アプリで恋人や結婚相手を探すことに、やはり抵抗がある方も多いんですね。そこまでして探しているわけではない、と。仕事もプライベートも充実していて、いい人がいればお付き合いしたり結婚したいけど、マッチングアプリで相手を探すほどでもない。そういった方々に、まずは「友達から始まる出会い」を提供したいと考えています。この辺りも、海外のデーティングサービス調査を通じた発見でした。
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