テクノロジーを活用して社会の”やさしさ”をデザインする一般社団法人PLAYERS。サポートを必要とする人と周囲のサポーターをマッチングし、手助けを支援するサービス「&HAND」(アンドハンド)を、”超プロボノ”チームで進めている
前編では、PLAYERSを主宰するタキザワケイタ氏に、同法人の活動内容や立ち上げの経緯、プロジェクトの一つ「スマート・マタニティーマーク」についてお話を伺った。
後編では現在、開発が進められている視覚障害者向けサービス「mimamo by &HAND」について、タキザワ氏と同法人のスペシャルアドバイザーである中川テルヒロ氏にお話を伺った。
視覚障害者の約7割がホームから転落しかけた経験がある
--PLAYERSさんで現在新たに進められているプロジェクトを教えてください。
タキザワケイタ(以下、タキザワ氏):今は大きく二つのプロジェクトが走っています。
一つは、JR東日本さんと共同で「mimamo by &HAND」プロジェクト(以下、ミマモプロジェクト)という取り組みを始めました。もう一つについても近日中に発表できると思います。
--JR東日本さん!相当大きな会社さんですね。どういった内容か教えてください。
タキザワ氏:JR東日本さんをはじめとする各鉄道事業者では毎年9月から11月にかけて、「声かけ・サポート」運動の強化キャンペーンを実施しているんです。
「声かけ・サポート運動」とは、鉄道を利用される方が安心・安全に駅等の施設を利用できるように、困っている方に対して駅員の方や周囲の方々がお声がけを行う取り組みのことです。
このキャンペーンの一貫として、視覚障害者や鉄道事業者、一般の方との共創によって、社会全体で見守りあうサポートの仕組みや、&HANDを活用したサービスを検討していきます。
--なるほど。視覚障害者の方は、具体的にどのようなことに困っているのでしょうか?
タキザワ氏:視覚障害者のホームからの転落事故がなかなかなくならないんです。
厚生労働省の調査によると、視覚障害者の困りごとの多くが外出や移動に関することです。
そして日本盲人会連合さんの調査では、「ホームから転落しそうになったことがある」という視覚障害者は66%、さらには「実際にホームから転落したことがある」という視覚障害者は39%もいるとのことです。
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