アクティブ視覚障害者として
--ここ数年で、街中の対応など、何か変化を感じられることはありますか?
中川氏:めちゃくちゃ良くなってきていると感じますよ。
まず周りから声をかけてくれる回数は増えてきていますね。
あと声かけの質も、確実に良くなっています。駅員さんや警備の方、接客をされる方が知識として持っていることが多くなったのかなと感じます。
「mimamo by HAND」のような視覚障害者の方と健常者の方の架け橋となるサービスがあると、さらに声かけをするという土壌が加速するんじゃないかと思いますね。
--少しずつ社会がやさしくなっている、ということなんでしょうね。PLAYERSさんとして、今後目指される方向性を教えてください。
タキザワ氏:2020年のオリンピック・パラリンピックまでには、&HANDを社会インフラとして実装したいと思っています。
そのために、ビジョンに共感いただける企業様と連携しながらサービスの質を向上すると同時に、&HANDに賛同いただけるサポーターを広く集めていきたいです。
--ありがとうございます。最後に一言ずつ、Love Tech Mediaの読者に向けてお願いします!
タキザワ氏:普段、何気なく生活しているとあまり気づかないのですが、少し意識するだけで、視覚障害者の方がたくさんいることに気づきます。そんな時はそっと見守り、もし困っていそうであれば「なにかお手伝いできることはありますか?」と声をかけてみる。&HANDがなくても、それが当たり前になる社会を、みんなで実現しましょう!
中川氏:僕は、障害を抱えている人でもこんなにアクティブになれる、という一つのモデルケースになりたいと考えています。PLAYERSでは「アクティブ視覚障害者」と呼んでいただいています。
こういった取材含めてテレビやラジオなどでも積極的に発信し、多くの人に視覚障害を身近に感じてもらう、さらには自分にどんな障害・コンプレックスがあったとしても幸せにそして自由に生きられるんだ、という気づきを発見してもらえるようになりたいですね。
編集後記
現在、「ティール組織」(英治出版)という本が話題を呼び、一種の生命体として自走する「進化型組織」としてのあり方が世に提示されました。
細かい部分の議論はわきに置いておくとして、今回取材したPLAYERSはそのような組織形態と人的意識を持ち合わせた集団のように感じられました。
社会課題に対してメンバー各々が自ら設置したミッションを抱えつつ、PLAYERSとしてのミッションも軸として併せ持っている。
タキザワさん、中川さんはじめ、とても素敵なチームでした。
2018年7月26日には、リードユーザーとして視覚障害者と鉄道事業者の皆さまを招いての、「双方にとって理想的なサポートのカタチ」をテーマとするワークショップが実施されました。
実はLove Tech Mediaがこのワークショップに取材で参加させていただいたので、近く、その時のレポートをお届けします!
本記事のインタビュイー
タキザワケイタ
クリエイティブファシリテーター
広告代理店にて、新規事業・ブランディング・人材育成・組織開発など、企業課題の解決に向けワークショップを実践する傍ら、多様なプロフェショナルからなるコ・クリエーションチーム「PLAYERS」を主宰し、社会課題の解決に取り組んでいる。
青山学院大学ワークショップデザイナー育成プログラム講師 レゴ®シリアスプレイ®認定ファシリテーター
https://keitatakizawa.themedia.jp/
中川テルヒロ
ライフコーチ
後天性かつ進行性の視覚障害のため、左目が全盲、右目の視野が健常者の1%という状態。ライフコーチとして主にクライアントの恋愛・結婚の悩みをサポートしている。また、「PLAYERS」の一員として社会課題の解決に取り組んでいるほか、ユニバーサルマナー検定の講師やソフトウエア開発も行なっている。