男女関わらず妊娠を自分ごととして認識してもらいたい
--入澤さんのこれからの目標を教えてください。
入澤氏:当然、Seemをたくさん知っていただきたいのですが、その先には「妊活は二人でするもの」という当たり前の意識を男女共に持っていただく、ということにあります。
妊娠に関するリテラシーが上がると、その分意識と行動に変化が現れ、積極的に関与しようとする男性が増える傾向があることが、サービス開発中の調査でわかりました。この傾向は、特に男性に強いです。
Seemによる精子チェックはあくまでツールなので、その先の「妊活意識の啓発」が私のミッションと捉えています。
--2018年7月に貴社が発表したリリースによると、不妊の半分は男性原因であることの認知は約5割であるにもかかわらず、精液検査受診は13%にとどまっている、という調査結果でした。
Q.男性不妊に関する以下の項目を知っていましたか。
Q.あなた(女性の場合はパートナー)は医療機関で精液検査を受けたことがありますか
--これはなんでなんでしょう?
入澤氏:この調査では「精液検査を受けない理由」についてもアンケートをとっているのですが、1位は「自分に問題があると思わないから」が38.0%でダントツだったんです。
つまり、「課題としては認識しているけれども自分は大丈夫」と思っている方がたくさんいらっしゃる、ということで、まだまだ解決すべき課題は多いと改めて感じています。
--なるほど。そういった方々に、どのように啓蒙されていくご予定ですか?
入澤氏:これはもう、地道にできることを続けていくしかないと思っています。Seemを置いていただくドラッグストアや医療機関を増やしていくのはもちろんですし、最近では自治体主催の妊活セミナーで講師としてお話しさせていただいたり、
興味を持っていただくために色々と仕掛けていきます。
--ありがとうございます。最後にLove Tech Media読者の皆さまに一言お願いします。
入澤氏:Seemをリリースして多くの声を頂戴するのですが、「もっと早く知っておけばよかった」という声がたくさん届きます。
こういう声をなくしていきたいですね。
男女関わらず妊娠を「自分ごと」として認識してもらう。
そのための第一歩として、Seemが貢献できたらと思い、これからもサービス開発を進めていきます。
後編記事では、実際にSeemを利用して、現在はお子様がいらっしゃる元ユーザーの方2名にお話を伺った。
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インタビュイー
入澤諒(いりさわ りょう)
株式会社リクルートライフスタイル 「Seem」サービス責任者
大学卒業後、モバイルIT企業に入社。 女性向けの健康管理サービスの企画・プロモーションのディレクションや遺伝子検査サービスの立ち上げを担当。
2014年11月にリクルートライフスタイルに入社し、新規事業開発部門に配属。 新規事業として『Seem(シーム)』を立ち上げ、現在はSeem事業全体の戦略策定からUXの検討、プロダクト開発までを担当する。
・2016年度グッデザイン賞 特別賞[未来づくり]受賞
・ジャパン・ヘルスケアビジネスコンテスト2017 優秀賞受賞
・カンヌライオンズ2017 モバイル部門 グランプリ、ゴールド、シルバー受賞 グラス部門 ブロンズ受賞