痛くない乳房用画像診断装置開発のLily MedTech、開発加速に向け約9.3億の資金調達を実施

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LoveTech Media編集部コメント

株式会社Lily MedTechが、アルフレッサ株式会社、アフラック・ベンチャーズ合同会社、株式会社三菱総合研究所等を引当先とする第三者割当増資を実施し、2019年9月6日に、シリーズBラウンドとなる総額約9.3億円の資金調達を完了したと発表した。

 

Lily MedTechとは、女性に優しい乳がん診断を目指す、女性起業家による東京大学発ベンチャー企業。

 

東京大学医学系研究科・工学系研究科での研究技術を基に、リング型の超音波振動子を用いた革新的な乳房用画像診断装置「リングエコー」の開発を進めている。

 

現在、一般的な乳がん検診にはX線マンモグラフィやハンドヘルド型の超音波が使用されている。

 

マンモグラフィは、触れただけでは気付かない小さな石灰化の段階の腫瘍を発見することができ、乳がんの早期発見に有効なのだが、一方で、乳腺の発達した乳腺比率の高い女性(統計では若い女性に多いとされます)の場合、乳腺も腫瘍も白く映るため、乳がんの判別が難しいという欠点もある。

 

また、圧迫による検査時の痛み、X線照射による被ばくリスク、デンスブレスト(高濃度乳房)に対する検出精度低下等の課題もある。

 

さらにハンドヘルド型の超音波については、がん発見が検査技師の技術に依存するという課題を抱えている。

 

厚生労働省では「40歳以上の女性に対し、2年に1度、問診及びマンモグラフィ検診を行う」という指針を定めているが、これらの要因によって受診ハードルが大きく上がっており、乳がん検診受診率が低迷し、結果として乳がん罹患率が高い水準を維持してしまっている。

 

なんと、日本人女性の11人に1人が罹患している状況であり、年齢別では40代から60代という仕事や子育てで忙しい働き盛りの年代の女性がかかりやすくなっている状況だ。(※)

※国立がん研究センターがん対策情報センター“がん情報サービス”より

 

これに対し、Lily MedTechのリングエコーは、被ばくリスクや痛みがなく技師に依存しない乳がん発見が期待される。

 

リングエコーは、X線ではなく超音波振動を利用するため被ばくリスクがなく、また痛みの元凶である乳房の圧迫も必要がないので、痛くないことが最大の特徴となっている

 

具体的には、受診者がうつぶせになり乳房をベッドの穴に入れると、円環状の超音波振動子が上下に移動しながら乳房内を撮像。振動子が身体に触れることはないため、受診者が撮影中に痛みなどを感じることがないという仕様だ。

出典:Lily MedTechホームページ

 

今回の調達資金により、臨床現場での利用を見据えた本装置の開発・臨床研究を加速し、量産化に向けた社内体制の強化を推し進めていくという。また、将来的な本装置の販売と市場へのスムーズな浸透・活用を目指し、業務提携なども検討していく予定だ。 

 

痛みや被ばくがない、女性に優しい乳房用画像診断装置を実現させることが、乳がん検診率の向上と早期発見に寄与すると言える。

 

同社開発装置による、女性に優しい乳がん検診の実施が待ち遠しい。

 

以下、リリース内容となります。

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