記事の要点
・「ルナルナ」等を手がける株式会社エムティーアイは、生理痛やPMSなどの症状に悩む自社女性社員を対象に、新たな福利厚生制度「オンライン診療を活用した婦人科受診と低用量ピル服薬の支援プログラム」を、2020年2月より開始することを発表。
・「ルナルナ オンライン診療」を活用し、女性特有の症状を気軽に婦人科に相談できる環境づくりを整え、また並行して利用者は「ルナルナ」ピルモードでの服薬管理も実施。婦人科の受診や低用量ピルの服用を無理なく継続できるようサポートし、女性社員が自身のカラダの管理とコントロールを行えるように支援する。
・まずは、本年2月より希望する女性社員協力のもと半年間の実証を実施し、その結果をもとに本格的に運用開始する予定。
LoveTechポイント
本来、健康な身体作りは周産期・小児期から始まるワケで、そのための職場環境整備を自社プロダクトを活用して推進している点が、LoveTechだなと感じます。
女性の健康課題に対応するということは、次世代への健康に対する投資ともいえます。エムティーアイ社での展開のみならず、その先のパッケージ化も期待しましょう。
編集部コメント
経済産業省が昨年発表した調査結果によると、女性従業員の約5割(52%)が、女性特有の健康課題などにより職場で困った経験があると回答している。以下ご覧になるとお分かりの通り、その多くが生理痛や月経前症候群(以下、PMS)によるものだ。
経済産業省ヘルスケア産業課「健康経営における女性の健康の取り組みについて」6頁
同様の資料でその「認知状況」も調べられているが、女性の健康課題が労働損失や生産性等へ影響していることについて、実に70%以上の回答者が「知らなかった・わからない」と回答していたという(単体回答、n=4,200)(※)。
※経済産業省ヘルスケア産業課「健康経営における女性の健康の取り組みについて」7頁
「疾患・症状が仕事の生産性等に与える影響に関する調査」では、1位:メンタル不調、2位:心臓の不調、3位:月経不順・PMS(月経前症候群)等による不調となっており、男女調査であるにもかかわらず、月経やPMS(月経前症候群)という女性のみの症状が3位に入っている。
このことを知っていた、もしくは聞いたことがあるという人は、全体の29%だったという。
月経随伴症状などによる社会経済的負担は年間6828億円に上りそのうち労働損失(会社を休む、労働量・質の低下)が72%を占めている。
これについては、なんと21%に過ぎない。
調査対象は男性だけでなく、当然ながら女性も含まれる。よって、男性のみならず、実は“女性自身の知識不足”も課題だということがわかる。
このような背景を受け、ルナルナ等を手がける株式会社エムティーアイは、生理痛やPMSなどの症状に悩む自社女性社員を対象に、新たな福利厚生制度「オンライン診療を活用した婦人科受診と低用量ピル服薬の支援プログラム」を、2020年2月より開始することを発表した。
このプログラムではまず、昨年10月にリリースされた「ルナルナ オンライン診療」を活用し、女性特有の症状を気軽に婦人科に相談できる環境づくりを整える。診療や低用量ピルの服薬が必要な場合の費用などを会社が負担し、経済的負担を軽減すると同時に、通院にかかる移動や待ち時間を削減し、仕事を休まずとも受診できるようにするという。
また、オンライン診療利用と並行し、利用者は「ルナルナ」ピルモードでの服薬管理も実施。
婦人科の受診や低用量ピルの服用を無理なく継続できるようサポートし、女性社員が自身のカラダの管理とコントロールを行えるように支援するという。
まずは、本年2月より希望する女性社員協力のもと半年間の実証を実施し、その結果をもとに本格的に運用開始する予定だという。
また、冒頭の経産省調査でお伝えした通り、男女の「女性の健康課題に対するリテラシー」向上も重要な課題だ。
故に本プログラムでは、その開始にあたり、東京大学医学部附属病院 産婦人科 准教授 甲賀かをり先生による「女性のカラダの知識講座」の全社員向け実施も予定している。
利用方法は以下の流れだ。
①女性社員が会社へ利用申込み
※申込に関する情報は本プログラムに関わる当社の担当者とカラダメディカが本プログラム運営のためにのみ閲覧
利用する女性社員の上司や他部署などに開示されることはありません。②初診(提携医療機関の新宿駅前さくらレディースクリニックへ来院して対面で診療)
③スマートフォンから再診予約
④オンラインで再診、カラダの不調や悩みがある場合は医師に相談が可能
⑤費用の決済
⑥低用量ピルの処方がある場合は自宅へ配送、
低用量ピルの服用後は『ルナルナ』のピルモードで服薬管理が可能⑦女性社員が会社にて費用を経費精算
現時点では言及されていないが、半年間の実証を経た本格運用で定量・定性的な効果が現れたならば、エムティーアイグループ内における展開のみならず、他社提供も可能な福利厚生プログラム化も検討されることが想定される。
各種健康問題においては、その気づきの風穴を開けるという観点で、企業の福利厚生は非常に効果があると感じる。
まずは同社による半年間の実証結果を、楽しみに待ちたい。
以下、リリース内容となります。