記事の要点
・株式会社日本データサイエンス研究所が、マスク等の在庫情報・入手可能性を共有するためのサイトとして「みんなで作るシェアマップ『アルカモ』」を作成・リリース。
・中身となる在庫状況データは、卸・小売店などの供給サイドや、消費者である個人による入力が前提となっている。
・現在は新型コロナウイルス感染症拡大対策としてのマスクのみの記載のみだが、今後は他の「必要とされるもの」も順次追加予定とのこと。
LoveTechポイント
今回のマスク在庫問題にかかわらず、「必要なものがどこにあるのかわからない」という情報の非対称性は、日常生活において様々な形で負担になってしまいます。
そんな現状を解決すべく、卸・小売店などの供給サイドと消費者である個人が協力して見える化していくという思想が、LoveTechだと感じます。
編集部コメント
新型コロナウイルス感染症リスクによって、真っ先に在庫不足が問題となった「マスク」。
2020年1月下旬頃から主に“使い捨てマスク”を買い占める人が続出し、全国の薬局でマスクが品切れとなる異常事態が、現在に到るまで続いている。
どこに行ってもマスクが置かれていないので、コロナ対策としての予防ができないのはもちろん、例えば花粉症のようなアレルギー症状がある人にとっても、日常生活に支障が出てしまっていることだろう。
そんな状況を背景に今年2月に話題になったのが、台湾のIT大臣・唐鳳(オードリー・タン)氏をはじめとする政府役員らによってネット上に公開された「各薬局のマスク在庫マップ」だ。
政府が公開したといっても、作り上げていったのは台湾国内にいるエンジニアたち。政府チームが台湾中にある薬局のマスク在庫データを公開し、それを国内エンジニアたちがボランティアで数日ほどで作り上げていったというから驚きだ。
「どの薬局にどれだけのマスクが置いてあるのか」という情報が見える化されたことで、台湾国民は無駄な動きをすることなく、ピンポイントでマスクの置いてある薬局を確認し購入することができるようになったというわけだ。
残念ながら日本では、まだこのような官民連携した動きというものは見受けられないが、まずは民間から動くということで、本日、日本データサイエンス研究所(以下、JDSC)よりリリースされたのが「みんなで作るシェアマップ『アルカモ』」である。
有事の際に、必要なものの在庫状況を皆で共有するシェアマップというコンセプトで開発されたもので、リリース直後の現在は、まずは喫緊で大きな課題となっているマスクの在庫状況を「みんなで」見える化していくための器となっている。
ここで「器」と記載したのは、中身となる在庫状況データは、卸・小売店などの供給サイドや、消費者である個人による入力が前提となっているから だ。
マップ上には、マスクが置いてあるかもしれない薬局やコンビニ等の店舗情報が登録されており、丸表示された店舗をタップすると、誰でも在庫状況を登録することができる。
最後に登録された情報を“正”とし、入力情報の鮮度を「○日以上前のデータです」のような形で表示する仕様だ。よって、入力者の性善説に基づいた仕組みだと言える。
今後はマスク情報にかかわらず、他の「必要とされるもの」も、需給双方からの情報の登録・更新によって順次追加していく予定だという。地図ベースのクラシファイドサイトのようなイメージだろう。
まずは一人ひとりの認知と、面倒がらずに入力する習慣からだ。
マスクの在庫を見つけた方は、購入と同時に『アルカモ』への情報入力も進めてみてほしい。Webブラウザ上で動くサービスなので、ネット環境があれば誰でもアクセス可能だ。
以下、リリース内容となります。