記事の要点
・性被害や性的合意に関する情報発信をするメディア「mimosas(ミモザ)」がローンチし、Instagram、Twitter、noteなどのプラットフォームでコンテンツ配信がスタート。
・性被害に遭ったサバイバーだけではなく、その周囲の人も含めたすべての人に向けて、弁護士、医師、臨床心理士といったさまざまな専門家と共に、知っておいて欲しい「正しい情報」を発信。
・性被害に遭ったサバイバーが自分を責めず、安心して話せる場所や対処の方法を事前に知ることのできる社会の構築を目指す。
LoveTechポイント
内閣府の調査で13人に1人の女性、67人に1人の男性が「無理やりに性交をされたことがある」と回答するなど、性被害は「身近な社会課題」であるにも関わらず、被害者が声をあげる難しさは社会に根強く残っています。
写真・イラストを多用したコンテンツでSNS配信することは、タブー視される性被害の情報発信の敷居をさげることにつながり、LoveTechな取り組みだと感じます。
編集部コメント
性被害や性的合意に関する情報発信をするメディア「mimosas(ミモザ)」がローンチされ、Instagram・Twitter・noteでのコンテンツ配信がスタートした。
mimosasでは弁護士、医師、臨床心理士といったさまざまな専門家監修のもと、性被害に遭ったサバイバーはもとより、あらゆる人が知っておくべき性被害や性的合意に関する「正しい情報」を発信。性被害に遭ったサバイバーが自分を責めず、「安心して話せる場所」や「対処の方法」を事前に知ることのできる社会の構築を目指すとしている。
「性被害なんて自分には関係ない。」
「日本ではそんなに大きな問題ではないのでは?」
そう思う方がいるかもしれないが、実は非常に身近で、かつ他人事では済まない実情がデータとして現れている。
2017年実施の内閣府調査によると、約13人に1人の女性(全体の7.8%)、67人に1人の男性(全体の1.5%)が「無理やりに性交をされたことがある」と答えているのだ。性被害というと「女性の被害」として感じてしまいがちだが、男性や子どもが被害を受けることもある。顕在化した数値としてこれだけの数にのぼるので、潜在被害者を含めるとさらにその数が多くなることが想定される。
無理やりに性交等された被害経験の有無(内閣府 男女共同参画局「男女間における暴力に関する調査(平成29年度調査)」p.68)
加害者像はどうか。被害者との関係性は、「配偶者(事実婚や別居中を含む・元配偶者(事実婚を解消した者を含む)」、「交際相手・元交際相手」が 23.8%と多く、次いで「職場・アルバイト先の関係者(上司、同僚、部下、取引先の相手など)」(14.0%)などとなっている。また、異性だけでなく、同性から被害を受けるケースもあるようだ。
加害者との関係(内閣府 男女共同参画局「男女間における暴力に関する調査(平成29年度調査)」p.70)
このように、性被害は安心して暮らしていくための「身近な問題」であることがお分りいただけると思うが、一方で被害者が声をあげる難しさは社会に根強く残っている。
先の調査によると、「無理やりに性交等された」ことに関して誰かに相談した人の割合は全体の39.0%(女性が 38.3%、男性が 43.5%)であり、6割以上の方は誰にも打ち明けていないことが明らかになっている。
無理やりに性交等された被害の相談の有無(内閣府 男女共同参画局「男女間における暴力に関する調査(平成29年度調査)」p.76)
国内において、メディアなど公の場所で性被害に関する論議が目立つようになったのもここ数年だ。変化のきっかけをつくったのはジャーナリストで映像作家の伊藤詩織さん(※)。
伊藤さんは、セクシュアルハラスメントや性的暴行の被害を訴える「#MeToo」の運動でシンボル的存在になり、日本社会の意識改善を求め、活躍の場を広げている。しかし、支援の声だけでなく、「被害者にも非がある」「ハニートラップだ」等のバッシングも続いている。性暴力の被害者が、その後の周囲や社会の反応によって二重、三重に傷つくことは“セカンドレイプ”とも言われ、大きな社会課題なのだ。
※伊藤さんは、2015年、元TBS記者の山口敬之氏に意識のない状態で性行為を強要されたと民事訴訟で訴えた。東京地裁は2020年12月18日に、山口氏に330万円の支払いを命じる判決を出した。山口氏は判決を不服として、控訴を表明している。またこれに付随して、2020年6月にも、伊藤さんは、自身を誹謗中傷するイラストをツイッターに投稿したとして、漫画家はすみとしこさんに550万円の損害賠償と、投稿の削除などを求めて東京地裁に提訴した。はすみさんの投稿をリツイート(転載)して広めたとして、クリエイターと医師の男性2人にも計220万円の支払いを求めている
このような背景の中、“サバイバー(性暴力被害者)”の抱える「しんどさ」はケアされるべきことであり、独りで抱え込むものではない”という立場で立ち上がった専門メディアが、「mimosa」というわけだ。
「#MeToo」運動で高まっている機運の中で、これまで以上に、各人が性被害を身近な問題として捉え、話し合う文化が醸成されていくことを期待したい。
まずは各コンテンツをフォローしてみてはどうだろうか。
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