性被害への官民支援が活発に。全国共通短縮ダイヤル「#8891」、ピル情報サイト「ピルにゃん」など

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記事の要点

・内閣府は、性暴力の被害者のための全国共通の短縮ダイヤル「#8891」(はやく、ワンストップ)を、10月1日から導入する。相談ダイヤルの導入は、性被害者が電話で相談しやすくして、泣き寝入りなどを防ぐことが目的で、各都道府県に設置されている最寄りの「ワンストップ支援センター」につながる。

 

・ワンストップ支援センターは産婦人科医療やカウンセリング、法律相談などの専門機関とも連携する相談窓口で、性被害者の精神と身体の回復をサポートするため総合的な支援を行っている。

 

・性暴力が深刻な社会問題化するなか、民間でも取り組みが進む。株式会社アメニモは、アフターピル(緊急避妊薬)などのピル情報総合サイト「ピルにゃん(β版)」を開設。日曜・祝日でもアフターピルを処方してくれる全国約300件の医療機関一覧の公開を開始し、性行為後72時間以内に服用すると効果が高いと言われるアフターピルの啓蒙に取り組む。

LoveTechポイント

性被害が社会問題化するなか、官民での支援の動きが広がっています。

性暴力の被害者のための全国共通の短縮ダイヤル「#8891」の導入、性行為後72時間以内に服用すると効果が高いと言われるアフターピルの休日診療情報など、必要な支援へのアクセスを向上させている点がLoveTechだと思います。

編集部コメント

内閣府は、性暴力の被害者のための全国共通の短縮ダイヤル「#8891」を、10月1日から導入する。

 

橋本聖子女性活躍相は「番号は#8891です。『はやく、ワンストップ』と覚えていただきたいと思います」とコメントしている。

 

今回の相談ダイヤルの導入目的は、性被害者が電話で相談しやすくして、泣き寝入りなどを防ぐことにあり、各都道府県に設置されている最寄りの「ワンストップ支援センター」につながる。ワンストップ支援センターは産婦人科医療やカウンセリング、法律相談などの専門機関とも連携する相談窓口で、性被害者の精神と身体の回復をサポートするため総合的な支援を行っている機関だ。

 

併せて、内閣府は若い世代による相談を念頭に、SNSで性暴力の相談を受け付ける事業「Cure Time」も開始する。Cure Timeは期間限定のサービスで、昨年度も実施。今年度は、2020年10月2日(金)~2021年1月30日(土)までの予定で、毎週 月曜日・水曜日・金曜日・土曜日16:00~21:00、Twitter及びInstagramで相談対応や情報発信に取り組む。

 

性暴力が深刻な社会問題化するなか、民間でも取り組みが進む。

 

株式会社アメニモは、アフターピル(緊急避妊薬)などのピル情報総合サイト「ピルにゃん(β版)」を今夏開設したばかり。日曜・祝日でもアフターピルを処方してくれる全国約300件の医療機関一覧の公開を開始した。

pillnyan.jp

 

アフターピルとは、何らかの理由で避妊できなかった性行為の後、72時間以内に服用すると約80%程度の避妊効果が認められている薬だ。日本では医師の処方が必要となり、土日祝日は、処方する医療機関を探すことが難しいという課題がある。

 

アフターピルの種類についても、その違いや注意点が詳しく解説されている。それぞれの薬の入手方法、成分、副作用、避妊阻止率などを比較検討し、効果が高く、安全性の高い国内認可薬の必要性を訴える。

 

ピルにゃんでは今後、低用量ピルに関する情報も拡充していくという。低用量ピルは月経困難症やPMSなど生理の悩みがある方、避妊をしたい方を対象とした薬だが、選ぶことに抵抗があったり、どのように婦人科受診をしていいかわからないという現状がある。医学・薬学的視点に加え、医療制度の解説や、体や心の悩みにどう向き合っていったらいいかなど、包括的なピル情報総合サイトとしての役割が期待される。

 

性被害に関するこのような支援があるということを心に留めておき、必要とする方に届くことを切に願う

 

百谷伶奈

LoveTech Mediaライター。大企業~スタートアップの広報責任者まで、広報歴10年超。自身が妊娠・出産で苦労をしたこともあり、妊娠・出産・子育て領域...

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