シングルマザーらの経済的自立に向けた支援連携を開始。グラミン日本 × ニホン継業バンク

家族/仕事

記事の要点

・グラミン日本が、「ニホン継業バンク」運営のココホレジャパンと連携し、第三者が事業承継してビジネスを展開する“継業”を希望する対象者への支援を行うことを発表。

 

・両社はそれぞれの得意領域を活かしてシングルマザーやシングル女性の支援を行い、支援対象者の経済的な自立と、多様な地域の担い手として活躍するバックアップを実施。

 

・「ニホン継業バンク」を利用して事業を承継したいと希望する方に、できる限りの低金利、無担保での少額融資、金融トレーニング、電力の無料提供(1年間)などの支援を実施。

LoveTechポイント

地方では都市と比べて生活コストが相対的に低く、自営のスモールビジネスは仕事と生活の距離が近いことから、多様な生き方、働き方を実現する機会に恵まれているとも言えます。

今回の連携が、多くの方の自己実現と地域の担い手づくりにつながることを期待したいと思います。

編集部コメント

般社団法人グラミン日本とココホレジャパン株式会社が、シングルマザーや非正規職で働くシングル女性の経済的自立支援に向けた連携をスタートし、第三者が事業承継してビジネスを展開する“継業”を希望する対象者への支援を行うことを発表した。

 

ご存知の通り、グラミン銀行とは、ムハマド・ユヌス博士により、1983年バングラデシュに設立された銀行のこと。融資・返済方法に特徴があり、5人一組のグループ融資を行い、毎週センターミーティングを開き、連帯責任のスキームの下、借りたお金を返済する。貧困層の自立を目標に確立された仕組みで、ユヌス博士とグラミン銀行は2006年にノーベル平和賞を受賞している。借り手の97%は女性で、貧困・生活困窮者に無担保で融資を行い、ほとんど貸倒れのない実績をあげているという。

 

そんなグラミン銀行の日本版、グラミン日本も、貧困や生活困窮の状態にある人々への低利・無担保の少額融資と、起業や就労によって、貧困や生活困窮から脱却し自立することを支援するマイクロファイナンス機関だ。

 

現在日本では、 6人に11人が「相対的貧困」にあるとされており、世帯別の相対的貧困率は母子世帯が約5割と、突出して高い状況が問題視されている。さらに、新型コロナウイルス感染症の拡大により、シングルマザーや非正規職で働くシングル女性の就業問題も深刻化しており、子育てをはじめとする各種ライフスタイルにあった柔軟な働き方への対応が迫られている状況だ。

 

このような状況の中、グラミン日本との提携を開始するのがココホレジャパン。

 

同社は、岡山県・瀬戸内海地域を拠点に地方創生、SDGs領域に専門性を持つコンテンツ制作プロダクションで、小規模事業者の後継者課題を解決するプラットフォーム・サービス「ニホン継業バンク」を運営している。市町村ごとに継業バンクを開設することで、地域の後継者課題を抱える事業者とともに、事業の担い手を探すことができるものだ。

 

今回の提携によって、両社はそれぞれの得意領域を活かしてシングルマザーやシングル女性の支援を行い、支援対象者の経済的な自立と、多様な地域の担い手として活躍するバックアップを行なっていくという。

 

グラミン日本による継業に関わる少額融資の申し込みフローは以下の通り。この他にも、継業するまでのフォローアップとしてのセンターミーティングや、グラミンでんきの1年間無料での提供なども、支援内容に含まれることになる。

 

<支援対象者>

  1. シングルマザー、非正規職で働くシングル女性
  2. 地域の担い手として、事業を引き継ぎ、いきいきと働く意欲のある方
  3. 現在の収入が一定ライン以下の方(現在の収入が生活保護基準の1.8倍以内であることが目安)
  4. 5人1組のグループをつくり、互いに信頼し、助け合うことのできる方
  5. 規律を守れる方

 

<費用融資の利用ケース>

  • 地方に移住をして継業したいが、移住の資金がない、
  • 継業した事業で、新しい商品を開発する資金が必要
  • 継業した店舗、施設の修繕、設備を整えたい

 

地方では都市と比べて生活コストが低く、自営のスモールビジネスは仕事と生活の距離が近いことから、多様な生き方、働き方を実現する機会に恵まれているという。

 

今回の連携が、より多くの人たちの自己実現と、地域の担い手づくりにつながることを期待したい。

LoveTechMedia編集部

「”愛”に寄りテクノロジー」という切り口で、社会課題を中心に、人々をエンパワメントするようなサービスやプロダクトを発信しています。

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