記事の要点
・グラミン日本とSAPジャパンとMAIAが、生活困窮者への経済的自立支援を目的として、デジタル・プラットフォームを活用した雇用機会マッチングの就労支援及びデジタル人材育成のためのプログラム「でじたる女子」を、8月25日より提供開始。
・でじたる女子は、2021年4月より運用を始めたソーシャル・リクルーティング・プラットフォーム「SAP Fieldglass®(エスエーピー・フィールドグラス)」を活用した、女性のITスキル向上に特化したMAIAのデジタル人材育成プログラム。
・3社は、女性の多様な働き方の実現を後押しし、コロナ禍において失われた女性の雇用機会創出を目指す。
LoveTechポイント
一定の成果をあげているRPA女子プロジェクトの拡張版となる「でじたる女子」プロジェクト。
コロナ禍の厳しい状況だからこそ、本プロジェクトにより多くの女性が家庭と仕事を両立しながら再就職されることが期待されます。
編集部コメント
一般社団法人グラミン日本・SAPジャパン株式会社・株式会社MAIAの3社が、生活困窮者への経済的自立支援を目的に、デジタル・プラットフォームを活用した雇用機会マッチングの就労支援及びデジタル人材育成のためのプログラム「でじたる女子」を8月25日より提供開始する。
でじたる女子とは、シングルマザーを含む女性を対象に、MAIAが提供するe-Learningを通じて「RPA」「AI-OCR」「CAD」「デジタルマーケティング」などニーズの高いIT関連スキルの習得機会を提供した上で、グラミン日本とSAPジャパンが提供するSAP Fieldglassを活用して、対象女性と提携している企業との雇用機会のマッチングを行うというもの。
グラミン日本は、本プログラムを利用する女性向けに無担保での少額融資、金融教育を提供する。
本プログラムの提供の背景には、コロナ禍において職を失った非正規雇用労働者の増加、そのなかでもシングルマザーの7割が雇用や収入へのマイナス影響を経験しているという点が挙げられる。
就労機会の減少に伴い、実務を通じたスキルアップやキャリアアップのチャンスが失われつつあるからこそ、女性のITスキル向上に特化したMAIAのデジタル人材育成プログラム「でじたる女子」の提供に至ったというわけだ。
まずはシングルマザー支援団体・全国の自治体・派遣切りを検討している日系企業などから対象となる人材を募集し、グラミン日本が参加者の学習費用を補填した上で、MAIAが参加者に対してeラーニングによる育成プログラムを提供するという流れになっている。
連携メンバーの一社であるMAIAは、「人生100年時代に、”自分らしく生きる”未来を、共に創造する」をビジョンに掲げ、RPA等のIT人材教育や女性の働き方改革に尽力している会社。地方創生事業では、地産地消モデルとしてDX化の推進を図り、地域での女性の雇用創出と地域企業の生産性向上の実現を目指している。
一例として、2018年に開始した「RPA女子プロジェクト」では、受講生が1714名にのぼり、うち約60%の参加者が何らかの案件で就業し、本プロジェクトにより多くの女性が家庭と仕事を両立しながら再就職しているという。
今回のでじたる女子で提供するプログラムは、このRPA女子で取得できるスキルの幅を広げたもの。eラーニングプログラムによりスキルを取得した後に、今度はSAPジャパン提供のSAP Fieldglassを使い、全国企業と人材のマッチングを行い雇用を創出するというわけだ。
将来的には、でじたる女子とSAP FieldglassのAPI連携が行われる予定であり、サービス拡張が期待される。
資金の提供から、人材育成、そして雇用をワンストップで提供する本プログラム。今後幅広く周知され、コロナ禍で困難な状況に陥っている人の一助となることを期待したい。