昆虫テック企業・ムスカがECサイトをオープン。コロナ禍で甚大な影響を受ける生産者を応援

食/地域/環境

記事の要点

・昆虫テクノロジー企業のムスカが、同社の肥飼料を使って育った生産物を直売するECサイト「Sustainable Food Market」をリリース。

 

・応援プロジェクト第一弾として扱うのは、宮崎県にある「石坂村地鶏牧場」の鶏肉。新鮮な「みやざき地頭鶏(じとっこ)」や、おつまみとして加工した品等が販売されている。

 

・ムスカといえば、ハエを活用した100%バイオマスリサイクルシステムを開発・提供するフードテックスタートアップ。旧ソ連時代より約50年間、計1200世代以上の選別交配を行なった“イエバエ”の幼虫を使い、有機廃棄物を1週間で分解。有機肥料にしたものは農作物生産に使え、また分解した幼虫自身も飼料にして養殖や家畜のエサにできるという、ユニークな事業スキームを構築していることで知られている。

LoveTechポイント

自然がもつ“循環力”を活かし、無薬・無化学で生成された飼料というだけでLoveTechなのですが、今回は、この飼料を使って育った鶏肉が公式に通信販売されるという点がポイントです。

食も文化も同じく、一旦なくなってしまうと、どんなに良いものでも復活させるのは非常に大変なもの。身体に優しく美味しい鶏肉を食べたい方は、必見のセールスです。

編集部コメント

昆虫テクノロジー企業のムスカが、新たにECサイト「Sustainable Food Market」をリリースした。

https://www.sustainablefood.co.jp/

 

ムスカといえば、ハエを活用した100%バイオマスリサイクルシステムを開発・提供するフードテックスタートアップ。旧ソ連時代より約50年間、計1200世代以上の選別交配を行なった“イエバエ”の幼虫を使い、有機廃棄物を1週間で分解。有機肥料にしたものは農作物生産に使え、また分解した幼虫自身も飼料にして養殖や家畜のエサにできるという、ユニークな事業スキームを構築していることで知られている(過去取材記事はこちら)。

 

今回のECサイトはてっきり、上述の肥料や飼料の流通プラットフォームかと思いきや、そうではない。ムスカ飼料や肥料を使って育った「畜産物」や「農作物」を直売するという。

 

背景にあるのは、新型コロナウイルス感染拡大がもたらした三次産業へのダメージと、一次産業への波及だ。多くの飲食店が臨時休業を余儀なくされる中、それら飲食店との取引が大半を占める生産者も多い。飲食店の稼働が減ると、その分生産者の出荷にもダイレクトに影響が出てしまう。

 

中には受注が9割減ってしまったという生産者もいるようだ。

 

そんな危機的状況に少しでも対応するべく、同社では自社プロダクトである飼料と肥料を活用した生産品を流通させるプラットフォームを構築したというわけだ。

 

応援プロジェクト第一弾として扱うのは、宮崎県にある「石坂村地鶏牧場」の鶏肉。

石坂村地鶏牧場ホームページ

 

同牧場では、広大な養鶏場内に5000羽の「みやざき地頭鶏(じとっこ)」が誕生月別に分けられており、雄は4か月、雌は3か月間飼育されているという。今回リリースされたECサイトでは、その新鮮なお肉や、おつまみとして加工した品等が販売されている。特に前者については、朝締め処理を行うので鮮度抜群だという。

 

実は、「ムスカ飼料で育った」と公式に発表されて“販売”される鶏肉は、これが初めてなのではないだろうか。もちろん、石坂村地鶏牧場含めてムスカ飼料を使っているところは多いだろうが、公式で利用農家が発表がなされたのは、昨年12月にメディア向けに催された「サスティナブルフード試食会」くらいだろう。

 

上記事でも記載している通り、ムスカ肥飼料で育った肉/野菜は美味しい。今回のみやざき地頭鶏についても然りで、同社によると、「脂がのっていてとてもジューシー」だという。


 

「バイオマスリサイクルに組み込まれた生産物を食べてみたい」

「間接昆虫食で生産された鶏肉を味わってみたい」

「ただ鶏肉が好き」

 

そんな方は、今回リリースされた「Sustainable Food Market」を要チェックだ。

 

以下、ショップページとなります。

 

LoveTechMedia編集部

「”愛”に寄りテクノロジー」という切り口で、社会課題を中心に、人々をエンパワメントするようなサービスやプロダクトを発信しています。

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