電通サイエンスジャム × WITH ALS、脳波測定で意思を選択できる「NOUPATHY」を開発

医療/福祉

LoveTech Media編集部コメント

脳波をはじめとする生体信号解析をベースに、複雑化する消費者の動向を探るサービスを展開する電通サイエンスジャムが、一般社団法人WITH ALSと共同で、脳波を測定することで自分の伝えたい意思を選択する「NOUPATHY(脳パシー)」の開発を発表した。

 

ALS(筋萎縮性側索硬化症)とは、運動を司る神経の変性によって筋肉への命令が伝わらなくなり、意識や五感・知能の働きは正常のまま、筋力の低下が引き起こされ、徐々にコミュニケーションが取れなくなっていく難病。

発症してからの平均余命は3~5年と極めて進行が速く、治癒のための有効な治療法は現時点で確立されていない中、世界で35万人、日本では約1万人のALS患者が闘っている。

 

特に、多くのALS患者が恐怖を抱いているのがTLS(Totally Locked-in State:完全な閉じ込め状態)という状態。

 

眼球運動やまばたきなど、全ての筋肉が完全に停止して、周囲との意思伝達を完全に奪われてしまうという、ALSの最終的段階である。

 

このような背景から両社は、重度肢体不自由患者でも脳波を使って自らの意思を相手に伝えることができ、簡易型脳波計とタブレットによって、いつでもどこでも、簡単に自らの意思を伝える事ができる「NOUPATHY」の開発に着手したと言う。

 

NOUPATHYは、脳波を簡易型脳波計とタブレットで検出することで、最大5つのコマンドの中から選択したい意思を選ぶ事ができる。

 

コマンドの内容は入れ替えが可能で、例えば「飲み物を飲みたい」や「トイレにいきたい」といった言葉を自由に選択肢として使用することが可能である。

 

また、高度な選択精度の実現には、聴覚機能に働きかけると特殊な脳波が出現する「音」を使っている。

特殊な音は人が馴染みやすい「犬の鳴き声」や「車の音」等の自然音であり、使用者の気分に合わせて変更可能なように数パターン用意してある。

 

もちろん、意思伝達ツールを継続して使ってもらうには脳波計の快適性も重要であり、NOUPATHYでは簡易型脳波計を用いることで、使用者への負担を最小限に抑えている。

 

2019年12月22日に開催予定の音楽フェス「MOVE FES.2019」にて、WITH ALS代表でありALS患者でもある武藤将胤(むとう まさたね)氏がこのNOUPATHYを活用してBRAIN RAPを行い、脳波によるラップの生成に挑戦する予定だ。

 

ALS患者の方々を大きくエンパワーするLoveTechなプロダクトとして、上述の活用例はもちろん、今後の社会実装報告に期待したい。

 

以下、リリース内容となります。

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