治験情報インフラのBuzzreach、治験管理アプリ「ミライク・スタディ・コンシェルジュ」を発表

医療/福祉

LoveTech Media編集部コメント

治験コーディネーターという仕事をご存知だろうか。

 

製薬企業等が開発する新薬が、実際の薬として使用されるために必要な治験を含めた臨床研究を行う際に、医療機関や製薬会社、患者の間に立ってスムーズに進行するようサポートする仕事であり、通称CRC(Clinical Research Coordinator)と呼ばれている。

 

世界一とも言われる日本の治験データ品質を支えるのが、治験市場の最前線で働くCRCの方々なのだが、昨今、その人材不足が顕在化しているという。

 

医療機関内でも看護師などに比べてまだまだ評価や認知度が低く、将来のキャリアパスが描きづらいという点に加えて、業務量が多いことによる家庭と仕事のバランスを取ることが困難な実情があり、なかなか従事者が増えないという現実があるのだ。

 

多くのCRCは女性であり、彼女たちがいなくなったら、新たな治療法を必要とする患者に新薬が届くスピードが遅れてしまう。

 

そのような背景から生まれたのが、治験管理アプリ「ミライク・スタディ・コンシェルジュ(MiiLike Study Concierge)」。

 

製薬企業と患者を直接つなぐSaaS(puzz:パズ)を用いて治験情報インフラを展開している株式会社Buzzreachが新たに開発をした、スマートフォンなどデバイスインストール型アプリである。

治験管理アプリ画面イメージ

 

治験コーディネーターの業務をサポートし、治験参加患者と医療機関、製薬企業(治験依頼企業)を繋ぐものとして開発された。

 

薬の飲み忘れおよび飲みすぎ(服薬コンプライアンス)のプッシュ通知やアラート、次回検査時の持ち物や検査内容などCRCサイドからのお知らせ通知など、これまで対面でのみ行われていた患者とのコミュニケーションを円滑にする仕組みとなっている。

 

また業界初となる試みとして、治験を実施する製薬企業(治験依頼者)がアプリを通じて、製薬業界のレギュレーションを遵守し、個人を特定しない形で治験参加患者に対して『ありがとう』のメッセージを伝えることができる「サンキューレター機能」も搭載。

治験参加同意時、参加中、終了時などに直接的に製薬企業からの感謝を伝えることが可能となっている。

 

これは製薬企業の掲げるペイシェントセントリシティの一環として、製薬企業と患者をつなぐ初の架け橋機能となるものである。

 

さらに、昨今注目されるバーチャル治験・在宅治験でも、CRCの代わりとして患者サポートおよびコミュニケーション補助を果たす役割を想定しているという。

 

主な機能一覧は以下の通り。

  • 進捗情報の視覚化と共有:患者さんの最新情報のサマリ画面。
  • カレンダー:治験来院予定の入力確認、服薬状況の表示/入力、アラート機能、治験外でかかる他院・他科での検診スケジュールも入力可能。
  • 疾患情報:製薬企業作成(または保有)または一般疫学情報などの疾患情報に関するウェブ情報。
  • 服薬ガイド:疾患情報に伴う、疾患関連服薬ガイド情報。
  • ライブラリ:治験参加カードなど、治験に関わる全ての患者さん向けPDF資料を保管、閲覧。
  • 掲示板:製薬企業、CRC、PI、コメディカルスタッフが患者さん向けに書き込みを行う掲示板。特に製薬企業から患者さんへ『ありがとう』の気持ちを伝えるサンキューメッセージ機能がメイン。
  • メッセージ:主にCRCから患者さん向けにのみ発信が可能なメッセージ機能。
  • プッシュ通知:服薬、来院、メッセージなどの状況に応じて、アプリを閉じていてもプッシュ通知を受け取る機能。
  • 薬剤写真アップロード:薬剤を摂取した後に、薬剤の減った状態をスマホのカメラで撮影し、アップロードしておく機能。
  • 検診結果写真アップロード:検診結果を受け取った後に、結果をスマホのカメラで撮影し、患者さんの任意で記録保管用にアップロード、時系列で管理確認する機能。
  • リワード機能:アプリ継続利用・服薬コンプライアンス向上・治験参加意識維持継続を目的とした動機付け機能。
  • バーチャルCRC機能:CRCに代わって、患者さんのサポートし、CRCの負担を減らす機能。

 

CRCという、ある種ニッチではあるが非常に重要な役割を担う存在をサポートするサービスとして、製薬企業はもちろん、予算の関係でCRCサポートを導入できない医師・医療機関による臨床研究でも、「ミライク・スタディ・コンシェルジュ」が選択肢として今後認知されていくことを期待したい。

 

以下、リリース内容となります。

LoveTechMedia編集部

「”愛”に寄りテクノロジー」という切り口で、社会課題を中心に、人々をエンパワメントするようなサービスやプロダクトを発信しています。

プロフィール

ピックアップ記事

関連記事一覧

LoveTechMedia

テクノロジーに触れないことによる”愛”損失を最小限に留める。
LoveTechMediaとは