記事の要点
・“問診”に特化したAI問診プロダクト「AI問診Ubie」
・現在、大病院13 施設を含むおよそ100件の医療機関に導入
・亀田総合病院など大規模医療機関6施設での導入が決まり、業務効率化検証や精度向上のための導入・試験導入・共同研究実施を発表
LoveTechポイント
医療機関における患者・医者双方にとってのペインポイントの一つである「問診」に特化し問題解決をはかっている点がLoveTechと感じます。
また、一人の患者として、早く「問診がタブレットで3分で終わる」世界を実現して欲しいと願っています。
編集部コメント
風邪などの体調不良で初めての医療機関に行くと、必ず記入することになるのが「問診票」。
この問診票、いつまで経っても“紙”に記入する慣習が変わっていないのが現状である。
紙問診では、医師は患者からほぼイチから聴取して、イチからカルテ記載する手間がある。
このような非効率が重なって、医師の工数は爆発的に圧迫されている。
今年3月の厚生労働省「医師の働き方改革に関する検討会」で取りまとめられた報告書によると、2024年4月以降、研修医や高度技能の獲得を目指す医師の時間外労働上限は一般労働者の「過労死ラインの2倍」にも及ぶ「1860時間」と特例的に設定。
医師の過酷な労働環境が明らかとなった。
「患者に向き合った診察」という、医師が本来時間をかけるべき領域に、十分な時間を確保できずにいる状況なのである。
そんな「医師の働き方」の非効率に悩む病院に対し、業務効率化によって課題解決の一端を提示するプロダクトが「AI問診Ubie」である。
AI問診Ubieとは、医療機関向けタブレット問診票システム。
利用することにより、一人あたり初診問診時間が1/3になり、年間約1,000時間の業務時間削減を実現する(100床程度の医療機関で、従来の初診患者数9,000人/年、一人あたり初診問診時間10.2分とし推計した値)。
また従来のタブレット問診票とは異なり、AI問診では「ユニバーサルデザイン」を徹底しているので、70代でも約9割の患者が入力可能な仕様となっている。
このように医療機関と患者に優しい設計で作られたAI問診Ubieが、この度、大規模医療機関6施設での導入が決まり、同時に、業務効率化検証や精度向上のための導入・試験導入・共同研究を実施することが発表された。
導入・試験導入の概要は以下の通りである。
また、共同研究の概要は以下の通り。
いずれの医療機関でも、テクノロジー活用による「患者よし、スタッフよし、世間よし」という三法よしへの期待を高めている。
よく「医者の不養生」と言うものだが、それは医者本人の問題などではなく、過剰な勤務環境によりもたらされた結果に過ぎない。
AI問診Ubieのような業務改善MedTechプロダクトが浸透していくことにより、医者・患者双方にとって理想的な医療機関へと改善されていくことを期待したい。
少なくとも、初回問診はタブレットがスタンダードである世の中に、早く進んで欲しいものだ。
以下、リリース内容となります。