記事の要点
・ホーム IoTサービス「ネコリコホームプラス」を提供する合同会社ネコリコが、新たに、一人暮らしの高齢者を対象とした法人向けみまもりサービス「独居ケアアシスタント」の提供開始を発表。
・独居ケアアシスタントは、「みまもられる」高齢者の冷蔵庫などにセンサーを設置し、高齢者はいつも通りの生活を送るだけ。センサーが異変を検知し、「みまもる人」にお知らせするシンプルな設計。月額500円からの低価格で利用が可能で、利用ハードルは低い。
・近年社会課題化する孤独死だが、「カメラで監視されるのはイヤ」、「周りに負担をかけたくない」という高齢者の声もある。シンプルでちょうど良い距離感というサービスの特色が、市場に受け入れられることが期待される。
LoveTechポイント
60歳以上の一人暮らし世帯の半数近くが、孤独死を身近な問題として感じていると言います。
高齢化社会が進行する中でその傾向は強まることが予測されますが、誰にとっても直面しづらいセンシティブな問題であり続けるからこそ、シンプルさを徹底したサービス設計やカジュアルな価格設定がLoveTechだと感じます。
編集部コメント
ホーム IoTサービス「ネコリコホームプラス」を提供する合同会社ネコリコが、新たに、一人暮らしの高齢者を対象とした法人向けみまもりサービス「独居ケアアシスタント」の提供開始を発表した。
https://www.necolico.co.jp/business/dokkyo/
みまもりセンサーとして機能するのは、京セラ株式会社が提供する「GPSマルチユニット」をネコリコ向けにカスタマイズしたもの。
画像引用:京セラホームページ
これを「みまもられる」高齢者の冷蔵庫などに設置するだけという、なんともシンプルな流れになっている。
高齢者はいつも通りの生活を送るだけでオーケーで、一定時間動きがない場合にセンサーが異変を検知し、「みまもる人」にお知らせしてくれるという。
月額500円〜という低価格での利用が可能であり、利用ハードルは低いと言えるだろう。
<「独居ケアアシスタント」の特徴>
- 異変通知
冷蔵庫などに設置したセンサーがドアの開閉を検知。一定時間動きがない場合のみ異変を通知する。- 管理パネル
直観的でわかりやすい管理パネルを提供。次の行動をサポートするのに必要な情報を、まとめて見やすく表示するダッシュボードをはじめ、事業者や家族などのみまもる人が利用しやすいメニュー構成になっている。- かんたん設置
「みまもりセンサー」は、コンパクトな筐体の中に、LTE通信機能と3つのセンサー(温度、湿度、加速度)を搭載。SIMカードも内蔵しているため、インターネット回線や電話回線のない環境でも、電源オンですぐに使用できるようになっている。
ネコリコは、中部電力株式会社と株式会社インターネットイニシアティブの合同会社として2018年に設立された会社で、おうちの心配ごとに寄り添うホームIoTサービス「ネコリコホームプラス」を個人向けに提供している。
これは、環境センサーや温湿度センサー、モーションセンサー、カメラなどのデバイス群で構成されるホームIoTサービス。コントロールユニットを自宅に設置することで、自身の家や離れて暮らす家族を見守ることができるサービスとなっている。
サービスを提供していく中で、自治体や賃貸住宅の管理会社から「ネコリコホームプラスを利用して公営住宅の孤立死を防ぎたい、高齢者の入居意向を叶えたい」という相談が寄せられるようになり、今回のサービス開発に至ったという。
そう、高齢者の孤独死が、随分前から大きな社会問題になっているのだ。
内閣府の「高齢社会白書」によると、2016年の東京23区内の65歳以上一人暮らし死亡者のうち、自宅での死亡者数は3,179人と記録されている。2003年は1,451人で、13年間で2倍超に増加したことになる。
画像引用:東京23区内における一人暮らしで65歳以上の人の自宅での死亡者数(内閣府「平成30年版高齢社会白書(全体版)」より)
また、内閣府の「高齢者の健康に関する意識調査」によると、孤独死を身近な問題だと感じる(「とても感じる」と「まあ感じる」の合計)人の割合は、60歳以上の者全体では17.3%だが、一人暮らし世帯では45.4%と半数近くの方が自分ごととして感じていることが分かる。
画像引用:孤独死を身近な問題と感じるものの割合(内閣府「平成30年版高齢社会白書(全体版)」より)
一方で、見守られる側の高齢者からは「カメラで監視されるのはイヤ」、「周りに負担をかけたくない」等といった声が集まる。
ユーザーにも、家族にも、負担を感じさせない「独居ケアアシスタント」のちょうどよい距離感が、社会に受け入れられ、高齢化社会で暮らす日本人の暮らしに安心感が増すことを期待したい。
以下、リリース内容となります。