記事の要点
・女性のための女性医師によるオンライン医療相談サービスを提供する株式会社アナムネが、2020年5月1日より、「オンラインクリニックプラットフォーム」の提供を開始。
・同社が提携するクリニック及び薬局にて、診察から服薬指導、処方薬の受け取りまで全て自宅からオンラインかつワンストップでの完結が実現。
・株式会社アナムネでは、オンラインクリニックの提供に協力したいクリニック、病院、薬局、医師およびサービス導入企業を募集中。
LoveTechポイント
厚労省が新型コロナウイルスの感染防止策としてオンライン診療の規制緩和を進めるなか、対応したサービスが相次いで始まっています。
オンライン診療は、通院による感染リスクを危惧し病院へ行くことを躊躇する患者へのメリットだけでなく、医療現場の負担軽減という意味でも期待がされるなか、導入コストを最小限におさえるためのサービス設計を進めているアナムネの取り組みはLoveTechだと思います。
編集部コメント
オンライン医療相談サービスを手がける株式会社アナムネが、2020年5月1日より「オンラインクリニックプラットフォーム」の提供を開始する。
これは、同社が提携するクリニック及び薬局にて、診察から服薬指導、処方薬の受け取りまで全て自宅からオンラインかつワンストップでの完結が実現するもの。厚生労働省が2020年4月10日に発表した、オンライン・電話診療への時限的・特例的な取り扱いの内容(※)を受けてのリリースとなる。
※新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)の院内感染を防ぐため、初診患者へのオンラインや電話での診療の規制緩和に関して発表。COVID-19が収まるまでの期間に限定して、医療機関の受診歴の有無にかかわらず受診が可能となる。処方薬も、薬局の薬剤師からインターネットや電話で服薬指導を受けたうえ、配送で受け取れるようになった
患者にとっての流れは以下の通り。きちんと公的医療保険を使うことができる。
- サービスのオンラインチャットシステム上で、健康保険証や免許証等の身分証明書を確認後、クリニックと薬局で使用する共通問診票の入力。
- その後、患者とクリニック・薬局の双方で都合の良い時間を指定し、ビデオチャットにて受診。
- オンラインでの診察後、今度は薬局によるオンライン服薬指導を受け、オンラインで決済を行うことで、自宅など指定された場所に処方薬が届く。
一方、クリニック及び薬局は、月額利用料と通信利用実績に応じた従量課金によりオンラインクリニックプラットフォームを導入することができる。
主な特徴は下記にまとめるが、患者側だけでなく、システム導入者である医療現場にオペレーション等の負荷がかからないよう設計されていることに注目したい。
<「オンラインクリニックプラットフォーム」の特徴>
・診察から服薬指導まで全てオンラインで完結。煩雑なオペレーション業務は、株式会社アナムネで対応するため、簡単にオンライン診療を導入することが可能
本プラットフォームに登録することで、①会員登録、②オンライン診療に必要な保険証や本人確認資料の確認、③診療および薬局に必要な質問票の対応、④オンライン診療の予約、⑤利用料の支払いの全てをシステムと専用のオペレーション対応を組み合わせ、オールインワンパッケージのオンラインクリニックプラットフォームとなっている。そのため、クリニックおよび薬局は複雑なシステムの導入やオぺレーション体制を整備することなく、オンライン診療・服薬指導を導入することが可能。
・クリニックと薬局の双方で必要な質問票を共通化。これまでの診察前の手間を大きく削減
これまでの対面診療では、それぞれで同じ患者情報や質問票への記入をしていた。本プラットフォームでは、同一のシステム上に、クリニックと薬局が同居する形式で利用できる共通質問票を提供するため、利用者は患者情報や質問票の入力を1回で済ませることができ、煩雑な作業を減らすことができる。
・保険証や本人確認資料の確認にeKYCを導入により、個人情報を安全にやり取り
本プラットフォームでサポートしているのは、医療保険を利用する診療のため、保険証や免許証などの本人確認資料の確認ができる機能を実装している。保険証や免許証などの本人確認資料は、個人情報の中でも最も繊細に扱うべき個人情報になるため、eKYC(※)サービスを組み込み、個人情報をプラットフォーム上に保管することなく、本人確認ができるようになっていて、安心して利用することができる。
※eKYC:「electronic Know Your Customer」の略称。KYCは銀行口座開設などで必要な本人確認手続きの総称を指し、これを“電子的”に行なう仕組み
COVID-19の感染拡大を受け、日本国内の医療の現場では医療設備と医療従事者の稼働の上限に達し、まさに医療崩壊の危機に瀕していると言われている。医療者から見た場合、COVID-19の感染は症状からのみでは確定的な診断が難しく、別症状で来院した患者がCOVID-19感染者であることが後に判明し、瞬く間に院内感染が広がってしまうというリスクをはらんでいる。
また、医療現場の負担軽減をしようと全国で外出自粛要請が広がるなか、定期的に病院やクリニックに通院している人、日々の体調の変化で本当は医療機関へ行きたい人も、通院をためらう状況が続く。
限られた医療リソースの中で、比較的軽度な患者はオンライン診療で対応し、対面診療の現場では重篤患者の治療を優先することで、結果として日本の医療体制の維持に強く貢献することが期待される。
アナムネでは、オンラインクリニックの提供に協力したいクリニック、病院、薬局、医師およびサービス導入企業を募集中だ。
関心のある医療関係者は是非問い合わせをしてみてはどうか。
<オンラインクリニックプラットフォーム お問い合わせ先>
以下、リリース内容となります。