保育士と保護者の関係性が保育園運営の肝だ、という発見
--本質的なこと、ですか。
森脇氏:「保育士の業務軽減」は、すごく表層的なアプローチでした。
もっと深い部分で大切なことを探るべく、保育園へのヒアリングを続けていったところ、ある時に、保育士と保護者の関係性が保育園運営の肝だという仮説に行きつく体験をしました。
--どんな内容でしょうか?
森脇氏:訪問先である埼玉県の保育園にて、園長先生がユニークなことを実施されていました。
「保護者に1日保育士体験をしてもらう。うちの保育園に入るからには一年のどこかで絶対にやってもらう。この仕事がいかに大変か、どんなところまで気持ちを込めて具体的に細かくやっているのか、保護者では絶対に見えないところまで体験し、感じてもらうことを大切にしている。それをやると園運営がうまく行く」という内容でした。
そこでは、「保育園の見える化」をされていたんです。
--普段は絶対に見えないところまで体験させる、ってすごいですね。
森脇氏:僕にとって大きな気づきでしたね。
保護者にとって、「先生ちゃんとやってくれてるのかな」っていう不安な思いを抱きながら日常生活を送るのって、すごいストレスですよね。保育士にとっても、そう思われながら仕事をするのは同じくストレスです。
保護者が保育園の仕事内容を理解して、その上で「あの先生に預けているから、子どもが毎日幸せで、保育園を楽しんでくれてる」と思えると、保護者が園に預けていることに対して前向きになれますよね。
「保育士と保護者の関係の維持向上」という観点を特に突き詰めて考え、サービス開発していきました。
--それと情報のデータ化・クラウド化が結びついたということですね?
森脇氏:そうです。
保育士からの発信がノートへの手書きだけだと、情報量に限界がありますよね。それをスマホを使って写真付きで送ることができれば、保護者は保育園での活動をより具体的に把握することができ、すごく安心します。
「こういう活動ちゃんとしてくれるんだ」「ここをケアしてくれるんだ」と、見えることで不安が安心に変わり、それが保育士への感謝やリスペクトに繋がります。
保育士の皆さまにとっても仕事に対する肯定感が増して、より良い保育をする。それが子どもに伝わって保護者に返ってくる。
このサイクルをうまく回すことができれば、みんなハッピーだと思いました。
「保育士の業務軽減」ではなく、「保育士と保護者の関係の維持向上」のためのツールだと言って、説明して周るようになりました。
そうすると途端に、共感してくれる保育園が増えていきまして、サービスリリースしたらぜひ導入したい、という声を多数頂戴するに至りました。
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