マッチングサービスの中でも、スマホの”位置情報”をマッチングに利用するというユニークな機能で注目されるCROSS ME(以下、クロスミー)。「どんな人と、いつ、どのあたりで、何回すれ違ったのか」がわかる、面白い仕組みである。
前編・後編に渡って、同アプリを開発・運営するサイバーエージェントグループの株式会社プレイモーション 代表取締役社長 平松繁和(ひらまつ しげかず)氏にお話を伺った。
前編では同社の立ち上げ経緯やアプリの機能についてお話いただいた。後編でも引き続き同氏に、アプリの各機能や今後のビジョンについて教えていただいた。
世界観をしっかりと作りたい
--アプリ開発する上でこだわっているところを教えてください。
平松繁和(以下、平松氏):僕がもともとゲーム畑出身ということもあり、アプリの世界観をしっかりと作りたいと考えています。
例えばメインのすれ違いリスト画面では、各地域に応じた風景画像を表示しています。写真を使った方がオシャレに見えるし、場所が変わったら風景画像も変わるので、開いた時のアクセントになります。
--各地域とは、具体的にどれくらいの単位なのですか?
平松氏:各47都道府県に最低1枚は用意しています。あとは、東京・大阪などの都心部は、市区町村ごとに用意しているエリアもあります。
--画面を開くのが楽しくなりそうですね!すれ違いが発生する範囲は具体的に何kmなどあるのでしょうか?
平松氏:それは公開していません。
距離がわかってしまうと、30メートルだったとしたら「近すぎて怖い!」となりますし、5kmだと「すれ違いじゃない!」という印象をどうしてももってしまいます。
また、常に一定の距離ですれ違いを発生させているわけではなく、ユーザーのすれ違い人数などに応じて、若干システム側で調整しています。
例えば渋谷でクロスミーを使うと数百人とすれ違うのですが、遠隔地に行くと1日で数名ということもあります。なるべく最適なすれ違い体験をしていただけるように工夫しています。
すれ違いのドキドキ感を常に演出したいが故の非公開です。
--なるほど。ちなみにアプリ画面上に相手が表示されると、何回すれ違ったかもわかるようですが、これもちょっとドキドキしますね。
平松氏:最大30回までカウントして、それを超えると「31回以上」と表示されるようになります。例えば100回すれ違ったとか表示されたら、逆に怖いですからね。これもすれ違いのドキドキ演出のための工夫です!
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