食を通じてファーストデートにコミットする異色マッチングアプリ「Dine」《前編》

インタビュー

 「ポストTinderと言われる次世代デーティングアプリDine」

 確かそんな文言だっただろうか。2017年11月にFacebook広告で初めてマッチングサービス「Dine(ダイン)」を拝見したとき、正直な感想として半信半疑だった。いや、1信9疑くらいだろう。

 今や日本国内のマッチングサービスは数百個単位で存在するが、Tinderといえば、国内外問わず世界中で利用されるマッチングサービスの代表格だ。ポストTinderは言い過ぎではないか、と思っていた。

 あれから一年弱が経過し、筆者の周りには着実にDineユーザーが増えている。「マッチングアプリは、マッチングできるけどデートまで行き着かない」という声が多い中、「デートにコミットする。」というサービスコンセプトの通り、Dineユーザーは確実にファーストデートの実績を重ねているようだ。

 本当にポストTinderなのかもしれない。

 Love Tech Mediaでは早速、Dineを開発・運営する株式会社Mrk&Coにお話を伺った。Dineは「マッチングサービスの第3世代」を標榜されている。マッチングサービスの各世代の解説含め、前後編に渡り、同社代表取締役の上條景介(かみじょうけいすけ)氏にお話を伺った。

 

最速でファーストデートを決めるためのシンプルな機能

 はじめにDineアプリの仕組みについてご紹介する。事前情報としてご覧いただきたい。

 Dineでは、一般的なマッチングアプリにある「相手の検索」という概念がない。自分から相手を検索して探す必要がなく、アプリのアルゴリズムによって、自動的に複数名をリコメンドしてくれる。

 毎日複数名の相手と、その人たちが最初のデートで行きたいレストランリストが紹介され、気になる相手がいた場合、リストの中からお店をひとつ選び、Dineリクエストを送るだけでデートへのお誘いが完了する。その後、一定時間内に相手がリクエストを承認してくれれば、ファーストデートが成立。日程調整に移行することができる。

 多くのマッチングアプリでは、「検索→リクエスト送信→相手がリクエスト承認(マッチング)→メッセージのやりとり→デートの調整→ファーストデート」という流れになり、ファーストデートまでの道のりは険しいケースが多い。一方Dineであれば、マッチング=ファーストデート成立となるわけだ。

 さらに今年の7月には、グルメコンシェルジュサービス「ペコッター」を運営する株式会社ブライトテーブルとパートナーシップを結び、デートの自動予約サービスの提供もスタートした。これにより、リクエストを送ってからファーストデートのお店予約までを、煩雑なメッセージをかわすことなく実施することができる。まさに「デートにコミットする」ために、ファーストデートまでの最短ルートが設計されている。

 まとめると、以下の流れとなる。

  1. 毎日定刻に、オススメの相手と、相手が行きたいレストラン情報が紹介される
  2. 気になる相手に、レストランと共にリクエストを送る
  3. 相手がリクエストを承認したらデート成立
  4. マッチング直後にカレンダーで日程調整する
  5. 調整したデート日時でレストランを自動予約する

 

 上記機能知識を前提に、インタビューに進みたいと思う。

 

目的意識があるオンラインの出会いを作りたかった

--マッチングしたらデートが確定って、非常に斬新で、何よりも楽ですね!どのような経緯でDineを開発されようと思ったのですか?

上條景介(以下、上條氏):もともと僕は国内ゲーム会社に勤めていまして、海外赴任でカナダに住んでいました。

その時に現地雇用の部下達といろいろ話をしている中で、マッチングアプリで結婚したという話をよく聞いていました。

実際にデータで見ても、結婚した人の3人に1人は、オンラインで出会っていることがわかります。

 

上條氏:赴任中だった2013年頃、ちょうどTinder(ティンダー)が流行りだしていまして、僕もプライベートで使っていました。でも、マッチしてもなかなか会えなかったんですよね。日本人だということを差し引いても、会えていませんでした。

一方、現地には日本人向けの老舗掲示板がありまして、そこでは「来週中華食べに行きませんか?」とか「イスラム料理ご一緒しませんか?」みたいなお誘いがたくさんありました。そういうコミュニケーションになった途端、たくさんの方に難なく会えていたんです。

これには目的意識の違いが大きいんだろうな、と感じまして、「目的意識があるオンラインの出会いを作りたい」と思ったことが、最初のきっかけです。

 

--なるほど。最初から恋愛分野を意識されていたわけではなかったんですね。

上條氏:そうですね。その時点での世の中のニーズを考えて、最初は恋愛にフォーカスした方が良いだろうと考え、結果として恋愛プラットフォームにしました。

2016年3月にアメリカとカナダで、2017年11月に日本版をそれぞれリリースしました。

現在は海外含め全てのDineサービスを、日本チームで管理しています。

 

マッチングアプリの第3世代

--日本にはたくさんのマッチングアプリがありますが、どのように差別化されているのですか?

上條氏:少しマッチングアプリの歴史について触れます。

デーティング市場では長らく、Match.com(マッチ・ドットコム)を筆頭とした検索型マッチング、いわゆる第1世代がサービスの基本形態でした。身長・年収等相手に求める条件を細かく入力し、その条件に合った人を検索してマッチングするタイプのサービスです。今の日本のマッチングアプリは、ほとんどがこのグループです。

スマートフォンが普及していくと同時に、今度は先ほどのTinderを中心とするカジュアルマッチング、いわゆる第2世代が欧米で全盛期を迎えるようになります。操作性の悪い「検索」を排除したシンプルなマッチングサービスなので、ミレニアル世代を中心に世界中の若者に支持されました。

でもその一方で、使用目的の違うユーザーが多数集まるので、マッチング後に実際のデートにつながらないという問題が出てきました。

世代 名称 特徴 主要サービス
第1世代 検索型 ◯恋活/婚活意識が高い
✕検索操作が複雑で面倒くさい
Match.com(米),  日本の主要マッチングサービス
第2世代 カジュアル型 ◯UI/UXがシンプルで分かりやすい
✕目的意識がユーザ毎に違い、デートにつながりにくい
Tinder(米), Bumble(米), Happn(仏)
第3世代 デート直結型 ◯UI/UXがシンプルで分かりやすい
◯恋活/婚活意識が高いユーザ同士、デートまで最短でセッティング
Dine

 

上條氏:僕たちDineは、第3世代アプリとして、第1世代の課題を解決した第2世代の良さを残しつつ、「デート率」の低下という課題を解決するために、デート直結型マッチングを提案しています。

そしてそれこそが、圧倒的な差別化要因だと考えています。

 

マッチングアプリ界のBMWを目指している

--アプリ名であるDineって、どう意味なのでしょうか?

上條氏:Dineは英語 ”dining=食事” の動詞系です。

“dine out”で「食事に行く」ことを意味しますし、”wine and dine”で「ちょっと贅沢な食事をする」という意味になります。

 

--なるほど!だからレストランから始まる出会いなんですね。ロゴが上品なイメージで、まるでダンヒルみたいですね。

上條氏:ダンヒルは意識していなかったです(笑)

上品と言っていただきましたが、Dineが目指すところは、マッチング界のBMWです。ロールス・ロイスだと高級すぎる。かと言って日産やスバルのような立ち位置でもない。

コーヒー業界で言ったら、ブルーボトルコーヒーですかね(笑)

要は、「少し背伸びすれば手の届くかっこよさ」という存在を目指しています。

 

--すごくわかりやすいですね!Dineで選択できるお店も、非常に洗練されているところが多く、かと言ってリーズナブルなお店も多く、男性でもお店選びに困らないと感じました。

上條氏:ありがとうございます。

現在は、東京だと恵比寿・代官山・中目黒・銀座・丸の内、大阪だとミナミ・キタ、福岡だと中洲・博多・天神・赤坂のお店を掲載して、アプリ展開しています。

 

--お店選びの基準はどうされているのでしょうか?

上條氏:候補となるお店に、必ずDineから調査員を送っています。

詳細はお伝えできませんが、「初めての人同士のファーストデート」に適切なお店か、という観点で判断させていただいていますね。

 

--お店としては、認知向上と実際の予約につながるので、非常にありがたいですね。

上條氏:売上げももちろんですが、候補店として掲載されること自体に感謝して頂くことが多いです。Dineに載ることが、一つのステータスとしてご評価いただけていますね。大変ありがたいです。

いずれはミシュラン的な「Dineガイド」なるものも出したら面白いな、と思っています(笑)

 

--どのレストランを選ぶか、その方の人となりが何となくわかりそうですね。

上條氏:僕たちは、ユーザーのレストラン情報を「第3のプロフィール」と呼んでいます。

レストランは最大3店舗まで選べるのですが、どのレストランを選んでいるかによって、その方の価値観や性格、経済力、Dine利用の目的などが垣間見えます。

 

》後編記事につづく

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