未だ発見できていない「出会いの切り口」を探して
新たな取り組み発表となった会場では、登壇者3名によるトークセッションが執り行われた。以下、それぞれのコメントを要約してお伝えする。
山崎氏:研究の難しいオンライン婚活領域において、この分野で国内No.1の事業者と一緒に組むことで、幸せを作る技術を提供できると期待しています。
共同研究を進める上で、ユーザーのプライバシーに関わらない範囲内で、十分魅力的なのに自己PRが十分にできていない方への支援や、メッセージが苦手な方へのチャットによるコミュニケーション支援などを実現していきたいと考えています。
昨今の人工知能業界でトレンドとなっているディープラーニングやニューラルネットワークはこれまで、”認識”や”理解”の領域でその性能を発揮していました。でも最近では、”推薦”の領域でも活用できるのでは、と可能性を感じます。
従来のオンライン婚活における「条件絞り込み」だけでは巡り会えない相手との出会いを提供していきたいです。
金子氏:今回の研究では「マッチングの質向上」を大きなテーマとしているので、マッチング率はKPIにしていません。マッチング率をKPIにすると、質を放棄してしまうと考えています。
これまでPairsは独自で人工知能を使ったマッチングアルゴリズムを構築してきましたが、あくまで自分たちの中だけで完結していました。今回、東京大学様との取り組みを通じて、もっと学術的で開けたアプローチができると期待しています。
弊社の持っている800万人分の恋愛・婚活データの中で、まだ使えていない資産や切り口を生み出し、必然ではなく偶然の出会いを最大化して参りたいと考えています。
中村氏:冒頭に申し上げた通り、弊社は日本およびアジアにデーティング文化を定着させることをビジョンに活動しています。
大多数の出会いを求める方々が「使いたい」と思うようなサービスにすべく、不要な機能はそぎ落とし、必要な機能をなるべく使いやすいようにシンプルに実装するよう心がけています。
Pairs内での成功体験が口コミとなって、どんどん世の中に広がっていく。そんな世界を実現して参ります。
編集後記
何を隠そう、本記事筆者は奥さんとPairsで出会い、結婚しました。そんなマッチングアプリ世代の当事者として、今回の取り組みは、さらなる出会いの幅と可能性を広げる、まさにLove Techな取り組みと確信しています。
今年の5月、エウレカ様はPairsカップル総勢186名をモデル起用し、ブランド広告として素敵な動画を作成しました。
一昔前だと、マッチングアプリに対するグレーなイメージが先行してしまい、このようなプロモーション動画への顔出し出演は、おそらく実現しなかったことでしょう。
そう考えると、同社が進めてきた「日本およびアジアにデーティング文化を定着させる」ビジョンは、確実に達成に向けて進んできていると感じます。
今後の研究発表に大いに期待したいと思います!