リリース概要
株式会社電通サイエンスジャム(東京都港区/代表取締役社長:神谷俊隆、以下DSJ)は、一般社団法人WITH ALS(東京都港区/代表:武藤将胤)と共同で、脳波を測定することで自分の伝えたい意思を選択する「NOUPATHY(脳パシー)」を新たに開発しました。7月26日−27日にパシフィコ横浜で開催される、ヨコハマ・ヒューマン&テクノランドにてプロトタイプを展示いたします。現在、関係者経由で無償モニターを募集しており、2019年12月下旬の販売を目指しています。
筋萎縮性側索硬化症(ALS)など、自らの意思伝達が困難になる障害があります。ALSは病が進行すると、自ら意思を伝える事が全くできない「完全な閉じ込め状態」となります。意識ははっきりしていても、自らの意思を発信できない。それは多くの人にとって恐怖です。そこで、重度肢体不自由患者でも脳波を使って自らの意思を相手に伝えることができる「NOUPATHY」を開発しました。簡易型脳波計とタブレットによって、いつでもどこでも、簡単に自らの意思を伝える事が可能です。
DSJは「サイエンスにアイディアを付与し、新しいビジネスを創造する」を事業方針として掲げ、様々なテクノロジーを活用し消費者の感性や気持ちの移り変わりを定量化し、企業のR&Dやマーケティング活動にフィードバックするサービスを展開しています。今回は、その中で培った脳波のテクノロジーを意思伝達装置に応用し、NOUPATHYの開発に至りました。
NOUPATHYとは
NOUPATHY(脳パシー)は脳波を用いることで、意思伝達を可能にするコミュニケーションツールです。脳波を簡易型脳波計とタブレットで検出することで、最大5つのコマンドの中から選択したい意思を選ぶ事ができます。コマンドの内容は入れ替えが可能で、例えば「飲み物を飲みたい」や「トイレにいきたい」といった言葉を自由に選択肢として使用することが可能です。
製品サイト:https://www.dentsusciencejam.com/NOUPATHY/
音刺激による特殊な脳波の検出
筋萎縮性側索硬化症(ALS)が進行すると、最終的にTLSという自らの意思を全く伝えられない状態になります。しかしながら、最終的に脳機能と聴覚機能が残ることが知られています。そこで、聴覚機能に働きかけると特殊な脳波が出現する「音」を使うことで、高度な選択精度を実現しています。特殊な音は人が馴染みやすい「犬の鳴き声」や「車の音」等の自然音です。自然音の種類は数パターン用意しており、使用者の気分に合わせて変更が可能です。
簡易型・ポータブルという快適さ
意思伝達ツールを継続して使って頂くためには、脳波計の快適性が重要です。そこで、NOUPATHYでは簡易型脳波計を用いることで、使用者への負担を最小限に抑えています。鉢巻き型の脳波計には3極の電極が付いており、2極は額に、1極は耳に装着します。髪の毛をかき分けて大量の電極を装着する必要はありません。また、タブレット上にソフトウェアを実装することにより、いつでもどこでも簡単に脳波を用いた意思伝達が可能です。
7月26日−27日 ヨコハマ・ヒューマン&テクノランドに出展
2019年7月26日〜27日にパシフィコ横浜で開催される「ヨコハマ・ヒューマン&テクノランド」(https://yotec.jp)にてNOUPATHYのプロトタイプを初お披露目いたします。
場所:パシフィコ横浜 展示ホールD/コマ番号:502番
12月22日BRAIN RAP CHALLENGE
2019年12月22日にはWITH ALSの武藤主催で、MOVE FES.2019が開催されます。MOVE FES.2019ではALS患者である武藤将胤氏がBRAIN RAPを行い、脳波によるラップの生成に挑戦します。BRAIN RAPにはNOUPATHYが言葉の選択ツールとして使用されます。現在、BRAIN RAPはその実現に向けて、クラウドファンディング(Good Morning)にて支援を募集しています。
クラウドファンディングURL:https://camp-fire.jp/projects/view/170345