体の移動しない新しい移動サービスGENCHIを運営する株式会社toraru(本社:大阪市住之江区、代表取締役:西口 潤)は、認知症予防研究の奈良県立医科大学(奈良県橿原市、医学部 看護学科 老年看護学 教授:澤見一枝)、福祉・介護施設運営の株式会社ナッセ(本社:大阪市西区、代表取締役社長:足立 浩)と共同で、認知症に関わる課題を幅広く理解し、その予防策への道筋を探るために、バーチャル旅行体験が人にもたらす認知機能と心理への影響についての共同研究を実施、2018年12月にバーチャル旅行体験が認知症予防になることの証明が完了しましたのでご報告します。
2017年5月より株式会社ナッセの施設を中心に実施。その結果から、証明の可能性が高いことが予測されており、本格研究の実証場所を求めていたところ、大阪府が『平成29年度大阪起業家スタートアップ事業』(※1)による支援を実施。2018年2月以降、大阪府社会福祉協議会の紹介により福祉施設を運営する社会福祉法人等8団体(※2)の協力を得られ、これにより実施場所の確保と被験者総合計189名に参加いただき、証明に至ることができました。
本共同研究では、奈良県立医科大学がすすめている認知症予防の研究において、体の移動しない新しい移動サービスGENCHIを運営する株式会社toraruと福祉・介護事業所運営の株式会社ナッセの2社により産学連携を組み、さらに平成29年度大阪起業家スタートアップ事業による大阪府及び大阪府社会福祉協議会の支援により、医学的見地から「バーチャル旅行体験」と「認知症予防・抑制」の相関関係について調査・研究を行ったものです。
具体的には、奈良県立医科大学・澤見教授と弊社toraruの担当チームが中心となり、「バーチャル旅行を継続することによって、満足感・達成感・楽しさが向上し、ストレスレベルが低下、認知機能は低下抑制が見られる」という仮説を、介護事業所に入居・来所している希望者を中心に調査・研究を実施し、証明いたしました。
本内容については、日本精神保健看護学会第29回学術集会・総会(2019年6月8日、9日、愛知県産業労働センター「ウインク愛知」)にて、奈良県立医科大学の教授澤見先生らが『高齢者を対象としたバーチャル旅行体験による認知的及び心理効果』として学会発表が行われました。
株式会社toraruは、体の移動しない新しい移動サービス「GENCHI」を運営するスタートアップ。「GENCHI」は、依頼者が希望地に行きたい旨と運賃を、既に希望地にいる(住む)人達のスマートフォンにアプリを介して通知、運賃や内容から通知を受けたものが仕事として請けてもよいと判断され合意に至った場合、希望地にいる人がスマートフォンのアプリで現地をライブストリーミングして視覚、聴覚をリアルタイム共有すると同時に、遠隔地の人を肩に乗せたイメージで共同して目的達成に協力することで、疑似的な移動をするものです。
本研究で、バーチャル旅行体験を行うことによって認知機能や心理へ有効な結果が得られたことで、バーチャル旅行体験を普段楽しめる環境を整備すると同時に、弊社サービスを利用して働いていただけるクラウドワーカーの仕事として社会に還元してまいります。
株式会社ナッセは、医療・介護施設開業支援も行う商社でもありながら、近畿圏で介護施設6施設、障害者施設4施設を運営する会社で、約800名の高齢者が所属しております。
介護業界でも、新しい価値を常に創造していくことを社是としており、入居高齢者の新しく楽しめる体験、尚且つ認知症予防にも有効な体験を、入居様に還元してまいります。本研究とあわせ、今後、利用者様の満足につながる「バーチャル旅行を含めた旅行」に関連するツアーやイベントなど様々な取組みを開始いたします。また、バーチャル旅行で認知症予防に繋がるコンテンツを同業他社に発信していきます。
(※1)平成29年度大阪起業家スタートアップ事業
大阪府が府内創業支援機関とともにオール大阪で取組む創業支援事業。ビジネスプランコンテストによる有望起業家の発掘・補助金交付・ハンズオン支援を実施。株式会社toraruは第9回ビジネスプランコンテストIT/IoTビジネス部門(社会課題解決型)に受賞し、本事業に協力する社会福祉法人大阪府社会福祉協議会から、助言・福祉施設の紹介等の支援を受けた。なお大阪起業家スタートアップ事業は令和元年度より「大阪起業家グローイングアップ事業」と名称を変更。(支援内容も一部改訂)
(※2)社会福祉法人8団体
大阪府社会福祉協議会の紹介により、実証実験の場の確保と被験者の紹介をいただいた団体。社会福祉法人幸福荘 ケアハウス 幸福荘、社会福祉法人延寿会 ケアハウス ふれあい二色の浜、社会福祉法人豊年福祉会 軽費老人ホーム 明星、社会福祉法人さつき会 軽費老人ホーム 延命荘、社会福祉法人ロータス福祉会 ケアハウス ロータス、 社会福祉法人慶徳会 軽費老人ホーム 真華苑、東陶器校区西部わくわくクラブ(社会福祉法人五常会 高齢者総合福祉施設 ゆーとりあの紹介)
<検証項目>
バーチャル旅行体験を継続した経験が、認知機能検査と心理尺度の得点に影響するかどうかを明らかにする。
<研究対象および採取したデータ>
・研究対象
60 歳以上の日本人(性別は問わず)で、バーチャル旅行を行った群、行なわなかった群の高齢者等各約 189 名
・採取したデータ
認知機能検査、心理検査
<共同研究における役割>
・奈良県立医科大学:バーチャル旅行体験の前後における認知機能検査、心理検査等
・株式会社ナッセ:高齢者へバーチャル旅行体験・アンケート調査及び担当チームの支援
・株式会社toraru:クラウドワーク型バーチャル旅行体験共有サービス基盤の提供
<上記研究に関するお問い合わせ先>
奈良県立医科大学 医学部 看護学科 老年看護学
〒634-8521 奈良県橿原市四条町840 担当: 教授 澤見 一枝
TEL:0744-22-3051
FAX:0744-29-7555
Web:http://www.naramed-u.ac.jp/
株式会社ナッセ
〒550-0011 大阪市西区阿波座2-1-1 大阪本町西第一ビル7F 担当:瀬下
TEL:06-6535-9258
FAX:06-6535-9259
Web: http://www.necess.jp/
株式会社toraru GENCHI事業部
〒559-0034 大阪市住之江区南港北2-1-10 ATCビルITM棟 6階 担当:西口
TEL:06-7166-3634
FAX:06-7632-2240
Web:http://toraru.co.jp
新しい移動サービスGENCHI Web:https://genchi.net
<募集>
株式会社toraruでは、認知症予防に関連して提携を希望される民間企業・病院・大学などの研究機関様を募集しております。