LoveTech Media編集部コメント
20歳代で約61%、40歳代で約71%、60歳代で約75%※1の方に所見が見られると言われている歯周病。
症状が進行すると、歯周ポケットと呼ばれる歯と歯肉の境目が深くなり、歯を支える土台が溶けて歯が動くようになり、最後は抜歯をしなければならなくなってしまう。
今後ますます進展する高齢社会に向けて注目が集まる、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患だ。
そんな歯周病を発見するAIの共同研究を、東北大学とNTTドコモが開始すると発表した。
具体的には、スマホで撮影した歯ぐきの色情報や歯周病独特の形状などを解析し、歯周病のリスクがあるかどうかを判定するという。
この技術を用いることで、ユーザーは空き時間に場所を問わず歯周病のリスクを把握し、歯科医師とのコミュニケーションを活性化させる。結果として歯周病検診の受診につなげることで、重症化を防ぐことが期待できるという。
2022年度を目途に歯周病だけではなく、顎関節症や口腔がんなど他の口腔疾患も発見可能にし、実用化をめざすとのこと。
毎日の歯磨きに安心し、歯科医での定期検査などができていない方をはじめ、多くの方の歯の健康維持に向け、研究の成果に期待したい。
以下、リリース内容となります。
リリース概要
国立大学法人東北大学(以下、東北大学)と株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)は、生活習慣病や歯の喪失を引き起こす歯周病を早期発見できる社会をめざし、歯周病発見AIの共同研究を2019年4月 1 日(月)から開始します。
歯周病は、20歳代で約61%、40歳代で約71%、60歳代で約75%※1の方に所見が見られ、今後ますます進展する高齢社会に向けて注目が集まっています。
歯周病を発見するために有効な歯周病検診は、歯科医院などの診察時間内といった限られた場所や時間帯でしか受診することができません。40歳~70歳を対象とした歯周病検診の受診率は全国で4.3%と推定されており※2、重症化してから歯科医師にかかることも少なくありません。
この課題を解決するために、スマートフォンで歯ぐきを撮影するだけで歯周病を発見できるAIを共同で開発します。具体的には、撮影時の手振れや撮影環境の明るさの違いを考慮しながら、歯ぐきの色情報や歯周病独特の形状などを解析し、歯周病のリスクがあるかどうかを判定します。この技術を用いることで、利用者は自宅や会社で空き時間に歯周病のリスクを把握し、歯科医師とのコミュニケーションを活性化させます。これにより、歯周病検診の受診につなげることで重症化を防ぐことが期待されます。
東北大学の口腔疾患に関する豊富な診断実績・研究実績に基づく専門的見識と、ドコモのAI技術をあわせることで、日常の生活シーンで活用できる歯周病発見AIを確立します。2022年度を目途に歯周病だけではなく、顎関節症や口腔がんなど他の口腔疾患も発見可能にし、実用化をめざします。
※1 厚生労働省,平成28年歯科疾患実態調査を用いて算出.
※2 矢田部尚子,古田美智子,竹内研時,須磨紫乃,渕田慎也,山本 龍生,山下喜久. 歯周疾患検診の推定受診率の推移と その地域差に関する検討. 口腔衛生学会雑誌,Vol.68,No.2,pp.92–100,2018.
共同研究の概要
1.歯周病発見 AI がめざす社会
2.歯周病発見 AI の概要
3.各者の役割
東北大学 |
・口腔疾患に関する専門的な見識の提供 ・症例データ(画像など)の提供 |
ドコモ |
・AIなどの技術提供、および技術検証 ・実利用環境に向けたアプリケーションの開発 |