LoveTech Media編集部コメント
北海道広尾郡大樹町 芽武(めむ)。
アイヌ語で「泉の湧き出るところ」という意味を持つこの場所に、「地球に泊まり、風土から学ぶ」をコンセプトとする、地域資源と人との共生について考え、体験とデータ化を通じて世の中に発信していくプロジェクト型ホテル「MEMU EARTH HOTEL」がある。
この地は2011年から公益財団法人LIXIL住生活財団により、寒冷地実験住宅施設「メム メドウズ」として運営されており、いつしか隈研吾氏や伊東豊雄氏など日本を代表する建築家の実験住宅や「国際大学建築コンペ」の最優秀作品が点在する、世界的にも稀有な「建築の聖地」となっていった場所である。
この「メム メドウズ」内実験住宅や牧場の記憶を継承するリノベーション建築をホテルへとコンバージョンする形で、2018年11月に誕生したのが、この「MEMU EARTH HOTEL」というわけだ。
先進的な建築と十勝の無垢なる自然を原体験として楽しむのはもちろんのこと、もう一つの大きなテーマは、同ホテルのレストランが掲げる“資源再読”である。
これは、地域に紐づく自然環境・音・景色・歴史・文化など、普段意識することのない日常生活の構成要素を、もう一度「資源」として見つめなおすことによって、豊かな感性を取り戻す行為総称を示す概念。
ワインにテロワールがあるように、食材だけでなく調理法や食べ方についても、その土地の生態系、水質、気候、地層など地域固有の資源を読み解くことで、新しいローカルガストロノミーの可能性を模索していくという。
この“資源再読”をテーマに、SDGsに向けた様々な研究者との協業を通じて、ホテル利用者から得られるデータを基にした社会実装のプロセスを国内外に向けて発信していくという、非常にユニークなコンセプトで運営されている。
引用:MEMU EARTH HOTELホームページ
そんなMEMU EARTH HOTELで、2019年8月10日よりレストランのコンセプト“資源再読”を表現するメニューとして「EARTH Oven -memu-」の提供が開始される。
芽武という土地の固有性を追求し、食材だけでなく、その土地に根付く土・石・草などの自然資源を活用した料理として、焼いた石に土を覆いかぶせて蒸し焼きにする原始的調理法を、現代風にアレンジした特別なメニューとなっている。
具体的には、南米ペルーの伝統的調理法である「パチャマンカ」をモチーフにした、大地の蒸鍋料理。
十勝内の契約生産者から仕入れた牛・羊・ジビエなどの塊肉と、じゃが芋・トウモロコシなどの野菜、ハーブを食材として使用。大地に広く浅い穴を掘り、そこに近隣の河原などで集めた石を焼いて敷き詰め窯を作り、その中に施設内に育つ柏やフキなど、大型の葉で包んだ食材を置いていく。
さらに全体に土をかぶせて2〜3時間ほど蒸し焼きにする。
土と葉のエネルギーを吸い込んだ食材は、ゆっくりと低温で蒸し焼きにされることで柔らかく、自然の風味が感じられるようになる。
普段、あなたはその土地の固有性をどこまで感じて生活しているだろうか。
例えば首都圏に住んでいる方は、東京砂漠に慣れてしまうと、自分たちが普段いる土地の生態系など、全く気にかけなくなってしまっているのではないだろうか。
人は古来から、地球と共に暮らしてきた。
そんな当たり前のことを身体レベルで思い出させてくれる体験こそが、MEMU EARTH HOTELの滞在価値なのかもしれない。
以下、リリース内容となります。