小田急電鉄が自治会・町内会SNS「いちのいち」をリリース。秦野市の自治会との実証実験も開始

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記事の要点

・東京・神奈川を中心に鉄道事業・不動産業等を手がける小田急電鉄が、新たに地域コミュニティー活性化のためのSNS「いちのいち」を開発し、神奈川県秦野市内の自治会との実証実験を開始。

 

・地域の自治会や町内会が抱えている担い手不足や回覧板の煩雑さ、若年層を中心とした地域とのつながりの希薄化、高齢者の社会的孤立などの課題を、住民が主体となって解決するために活用することを想定したサービスとなっている。

 

・小田急電鉄と秦野市は2017年8月時点で「秦野市と小田急電鉄株式会社との小田急小田原線沿線まちづくりの推進に関する連携協定書」を締結しており、駅を中心としたまちづくりや、地域の活性化などに継続的に取り組んでおり、その流れも受ける形で、2020年9月末までの共同実証実験を開始。

LoveTechポイント

地域密着型SNSとして、鉄道会社が提供するからこその付加価値を、今後期待したいと感じました。

プラットフォームとして一気にスケールする、というよりかは、「ジモティー」をはじめとするクラシファイドサイトのような“ジワジワ”と生活に浸透していく広がり方が想定されるでしょう。

編集部コメント

東京・神奈川を中心に鉄道事業・不動産業等を手がける小田急電鉄が、新たに地域コミュニティー活性化のためのSNS「いちのいち」を開発し、神奈川県秦野市との実証実験を開始した。

 

小田急電鉄といえば、昨年12月にも地域密着型サービスプラットフォーム「ONE(オーネ)」の運用を開始するなど、沿線生活者に寄り添うべく、精力的な事業開発を行なっている印象だ。

 

今回発表された「いちのいち」は、自治会・町内会向けのSNS。

 

地域の自治会や町内会が抱えている担い手不足や回覧板の煩雑さ、若年層を中心とした地域とのつながりの希薄化、高齢者の社会的孤立などの課題を、住民が主体となって解決するために活用することを想定したサービスだという。

 

具体的には、Webブラウザやスマートフォンを用いて、自治会・町内会を1つのグループとして、回覧板や掲示板等での情報発信を電子化。自治会・町内会、住民、地元商店、市役所などの間で、スピーディーで双方向な情報のやりとりを実現する。

 

また、災害時の避難所開設などの防災情報の発信や安否登録機能も搭載しており、緊急時の情報提供がより迅速化する。

 

要するに、FacebookやLineといった一般的なSNSよりも稼働地域をグッと限定することで、地域で活動するステークホルダー全員にとって最適なUX実現を目指す、というわけだ。

 

ちなみに、2011年に米サンフランシスコで立ち上がったご近所SNS「Nextdoor」は現在11カ国で利用できるほどにプラットフォームとして拡大しており、また我が国でも「マチマチ」が先行サービスとして2016年より稼働している。

Nextdoorホームページ

 

小田急電鉄と秦野市は2017年8月時点で「秦野市と小田急電鉄株式会社との小田急小田原線沿線まちづくりの推進に関する連携協定書」を締結しており、駅を中心としたまちづくりや、地域の活性化などに継続的に取り組んでいる間柄。

 

今回の「いちのいち」開発プロセスにおいては、秦野市内の山谷自治会協力のもと、会員が実際に利用することで成果が認められたという。

 

昨今の新型コロナ禍によって大幅な外出自粛が強いられている状況だからこそ、このようなデジタルツールを活用しての対話ニーズがかつてないほどに高まっており、改めての実証実験開始に至ったという流れだ。

 

実証内容は以下の通り。

実証期間  
2020年6月1日~9月30日(予定)

 

対象  
神奈川県秦野市内全域から40自治会程度
※順次拡大を予定

 

検証内容  
自治会・町内会内における地域情報の共有と地域コミュニティーの活性化

 

利用環境  
パソコン、スマートフォンからWebアプリとして利用できること(一部機種を除く)

 

利用方法  
・自治会・町内会単位で「いちのいち」サイトに登録し、グループを作成する
・自治会・町内会員は、メールアドレスと名前、住所を登録することで、コミュニティーに参加できる

※「いちのいち」利用にあたっては、自治会・町内会単位での利用料を想定しているが、実証実験期間中は無償でサービスを提供

 

シェアリングエコノミーをはじめとする「ローカルコミュニティー」の役割が見直される中、地域の物理インフラとして機能する鉄道会社が提供するSNSは、沿線の自治会・町内会に対してどのような効果を発揮するのか。

 

今回の実証実験の結果を楽しみにしたいと思う。

 

以下、リリース内容となります。

LoveTechMedia編集部

「”愛”に寄りテクノロジー」という切り口で、社会課題を中心に、人々をエンパワメントするようなサービスやプロダクトを発信しています。

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