記事の要点
・「心身の回復とウェルビーイングな生き直し」を掲げる一般財団法人ワンネスグループが、出所者・出院者の社会復帰と再犯防止、および犯罪者家族をサポートするための社会資源の全国ネットワーク「全国 犯罪者更生・家族サポートネットワーク」を立ち上げたことを発表。
・これまで個々に活動をしてきた全国の社会資源をネットワークで繋ぎ、連携し合うことで一人ひとりに必要な支援を届けている。
・具体的には、刑務所へ講師派遣や受刑者教育、職業訓練/就労支援/職業紹介、精神障がいや依存など生きづらさからの脱却支援、家族やパートナーのケア、コミュニティの運営、少年院・少年受刑者の身元引受/更生支援といった活動を行う。
LoveTechポイント
最近よく耳にするウェルビーイング。心と体が健康で満ち足りた暮らしをするということですが、一度犯罪を犯したものに対しては、圧倒的に使われにくい言葉であるようにも感じます。
「一度罪を犯したものは変われない」という固定観念から脱却し、誰もがウェルビーイングに暮らせる社会の実現を目指す本ネットワークの動向に、今後も注視していきたいと思います。
編集部コメント
「心身の回復とウェルビーイングな生き直し」を掲げる一般財団法人ワンネスグループが、出所者・出院者の社会復帰と再犯防止、および犯罪者家族をサポートするための社会資源の全国ネットワーク「全国 犯罪者更生・家族サポートネットワーク」を立ち上げたことを発表した。
全国 犯罪者更生・家族サポートネットワークは、一度罪を犯してしまった方とその家族のために立ち上がった社会資源の全国ネットワーク。これまで個々に活動をしてきた全国の社会資源をネットワークで繋ぎ、連携し合うことで一人ひとりに必要な支援を届けている。
立ち上げの中心となったワンネス財団は、ウェルビーイングに着目した独自のカリキュラムとコンセプトで、精神疾患や様々な障害、各種依存症、触法者など様々な生きづらさを抱えた人々の孤独の解消と自己実現を支援する専門機関だ。
ワンネス財団では、精神疾患や様々な障害、各種依存症、触法者の就労といった問題に対して、相談から受け皿まで、当事者だけでなくその家族や子どものことまで、ワンストップでの支援を提供。これにより、医療機関や行政窓口など、それぞれの支援先を訪ね歩く負担も軽減にもつながっている。
このように、ワンネス財団が法蝕者や受刑者本人のサポートがメインであるのに対し、今回立ち上がった「全国 犯罪者更生・家族サポートネットワーク」では、出所者本人とその家族やパートナーを対象に、包括的に支援することで「再犯防止」を目指すことが掲げられている。
日本の刑事犯罪の件数は年々減り続けており、初犯・再犯ともに絶対数が減少している状況だ。だが、初犯の減り幅に比べて再犯の減り幅が小さく、検挙人員全体に占める再犯者の割合が高くなって、結果として「一度罪を犯したものは変われない」という誤解を産んでいるという。
そのため罪を償い出所した後も、仕事・お金・住む場所がなく、犯罪者として社会から厳しい目を向けられるといった課題は依然として残り続け、本人が社会復帰を望んでも社会そのものが大きな障壁となって、結果として再犯につながってしまうことも少なくないというのだ。
このような「再犯」が生まれる構造的な課題に対して、同ネットワークでは以下のような幅広い活動を実施。出所者本人とその家族やパートナーを対象に包括的に支援することで、再犯を防ぎ、世の中から爪弾きにされる者のいない、安全安心な社会づくりを目指している。
最近よく耳にするウェルビーイング。心と体が健康で満ち足りた暮らしをするということだが、一度犯罪を犯したものに対しては、圧倒的に使われにくい言葉であるようにも感じる。
「一度罪を犯したものは変われない」という固定観念から脱却し、誰もがウェルビーイングに暮らせる社会の実現を目指す本ネットワークの動向に、今後も注視していきたい。