第5回アグリテックグランプリ 最優秀賞のテーマは”コケ”、会場投票1位のテーマは”ハエ”

食/地域/環境

LoveTech Media編集部コメント

科学技術分野における教育、人材育成、研究などを進める株式会社リバネスが開催するアグリテックグランプリ。リアルテック領域(食、農、環境、水資源、バイオマス等)の技術シーズと起業家の発掘育成を目的としたビジネスプランコンテストであり、今年で5回目を迎える。

 

エントリーした12チームのうち、今回の最優秀賞は、コケの大量生産技術を保有する「Happy Moss」。金属吸収材や緑化素材としてコケを活用し、陸の豊かさを守る事業を提案した。

 

チーム代表者の井藤賀操(いとうがみさお)氏といえば今年の1月、鉛吸着材に使えるコケの新たな生物機能を発見した共同研究グループの一員として、所属の理化学研究所より発表されている。

以下が今回の発表テーマだった。

金属吸着材としてのコケ植物の原糸体の大量生産技術や緑化素材としてのミズゴケの大量生産技術を保有。本技術を治山と水理学に関わる湿工塗基盤技術と組み合わせ、陸の豊かさを守る事業を展開する。鉱山開発にともなう抗廃水処理や、開発跡地の元山回帰を通じ、持続可能な社会構築に貢献する。

 

また、これまでLove Tech Mediaで取材した、タンパク質危機を解決する昆虫テクノロジーを研究・開発する株式会社ムスカも、川崎重工業賞を受賞。

さらに、本グランプリに集まった参加者の会場投票では、1位を獲得した。

 

食糧及びタンパク質危機への、人々の関心の高さが伺える結果となった。

 

エントリーした12チームの、今後の社会実装を期待したい。

 

※株式会社ムスカに関するLoveTechMediaインタビュー記事は以下をご参照

昆虫×テクノロジーで食糧危機の解消に挑戦するムスカ
前編記事はこちら》《中編記事はこちら》《後編記事はこちら

 

以下、リリース内容となります。

2018年9月15日(土)第5回アグリテックグランプリを開催し、最優秀賞と12の企業賞の受賞チームを決定いたしました!

アグリテックグランプリでは、テックプランター 2018に応募いただいた157チームの中から選ばれたファイナリスト12チームが、熱いプレゼンテーションを繰り広げました。

そして、栄えある最優秀賞に輝いたチームは、「Happy Moss」です。テーマは「コケ植物の原糸体で陸の豊かさを守る」です。長年コケの研究に携わり、コケの大量生産技術を保有する「Happy Moss」は、金属吸収材や緑化素材としてコケを活用し、陸の豊かさを守る事業を提案。代表者の井藤賀操さんの情熱が高く評価され、受賞となりました。

企業賞・特別賞一覧

チーム テーマ名 受賞
株式会社食機能探査研究所 世界初の科学的根拠に基づく妊活サプリの開発 ロート賞
株式会社ウェルナス 野菜由来新規食品機能性成分でヘルスケア革命を実現する 日本ユニシス賞・DNP賞
inaho株式会社 野菜の収穫ロボット開発 三井化学賞
株式会社ムスカ タンパク質危機を解決する昆虫テクノロジー 川崎重工業賞
ロッカクケイ合同会社 現代における植物と人間関係の再構築で可能になるよりよい社会 三菱電機賞
株式会社プランテックス 植物生産産業の創出 サントリー賞
株式会社ファーメンステーション 未利用資源からエタノールを製造する地域循環事業 新日鉄住金エンジニアリング賞
Agri-heir 農業AIによる植物との対話への挑戦(まずは灌水) 竹中工務店賞・オムロン賞
Agri-Image 植物病の画像による自動診断システム
Happy Moss コケ植物の原糸体で陸の豊かさを守る 最優秀賞・ヤンマー賞
スペースアグリ 人工雷によるクリーンな植物育成環境の創生 JT賞
植物リソーシーズ 人類の救世主「光スイッチ」による植物物質生産

実施概要

  • グランプリ名: 第5回アグリテックグランプリ
  • 場所:三井化学株式会社 本社(東京都港区東新橋一丁目5番2号 汐留シティセンター4階)
  • 開催日時:2018年9月15日(土)13:00-19:00 (懇親会 19:10-20:15)
  • 参加対象:クローズド・事前登録制にて開催(エントリーチーム、ダイヤモンドパートナー、経営支援パートナー、スポットパートナー、アカデミア研究者・学生他)
  • ウェブサイト: https://techplanter.com/atg2018/

LoveTechMedia編集部

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