1秒の思いを届ける鳩時計 OQTA(オクタ)が進めるエモーションテクノロジー革命《後編》

インタビュー

 これから到来するであろう「ココロの時代」。IT(Information Technology)ではなくET(Emotion Technology)(通称:エモテック)を通じて、人々の精神活動を豊かにすることをミッションとするOQTA株式会社。前半では、同社CPO(Chief Philosophy Officer)の高橋浄久氏にお話を伺った。

 後編である本記事では、実際にOQTAを利用されているユーザーの方2名に、OQTAご利用の感想や、それにまつわるストーリーについて、それぞれ詳しく伺った。

》前編記事はこちら

 

IoT鳩時計ってなんだよ、というマイナスからの出発

まずは一人目のOQTAユーザー、高橋晋平氏にお話を伺った。

 

--まずは高橋さんの現在のお仕事についてお伺いさせてください。

高橋晋平(以下、高橋氏):現在、おもちゃクリエーターとして活動しています。もともと落研(落語研究会)という背景もあって、人を笑わせることへの強烈なパッションがあり、おもちゃを通じて人を笑わせたい!という思いから大手玩具メーカーでおもちゃを作っていました。

おもちゃクリエーターという肩書きですが、純粋なおもちゃだけを作っている訳ではなく、ゲーム・イベント・Webコンテンツから生活雑貨まで、”あらゆるものがおもちゃであって、楽しませてくれるもの”という考えで、人を楽しませる企画や新サービスを作ったり、アイデア・企画発想法に関する講演活動などをしたりしています。もちろん、おもちゃの企画開発もやっています。

 

--あらゆるものがおもちゃって、面白い概念ですね!OQTAも、おもちゃクリエーターの仕事として、現在携わられているのですか?

高橋氏:仕事としてもOQTAの開発面から販売・PRまでの補完的な動き方をさせていただいていますし、ユーザーとしても、OQTAを超絶に愛用しています。

 

--もともと何がきっかけでOQTAを知られたのですか?

高橋氏:知り合い経由で紹介されました。君が好きそうな商品を発見したからぜひ話を聞きに行ってみて、って感じです。ちょうどその頃、OQTAは「Makuake」でクラウドファンディングをしていて、早速そのサイトを見てみたのですが、そこでのOQTAの紹介のされ方が「IoT×鳩時計」だったんですね。第一声としては「ああ、またやっちゃってるな」でした。

 

--IoTというバズワードが引っかかったんですかね?

高橋氏:まあIoT自体が悪いわけでは全然ないのですが。IoTって、それこそ玩具でも家電でもなんでもいいんですが、「IoTをやります」ってところから商品がスタートしているケースが結構多い印象なんです。IoTという手段が目的化してしまって、本来あるべき価値や解決したいことがおざなりになっているケースです。

なので、最初に「IoT×鳩時計」というのを見ただけだと、そう行った印象がありましたね。

でも実際にお話を聞きに会社まで伺って、そこできよぴ(高橋浄久氏、OQTA株式会社CPO)と初めて話をして、OQTAのコンセプトのスゴさに完全にやられました(笑)

 

両親との心のわだかまりを解決する唯一の方法かもしれない

--OQTAが心に響かれた要因はなんだったのでしょうか?

高橋氏:先ほどもお伝えした「IoT鳩時計」という文字面だけを聞くと、例えばLINEのスタンプのような概念をモノにしちゃった感、といったことを勝手にイメージしていました。

でも、言語情報がない一方通行の1秒の通知、というやりとりのコンセプトに大きな衝撃を覚えました。

 

--なんでそこに大きな衝撃を覚えたのでしょう?

高橋氏:少し個人的な話から先にさせてください。

僕は両親との間に心のわだかまりがあって、気軽に電話することが難しい関係なんです。そして、長年すごく悩んでいます。

すでに高齢になった両親のことは心配なんですが、いざ電話をすると必ず揉める。言葉が邪魔で、コミュニケーションをとることができないんです。僕の子供が何かあったとか、何か必要なことがあるから帰省するとか、何かしらの用事がなければ、連絡ができない。

家族との関係性がこうなった背景は、子供の頃から親に”否定”され続けてきたことに起因します。褒められた記憶はほとんどなく、悪くもないのに怒られてばかりだったと感じています。でもそれは僕が憎いからではなく、「こうあって欲しい」という、両親なりの愛情の裏返しでそうなってしまったこともわかっています。

とはいえ、僕の中に深く入り込んだ複雑な思いは簡単に無くなることはなく、今日に至っています。

 

--非常にパーソナルでプライベートな内容をお話いただき、ありがとうございます。

高橋氏:そんな背景の中、このOQTAの話を聞きまして、僕がこれを使って両親との関係性がもし改善するなんてことがあったら、それは凄いことだなと感じました。

例えば「ありがとう」という言葉と共にプレゼントを渡す、ということなんて、すでにできないんですね。それ自体が意味を持っているから、否定されるのが怖いんです。

でも、お互いに愛情があることはわかっているんです。

OQTAならば、情報無し、返信の必要無しの一方通行、さらには誰が通知を押したかわからないという匿名性があるので、コミュニケーションの意味合いも変わってきます。

この鳩時計が僕たち家族の課題を解決する唯一の方法かもしれない!と思えたことが、衝撃でしたね。

 

めちゃくちゃ大量にボタンを押してます

--現在はどのようにOQTAを使われているのでしょうか?

高橋氏:プライベートで使っているOQTAは現在2台あります。

一つは僕の自宅に設置してあって、ボタンは僕だけが押しています。娘が二人いて、鳩が鳴ったらパパだよ、と伝えています。

最初のうちは鳩を鳴らすと、帰宅してから娘たちが「今日パパが鳴ったよ!」って感じでリアクションしてくれてました。率直に嬉しかったですね。でも2週間くらい経ったら、何も言わなくなったんですね。話題の中に、鳩時計の話が出なくなったんです。単純に飽きたのかもしれません。

それで、試しに1週間ほど僕の方から何も押さないようにしたんです。そして1週間後に久々にボタンを押したら、帰宅後に娘たちが「今日、パパが久しぶりに鳴ったよ!」って大きくリアクションしてくれました。

こういう遊びも含めて、嬉しいですね。最近はまた、なんのリアクションも無くなってしまいましたが(笑)、何より僕がボタンを押していることが嬉しいんです。奥さんも喜んでいるし、娘にも何かが届き続けているのかなと思います。

 

--娘さん、可愛いですね(笑)もう一つの鳩時計は、ご実家でしょうか?

高橋氏:はい、両親が住んでいる実家に置いてまして、ボタンは僕と妹が押せるようにしています。今年の4月に帰省したタイミングで鳩時計を持っていき、動くことを確認して、「このスマホのボタンを押すと鳴く鳩時計だから」と教えて、帰ってきました。それから一度も、鳩時計のことについて確認していません。向こうからのリアクションも何もないです。

 

--実際には押されているんですか?

高橋氏:両親向けにはめちゃくちゃ大量に押してますね。自宅の愛する奥さんや娘たちに向けて押す回数より圧倒的に多くなってしまっています。

8月のお盆の時期に再度帰省することは決まっているのですが、お互いにこの鳩時計に対してどういった話題が起こるのか、僕は現時点でわからないです。でも、少なくとも僕の方は今、ボタンを押すたびに嬉しくなります。両親に何かを届けていると思うだけで、嬉しい気持ちになるんです。

 

--WiFiのコンセントを抜いて、動かないようにしているなどは考えられますか?

高橋氏:そうかもしれないですね(笑)。でも、それでも良いと思っています。

 

--なるほど。ご両親と対面される8月のタイミングで、改めて伺わせてください。

 

OQTAは必要な時に意味合いがわかるもの

--実際にご家族に対してそれぞれOQTAを使われて、何が一番価値と感じられましたか?

高橋氏:一言で言うと、「絶対に幸福感が下がらず、上がり続ける」と言う点ですね。情報がないから、悪意を伝えることができない。これが最大のポイントだと思います。

例えば先日の話ですが、奥さんが子供に些細なことで怒っていたんです。そんな中、僕からの鳩時計が鳴ったんです。もちろん偶然です。その時に奥さんは、ハッとして固まったらしいんですね。なんでこんなことで怒っちゃったんだろう、と思ったらしいです。

これがLINEだと、例えスタンプ一個でも明確な意味を持っているので、「私が大変な時に何よ!」となっているかもしれません。

これがOQTAのすごいところ、一番重要な価値だと感じています。

 

--ありがとうございます。最後に一言お願いします。

高橋氏:OQTAは全ての人にとって、家族を始めとする人間関係の絆を作れるプロダクトだと感じています。でも人それぞれ、使うべきタイミングが異なるとも思います。

そういう意味で、「必要な時に意味合いがわかる商品」だと思うんですね。

だから、現時点でより多くの人に購入してもらいたいのではなく、必要な人に適切に届いて欲しいですね。

言葉がいらない一方通行の1秒の通知、というこのコンセプトを持つこの商品は、絶対に色あせないと思います。なので、継続させて商品を死なせないことが、ユーザーであり開発にも携わっている僕の使命だと思っています。

 

OQTAは究極的にシンプルなので衝撃でした

次に二人目のOQTAユーザー、稲船祐介氏にお話を伺った。

 

--まずは稲船さんの現在のお仕事やご家族について教えてください。

稲船祐介(以下、稲船氏):現在、IT企業で主に中小企業向けのWEBマーケティング支援をしています。家族構成は、妻と娘がおります。

 

--もともと何がきっかけでOQTAを知られたのですか?

稲船氏:もう4年ほど前の話なのですが、もともと会社のつながりで、現在のOQTA株式会社代表取締役の中野さんと知り合ったんです。当時はまだOQTAの話なんて出ていなくて、これからVRの会社を立ち上げられる、という段階でした。

個人としても何かお力になれたらと思い、色々とお話を伺っている中で、ある日「ちょっと見てもらいたいものがあるんです」ということでOQTAのことを聞きまして、「なんてシンプルなんだ!」と感じました。ボタンを押して鳩が鳴るだけです、と。

僕は普段WEBマーケティングの支援という仕事を通じて、複雑な処理をなるべく簡単にするようなことに注力しています。そんな中でこのOQTAは究極的にシンプルなので、衝撃を覚えました。

 

--ビビビと来られたわけですね!

稲船氏:はい、相当僕のリアクションが良かったので、そのまま中野社長からプロトタイプの利用を個人的にモニターとして打診いただき、使わせていただくことになりました。相当初期のユーザーだと思います。

 

OQTAを使ってから家に早く帰るようになりました

--実際にどのようにOQTAを使われているのでしょうか?

稲船氏:僕の場合は、先ほどお伝えしました家族3人で暮らしている自宅に鳩時計を設置して利用しています。OQTAを使っている方には様々なケースがあると思いますが、僕たちの場合は、家族同士の距離が離れているわけではなく、家族仲も良いという、当時としてはレアなケースとして利用していました。

 

--実際に使われていっての、気持ちの変遷はどうでしたか?

稲船氏:最初は正直、モニターとして「使わなければならない」という義務感がありました。でも2週間ほどして、その義務感がいつの間にか消えていきましたね。家族のことをふっと思い出したら無意識に押す、という感じです。

また、最初のうちはボタンを押すと「今日ボタン押したんだけど、鳩は鳴った?」という確認行為をしていたのですが、それも徐々になくなっていきましたね。今では一切確認していないです。

 

--先ほど別のユーザーさんにもインタビューした時に、自分から確認することはない、とおっしゃっていました。気にはならないんですか?

稲船氏:ならないんですよね。不思議と。ボタンを押す、というところで自分の気持ちの昇華は終わっているイメージです。

 

--不思議な感覚です。OQTAを使われて、ご自身のライフスタイルに変化はありましたか?

稲船氏:家に早く帰ることが多くなったと思います。これは想像なのですが、思い出したことを形にすることで、結果として家族のことを考えることが増え、家族の時間そのものを増やしたいと顕在的に思うようになって、そのようになっていったのではと思っています。

 

毎日積んでいる「徳ポイント」

--逆にご家族に変化はありましたか?

稲船氏:検証のしようがないのですが、確実に変化があったと思っています。

ある土曜日に娘の水泳大会が予定されていて、家族で応援に行く約束をしていたんです。でも前日に外せない飲み会がありまして、あろうことか飲み過ぎてしまい、つい終電を逃してしまったんです。恐る恐る「ごめん、終電逃したので朝帰ります」というLINE を妻にしたんですね。

これまでならば怒りのLINEを通り越して無視されるレベルだと思うのですが、その時は「お疲れさま、無理しないでね」という、想定外のメッセージが届いたんです。

 

--それがOQTAの影響ということなんですかね。

稲船氏:OQTAを通じて日々鳩時計を鳴らすことって、一種の「徳を積む行為」と思っているんです。いわゆる「徳ポイント」ですね。

これまで潜在的には家族との時間を大事にしたいと思いつつ、なかなか思ったように時間を作ることができませんでした。そんな中、思いだけでも伝えることができるようになり、潜在的な思いが徐々に顕在化していきました。おそらく相手にもそれが、見えないところで伝わっていったのではないかなと思っています。

 

--鳩を鳴らすことで「徳ポイントを積んでいる」という発想、面白いです。OQTAはどれくらいの頻度で押されているんですか?

稲船氏:毎日1〜2回押しています。

 

--もっと押そうと思われることはないんですか?

稲船氏:ないですね。僕はどちらかというと、自己満足型のユーザーなんだと思います。

僕は家族が鳩時計を聞いていても聞いていなくても、どちらでも構わないんですね。押すときも押さないときも、いずれも僕自身が決めているので、押さないということは、それは僕にとって押す必要がないタイミングなんだと考えています。

なので、もっと鳩時計を聞いてもらいたいだとか、鳴らす回数を増やして自分のログを増やしていきたいだとか、そういった欲求はないですね。

 

身近な人ほど、実は思いを届けられていないことが多い

--ここまで伺って改めて、OQTAの何に惹かれたか教えてください。

稲船氏:今まで「相手のことを思った」という気持ちは、相手に伝わらないという意味では「無」だったわけですよね。それが、相手に伝わる状態になったということ、それ自体がスゴいことだと思っています。

 

--OQTAには、自分がいつアプリのボタンを押したかというログを一覧で見れる機能があります。これは見返すことはありますか?

稲船氏:これも機能としてあることは知っているのですが、そもそも興味がなくて、一度も見ていないんですよね。

僕はシンプルに、ボタンを押したら鳩が鳴る、という機能だけで十分なんです。それ以上の機能は、自分にとって必要ないと思っています。

システムに何かを足すと、後からその機能を無くすのって、結構大変だと思うんですね。OQTAはシンプルであることがとってもイケてる要因だと思うので、そういう意味では、あまり機能を追加しないで欲しいな、くらいに思っています。

 

--なるほど。貴重なお話をありがとうございました。最後に一言お願いします。

稲船氏:僕自身もともと前職ですごいキツイ働き方をしていて、それこそ月曜に出社して、そのまま週末まで家に帰らないような時もありました。

それに比べて、家族との時間が増えた今は、純粋に幸せです。

もちろん、今の職場環境も大きいですが、家族との時間の大切さや自分の潜在的な思いを掘り起こしてくれたのはOQTAだと思っています。こういう方がもっと増えるべきだなと感じています。

奥さんやご家族など身近な人ほど、実は思いを届けられていないことが多いと思うので、ぜひOQTAを通じて、思いを届けるきっかけにしていただきたいと思います!

 

編集後記

本記事では、実際にOQTAを利用しているユーザーの、具体的なストーリーを伺うことができました。お二人とも、ご利用の背景は全く異なりますが、思いとして家族との向き合い方や、OQTAへの言葉の与え方などは、共通の暖かさを感じました。

 

また、今回インタビューにお答えいただいた高橋晋平さんは、今月よりOQTAコミュニティ内で新たな部活「HATO小説部」というものを立ち上げられました。みんなでOQTAの鳩時計にまつわる小説を書き、短編で構成された本を作り、2019年に出版&ヒットを目指されるとのこと。こちらの活動も大変楽しみです。

(第1回「HATO小説部」開催の様子)

 

引き続きLove Tech Mediaでは、OQTAの動向を注視して参ります!

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本記事のインタビュイー

高橋晋平(たかはし・しんぺい)

株式会社ウサギ代表取締役
おもちゃクリエーター

秋田県北秋田市出身。2004年に株式会社バンダイに入社し、第1回日本おもちゃ大賞を受賞し、世界累計335万個を販売した「∞(むげん)プチプチ」など、アイデア玩具の企画開発・マーケティングに約10年間携わる。2013年にはTEDxTokyoに登壇し、アイデア発想に関するスピーチが世界中に発信された。2014年に独立起業し、株式会社ウサギを設立、代表取締役に。

現在は、各種企業と一緒に玩具・雑貨・ゲームなど、遊びにまつわる商品開発や販売、企画チーム作りに携わるなど幅広く活動。2018年2月に書籍『一生仕事で困らない 企画のメモ技(テク)』を出版。

稲船祐介(いなふねゆうすけ)

株式会社ベーシック カスタマーサクセスチーム
マネージャー

1976年生まれ、宮城県出身。 ソフトウェア開発会社のエンジニアからWeb制作会社を経て、株式会社ベーシックに参画。Webマーケティング支援ツール「ferret One」のカスタマーサクセス部門の立ち上げを担当。日々、企業のWebマーケティングの問題解決に取り組む。

家族構成は妻と一人娘の3人家族。趣味は釣具屋巡り。OQTAの使用歴は約10ヶ月だが使い始めて2週間で熱狂的なファンに。

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